■COVID-19下の総火演2021
富士総合火力演習、本日実施されWebにて中継されました。今回は過去の写真とともに新しい自衛隊の動静などを視てみましょう。
本日、富士総合火力演習が静岡県御殿場市の東富士演習場畑岡地区にて公開されました。富士総合火力演習は日本最大の公開演習、例年八月に行われ一般公募により広く公開されていますが東京五輪の関係から前倒しとなり、2020年に続き2021年もCOVID-19感染拡大を受け報道公開のみ、招待客無で一般にはライブ配信により公開される事となりました。
陸上自衛隊の教育演習として開始された富士総合火力演習は、同時に我が国防衛力のあり型と陸上自衛隊の練度を広く国民に広報すると共に、諸外国武官を招き我が国の上威力の練度と防衛への決意を誇示する国威発揚の場でもあります。もっとも、本年は悪天候に悩まされ、人口密集地に隣接する関係上特に航空部隊の参加が限られたのは残念ともいえる。
富士学校が実施する富士総合火力演習ですが、AAV-7水陸両用車の迫力が目立ちました、これは近年は島嶼部防衛の重視を受け、長崎県相浦駐屯地に司令部を置く水陸機動団による展示部分が大きくなったことを受けてといい、今年度は更に水陸機動団の新装備“汎用軽機動車”も初公開、陸上防衛の本質的な変容を物語るものと云えるのかもしれません。
汎用軽機動車は陸上自衛隊の新装備です、従来であればCH-47輸送ヘリコプターと高機動車を空中機動に用いていましたが、陸上自衛隊は新しくV-22輸送機を導入、オスプレイの愛称で知られる可動翼機卓越した飛行速度と長大な行動半径を誇るものですが、機内にはCH-47輸送ヘリコプター程搭載することはできません、その為に国産の新装備を導入です。
60mm迫撃砲、偵察戦闘大隊へ装備へ。M6C-210/60mm迫撃砲は水陸機動団の新装備とされていますが本年の富士総合火力演習にて各師団や旅団へ新編される偵察戦闘大隊へも装備されると発表され、また軽装甲機動車により機動していました。これはオーストリアのヒルテンベルガー社製小型迫撃砲です、射程1600mといい片手で保持して射撃可能です。
F-2戦闘機は悪天候により低空飛行を断念しました、ただ、後段演習では戦闘機の爆音が確認できましたので遠州灘上空で待機していたのでしょう。レーザーJDAM精密誘導爆弾による攻撃が地上設置のTNTにより再現されていましたが、気になりましたのはレーザー誘導爆弾全般は曇天の天候では充分機能しないのですよね。低空飛行以上に気になりました。
UH-60JA多用途ヘリコプターとともにUH-1J多用途ヘリコプターなどが参加しました、意外だったのは最新型のUH-2多用途ヘリコプター、2019年に一般公開されている装備ですので2021年あたりには訓練に参加せずとも展示飛行のお披露目式くらいはあるものと考えていただけに拍子抜けでした。すると陸上自衛隊のV-22参加は、更に先となるのやも。
ヘリコプターについてはカナダ製の狭域無人機スカイレンジャーとオーストラリア製の中域無人機スキャンイーグルが登場、悪天候の為にスキャンイーグルは映像でも確認できませんでしたが、引退したOH-6D観測ヘリコプターの代替はスキャンイーグルという印象でした、導入費用では1セットあたりの機数で割ればOH-6Dとスキャンイーグルはほぼ同じ。
対戦車ミサイルについては一式参加しました、一式というのは、01式軽対戦車誘導弾、87式対戦車誘導弾、装甲戦闘車車載の79式対舟艇対戦車誘導弾、中距離多目的誘導弾、96式多目的誘導弾、と。並べると国産力の凄さと誇示したいところですが、それより前に種類が多くなり過ぎたような印象も否めず、もう少し統合と多用途化と改良型を期待したい。
特科火砲については、FH-70榴弾砲、99式自走榴弾砲、19式装輪自走榴弾砲、203mm自走榴弾砲などが一式参加しました、ただし19式装輪自走榴弾砲については射撃せず。その一方で19式装輪自走榴弾砲は年度末から部隊配備が開始されると紹介されていましたので、来年度当たり、部隊行事が再開した際には展示される事でしょう。楽しみに待ちたいもの。
富士総合火力演習、数年前までは毎年第7師団や第2師団に第11旅団や第5旅団と、北海道の重装備部隊が90式戦車などを連ねて参加していましたが、コロナ禍下で北海道からは参加できないのかと考えつつ、しかし水陸機動団は長崎から参加している訳ですので、戦車部隊の関して、我が国周辺での防衛情勢の大きな転換期を迎えているとも感じました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
