昨日は比較的運が良かった
待たされるのを覚悟して9時過ぎに突然診療に出かけた歯医者だが
たまたまキャンセルが出たので11時に見てもらえることになった
家から近いので一旦自宅に戻ってあれこれ何かをして
再度11時少し前に出かけると、ソファで待っている知人を見つけた
最近、知人と会うのは医療関係の場所が多い
年齢からすると、そうしたことは今後増えることはあっても
少なくなることはないかもしれない
そこでちょいと情報交換をしていると時間となった
医者はそれなりに凄いな!とつくづく思う
原因と処置そして対処法を教えてくれて、飲み薬を3日分もらって
今は少し歯に違和感は覚えなくなりつつある
待ち時間で読もうとした本「赤松小三郎ともう一つの明治維新」は
結局家で読み終えることになった
この本は本当に面白かった
速くも今年一番の評価を与えることになるかもしれない
この本は実は去年読んでやはり興味を覚えた「江戸の憲法構想」
と同じ人が書き上げた本だった
今年の大河ドラマは江戸時代
何故か視聴率は戦国時代を扱ったもののほうが高いようだが
大した戦いがなかった江戸時代はもう少し評価されてもいいと思う
江戸時代の識字率は当時の世界各国と比べても高いそうだ
寺子屋で論語とか算盤を習ったようで、それがあるからこそ
蔦屋重三郎は出版という事業を運営できた
寺子屋では儲けの話ではなく、正しく生きるべく
倫理観を醸成するものも教えられた
それらの教育を受けた人たちは、さてどのような人間になるか
を考えると、赤松小三郎のような人間を生み出す可能性がある
歴史の中で赤松小三郎が話題になることは殆どない
だが、いざ知ってみるとその考えたこと、行ったことには驚きを覚える
明治維新の五箇条の御誓文よりもレベルの高い選挙による
民主主義体制を提案している
(二院制、普通選挙による議員の選抜、立法府を上位におくシステムなど)
それはイギリスの民主主義を学んで、それをそのまま日本に移し替えるだけでなく
彼の独創的なアイデアも入れられている
彼は山本覚馬(新島八重さんのお兄さん)とか東郷平八郎とか
明治維新に関わった有名人とも多く付き合っている
(というより赤松小三郎はイギリス式の戦い方の先生役だった)
つまりは庶民出身でありながら深い知識を人間性を持ち得た人物で
暗殺によって命を失うことになったが、彼の死を悼んだ人は教え子たちだった
この本にある彼の提案した憲法構想が社会に出て討論され
それを受け入れるか、どうするかという部分の記述は
まるでリアルタイムで中継を見ているようで
彼が暗殺されることを知っていてもハラハラしたものだった
この本は「もう一つの明治維新」とあるように、明治維新を肯定的な立場で
捉えたものではなくむしろ否定的な捉え方だ
特に長州人の行ったことは許しがたいものだと論じている
(その結果が戦争を招き、多くの人命を失うことになったとしている)
今流行りの「オールドメディアは一方的な視点からに過ぎない」とされるように
歴史の捉え方も従来のような明治維新を一方的に善きものとして
捉えるのではなく負の部分も慎重に考慮する必要はあると思う
それにしても運の悪い人たち
「大津皇子、村山タカ、小栗忠順、土方歳三、赤松小三郎」
たちに関心が行ってしまうのは何故なんだろう