パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

愚痴の発散でもしなければ、やってられない

2023年06月19日 08時57分08秒 | あれこれ考えること

積読状態だった「権威主義の誘惑 民主政治の黄昏」アン・アプルボーム著
に目を通していると、アメリカがトランプさんを大統領に選んだ時の異様な空気感が
実は世界中で起きていたことがわかる

アメリカもイギリスもハンガリーもスペインもどうも平穏な状況では無いようだ
最近のITの発達に伴う情報格差や。好む情報だけを手に入れる傾向とか
対立を煽ったり、物事を単純化して扱うとか、真実かフェイクかわからない
ものに満ちている環境のせいだけでなく
もっと根本的な何かが人の中に巣食っているかのようだ

トランプさんは、アメリカを再び偉大に国に!と叫び
イギリスはかつての栄光と比べて情けない状況だったEUからの離脱で
瞬間的はストレスを発散できた人がいたり
スペインではトランプさんのセリフでアメリカをスペインだけに変更すれば良いような
スローガンで活動している政治団体が力を持ち始めているらしい

自国を偉大なものとして考えたいのは、ロシア、中国にも見られるが
最近の日本でも似たようなものだ
当たり障りのない「日本凄い!」と言ってるうちは良いが
威勢のいい人たちが物騒なことを言い出すのを耳にすると
こうしたものは地政学的というよりは
人類共通の心理的傾向なのかもしれないと思えてしまう

この本で記憶に残ったのは「イデオロギーよりもアイデンティティ」という言葉
複雑な社会の中での自分たちの立ち位置の不安定さを補うのは
血筋に通じる民族のアイデンティティが全てのように扱われているかのように思える

このアイデンティティ優先の考え方は「ネポティズム(縁故主義)」に繋がっていて
最近の我が国の異様な政治のことを連想させる

収奪といった経済的な面からの視点だけでなく
支配は内的に行われていくのが現実のようだ

なぜトランプさんのような人を選んでしまったのか?
(プーチン、ルカシェンコも)
そもそも人には適切な人を選ぶ能力があるのか?
日本では何らかの怒りの発露としてのガーシー議員の当選と説明されても
常識的にはあのような人を選ぶ大衆は、、信じていい存在ではない

なんだかストレスが溜まる
未来は良いことが待っている、、という気持ちにはなれないでいる
愚痴でも言っていないと、やりきれない感じ





 

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