富士総合火力演習、本日実施されWebにて中継されました。今回は過去の写真とともに新しい自衛隊の動静などを視てみましょう。
本日、富士総合火力演習が静岡県御殿場市の東富士演習場畑岡地区にて公開されました。富士総合火力演習は日本最大の公開演習、例年八月に行われ一般公募により広く公開されていますが東京五輪の関係から前倒しとなり、2020年に続き2021年もCOVID-19感染拡大を受け報道公開のみ、招待客無で一般にはライブ配信により公開される事となりました。
陸上自衛隊の教育演習として開始された富士総合火力演習は、同時に我が国防衛力のあり型と陸上自衛隊の練度を広く国民に広報すると共に、諸外国武官を招き我が国の上威力の練度と防衛への決意を誇示する国威発揚の場でもあります。もっとも、本年は悪天候に悩まされ、人口密集地に隣接する関係上特に航空部隊の参加が限られたのは残念ともいえる。
富士学校が実施する富士総合火力演習ですが、AAV-7水陸両用車の迫力が目立ちました、これは近年は島嶼部防衛の重視を受け、長崎県相浦駐屯地に司令部を置く水陸機動団による展示部分が大きくなったことを受けてといい、今年度は更に水陸機動団の新装備“汎用軽機動車”も初公開、陸上防衛の本質的な変容を物語るものと云えるのかもしれません。
汎用軽機動車は陸上自衛隊の新装備です、従来であればCH-47輸送ヘリコプターと高機動車を空中機動に用いていましたが、陸上自衛隊は新しくV-22輸送機を導入、オスプレイの愛称で知られる可動翼機卓越した飛行速度と長大な行動半径を誇るものですが、機内にはCH-47輸送ヘリコプター程搭載することはできません、その為に国産の新装備を導入です。
60mm迫撃砲、偵察戦闘大隊へ装備へ。M6C-210/60mm迫撃砲は水陸機動団の新装備とされていますが本年の富士総合火力演習にて各師団や旅団へ新編される偵察戦闘大隊へも装備されると発表され、また軽装甲機動車により機動していました。これはオーストリアのヒルテンベルガー社製小型迫撃砲です、射程1600mといい片手で保持して射撃可能です。
F-2戦闘機は悪天候により低空飛行を断念しました、ただ、後段演習では戦闘機の爆音が確認できましたので遠州灘上空で待機していたのでしょう。レーザーJDAM精密誘導爆弾による攻撃が地上設置のTNTにより再現されていましたが、気になりましたのはレーザー誘導爆弾全般は曇天の天候では充分機能しないのですよね。低空飛行以上に気になりました。
UH-60JA多用途ヘリコプターとともにUH-1J多用途ヘリコプターなどが参加しました、意外だったのは最新型のUH-2多用途ヘリコプター、2019年に一般公開されている装備ですので2021年あたりには訓練に参加せずとも展示飛行のお披露目式くらいはあるものと考えていただけに拍子抜けでした。すると陸上自衛隊のV-22参加は、更に先となるのやも。
ヘリコプターについてはカナダ製の狭域無人機スカイレンジャーとオーストラリア製の中域無人機スキャンイーグルが登場、悪天候の為にスキャンイーグルは映像でも確認できませんでしたが、引退したOH-6D観測ヘリコプターの代替はスキャンイーグルという印象でした、導入費用では1セットあたりの機数で割ればOH-6Dとスキャンイーグルはほぼ同じ。
対戦車ミサイルについては一式参加しました、一式というのは、01式軽対戦車誘導弾、87式対戦車誘導弾、装甲戦闘車車載の79式対舟艇対戦車誘導弾、中距離多目的誘導弾、96式多目的誘導弾、と。並べると国産力の凄さと誇示したいところですが、それより前に種類が多くなり過ぎたような印象も否めず、もう少し統合と多用途化と改良型を期待したい。
特科火砲については、FH-70榴弾砲、99式自走榴弾砲、19式装輪自走榴弾砲、203mm自走榴弾砲などが一式参加しました、ただし19式装輪自走榴弾砲については射撃せず。その一方で19式装輪自走榴弾砲は年度末から部隊配備が開始されると紹介されていましたので、来年度当たり、部隊行事が再開した際には展示される事でしょう。楽しみに待ちたいもの。
富士総合火力演習、数年前までは毎年第7師団や第2師団に第11旅団や第5旅団と、北海道の重装備部隊が90式戦車などを連ねて参加していましたが、コロナ禍下で北海道からは参加できないのかと考えつつ、しかし水陸機動団は長崎から参加している訳ですので、戦車部隊の関して、我が国周辺での防衛情勢の大きな転換期を迎えているとも感じました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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