やることなすこと全く上手く行かず、どん底に陥ったことがある
今から思えば、社会的に困難に陥ってる人と比べると観念的な挫折に過ぎなかった
と振り返ることはできるが、その当時は自分が全否定されたような気分だった
そんな時、霊感商法に類するような場面に出会いそうになった
悩みが甘っちょろい観念的であれ、当時の自分にとっては救いがほしかった
確かどこかの地下の店だったか占いの場所だったように薄ぼんやりと覚えている
ほとんど忘れてしまったが(ということは、はまらなかったということだが)
現在の困難の状況は、あなたの先祖の某とか、今までに冷たくした人のたたりだ
というようなことを言われた
先祖のことは思い当たる節はないが、冷たくした人のことはずっと気になっていたから
聞き流すことはできなかった
(冷静に考えれば、人間は誰だって一つや二つは非人間的なことをしでかしているだろう)
そうか、そうなのか
つい、そう考えてどうすればクリアできるだろう?
と考えるのは当然の流れだ
その時出てきたのが、印鑑の話だ
それで全てがクリアされるみたいな話が続いたように思う
だが、直感は胡散臭い、、とメッセージを出していた
それ以上話を聞くことはやめて、そこから出た
しばらく考えた
先祖の話は親に聞くとして、冷たくしたひとのことは心に引っかかったままだ
だが、急に印鑑ですべてがクリアされるような行動を
今まで生きてきた自分とか、友達は認めることができるのだろうか?
とひらめいた
それは違う、、少なくとも自分はこのように安易な方法で救われるのは間違いだ
と確信をもった
「神仏を尊び、神仏に頼らず」
小説「宮本武蔵」に出てきた吉岡一門との戦いを控えた武蔵が
仏に勝利を願おうとするのをやめたシーンだが、それが浮かんだのだった
冷たくした人の祟なり恨みは、自分が引き受けなければ卑怯だ
何故か妙に強くそう感じたのだった
それは自己責任論とは違う、どこか覚悟のようなものだ
というわけで、ある時期の危機は乗り越えたと思っているが
その乗り越えられたのは何のおかげだったのか?
と考えると、もしかしたらそれまでに読んできた小説類のおかげかも知れないと思えた
「ジャン・クリストフ」「デミアン」「シッダールタ」「カラマーゾフの兄弟」
「宮本武蔵」そうした実生活には役立たないものが、最後の最後になって力を発揮した
ような気がしてならない
自分は多読でもないし、読む本は偏っている
だが、本のおかげで助かっている面はこのように多い
自分の経験からすると、役に立たないと思われるような小説
特に教養小説などは、若い時期に読むのはあとで効いてくるような気がするから
なるべく読んで欲しいものだ
(今の漫画でそのようなニュアンスのものがあるかもしれないが
活字だけの世界から想像することも大事だと本好きは言いたくなってしまう)
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