パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

気になる「モッブ」という存在

2024年07月23日 09時26分32秒 | あれこれ考えること

暑いっ!
早くも室内は下で32℃(午前8時半現在)
2階は、、見ていない

ありがたいことに、夜中はエアコン無しで寝られている
南側に庭があるのが本当に効いているようだ

ところで、暑い中で気になっていることをボケ防止のこれで
頭の整理もしないでぶちまけることにすると、、

アメリカの大統領選挙のトランプさんの報道を見るにつけ
かつてのドイツ国民のヒトラーに対する熱狂を連想するので
ハンナ・アーレントの「全体主義の起源」3を再読している

すると、今まではさほど気にしなかった言葉が今回は妙に気になってきた
それは「モッブ」という言葉
前に読んだときも、どういう意味か?とネットで検索した記憶がある
その時はウキペディアで示された「暴徒」でわかった気になっていた

しかし、この「モッブ」という存在は意外や意外
その一つ一つは取るに足らないような存在からスタートしていても
結果的に庶民の間の空気づくりに大きな影響を与えるように思えてきた

多分、モッブという言葉が登場したのは「全体主義の起源」2の方だと思う
階級とか制度がかっちり固定して行き場のないヨーロッパの連中が
海外に生きる道を求めることになった(その一つがモッブとして扱われている)

この海外に挑戦する人びとが、良い人ばかりなら良いのだが
残念ながらそう言うわけには行かなかった
例えば、南アフリカで初めて会う肌の色の違う人、見知らぬ言葉を話す人
生活習慣も違う人、、、そういう人たちの対して、今の世の中で要求される
多様性を受け入れる考えで対峙することは少なかった
簡単に言えば、彼らを下に見て統治すべき存在として扱ったということで
現実には海外に生きる場所を求めた人は「あぶれ者」みたいな人が多かったので
そういう考えに至ることが多かった

アメリカも元はヨーロッパからの移民が多く
それらの人々は立派な人格者だったかと言えばそれは怪しい
(西部開拓も彼らからの視点に過ぎない)
極端なのは南アメリカの出かけたヨーロッパの人々は、必ずしもそうではなくて
植民地主義を残酷なくらい進めた人々で、その後遺症がいつまでも
現在の格差にまでつながっている

たくましさとか勢いとか行動力のある「モッブ」という存在
それらは知識人にとっては取るに足らぬ存在だったかも知れないが
現実世界では馬鹿にできない状況を作り出したようだ
だからこそハンナ・アーレントは取り上げたのだと思われる

暴徒という解説で示されるように、モッブは理性的な存在ではない
感情的、暴力的とも言える
だがそれ故に、大衆の中においては力を持つ
それは現在進行中のアメリカ大統領選の異様なネガティブキャンペーンで
モッズの姿が現実に見られる気がする

ここで話を日本に置き換えると、日本のモッブとは北一輝を始めとする連中とか
天皇機関説を猛烈に反対した論客とその一派だと想像する(個人的には)
そして現在の日本社会では、SNSを使った実態はよくわからないが
知らず知らずフェイクの噂を広め、静かに侵攻する人々でないか

つまりは、大規模の存在ではないが妙に人の感情を煽る存在
感情に訴えるだけに、その言い分は理性との対話が成り立たない
そして困ったことに一気に広がりやすい

人の世の中は、どういうわけか、信じられないくらい良い人が存在する
と同時に全く反対の悪い人も存在する
これは生物が生き残るためにいくつかの可能性を残しておく
その例の一つかもしれないが、できることなら良い人が多いほうがありがたい
そして「モッブ」という存在の少ないほうが好ましいと思う

いつもの、まとまらない話



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