パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

善意の交流

2025年01月09日 15時44分39秒 | ダイアリー

朝、9時頃のこと
外で洗濯物を干していると女性の声がした
「すみません、これどこへ持っていったら良いですか?」
振り向くと二人の帽子を被った女性がいた
少しアクセントがおかしいので外国人だとわかった

手には市指定のゴミ袋を持っている
中を見ると硝子壜が入っている
「あ、それは〇〇公民館へ持っていくことになってます」
二人は首を傾げる
日本語がわからないのか公民館の場所がわからないのか
どっちなんだろう

「少し待って!」
と言って家からスマホを持ってくる
そこでポルトガル語と日本語の翻訳アプリに向かって
「これは今度の日曜日に〇〇公民館へ持っていく事になってます」
と音声入力して画面を見せると
「私たち、ブラジル人じゃない、ベトナム人」
(近くにはブラジル人が多く小学生も3人いるので、ついブラジル人と思ってしまった)

そこで、今度は設定をベトナム語と日本語に変更してもう一度行う
今度は分かったようだが、公民館の位置がわからないようだ
そこでGoogleマップを開いて「〇〇公民館」と検索して徒歩での道を示した
チラッと見た彼女たちは自分のスマホで「〇〇公民館」とローマ字で検索しようとした
でもなかなかうまくいかない

そこで翻訳アプリに向かって
「今から地図をプリントして、それを渡すけど、アパートはどこ?」
と会話を試みる
どうやらすぐ近くのようだ
でも言葉で答えられてもこちらがわからないので
彼女たちに歩いてそのアパートを指し示してもらった
それは我が家のすぐ裏に数棟ある内の一つだった

「少し時間がかかるけど家にいますか?」
というと
「私たち夜勤だったからずっといる」

そこで一旦家に戻って〇〇公民館への道のプリントと
リサイクルゴミの収集日のカレンダーも合わせてプリントして
彼女たちがいる部屋に持っていった

とりあえずこのような状況になったが、すべてが円滑に行ったわけではない
もっと滑ったり転んだりみたいなことがあったが、結果オーライとなった
「困ったことがあったら、声をかけてください」そう言うと
「ありがとうございます」と返ってきた

家に戻って少しの間午前のルーティンワークをしていると
玄関のチャイム音がした
同居人がでて何かを話している
そのうち自分を呼ぶ声が聞こえたので2階から降りると
玄関には先程の女性が何かが入った袋を持ってきた
「あのこれ!」と言って袋を手渡した
袋の中にはみかんとキウイが入っていた

「わざわざ、ありがとうございます」
そう言って、袋を受け取った
ベトナムにもこうした何かお礼をする文化があるのだろうか?
とフト頭に浮かんだが
国とは関係のない気持ちのやり取りなのだろうか

実は今朝はこのことですごく気分が良かった
人と人とは善意で交流することができる
その思いを強くしたのと
「人は人に尋ねられる人になりなさい」
というあるべき人間像が、少なくとも彼女たちには通用したようで
話しかけにくい人物とは思われなかったことが
内心ホッとしたのだった

自分はどう見られているか?は自分ではわからない
でも、今日の結果は喜ばしいものだった





コメント
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