■技術開発は将来投資!
H-3ロケット、H-2シリーズに続く新型国産ロケットですが、昨日3月7日に実施された初の打ち上げに残念ながら失敗しました。どの分野でも日本の共通する問題ですが開発費を甘く見ているよう思う。
自衛隊の反撃能力として今後開発される中距離ミサイル、射程2000km台のミサイル開発が今後本格化しますと、ロケットモーターの開発技術や量産技術が整備されてゆくこととなりますから、言い換えればH-3の失敗に失望する事無く、逆に必要な予算を掛けなければ日本だけ低コストで開発できる魔法の王道は無い事を再確認された構図と云えます。
反撃能力、この種の技術は技術者の養成と経験が必要ですので、実のところ北朝鮮のミサイル開発ではありませんが、奢ることなくトライ&エラー方式でミサイル開発を今後進める事と成りますので、その技術が逆に宇宙開発に寄与する事となるでしょう。言い換えればH-3と自衛隊反撃能力、開発を2010年代前半から並行し行うべきだったともおもう。
H-2ロケット、旧型ロケットの開発費はH-2Bロケットの開発費が271億円、H-2Aロケットの開発費が1532億円で、全体の原型となるH-2ロケットの開発費が2700億円となっていまして、このH-2Bロケットの開発費が271億円というのは当時の諸外国のアトラスシリーズなどの開発費と比較しても常識外の開発費となっていました。例外だったのです。
問題は、H-3ロケットの開発費が2061億円となっていまして、1990年代に新規開発されたロケット開発費が2700億円であったのに対して、同様に新規開発である、しかし相応にインフレが進展し物価が異なっている2020年代のH-3ロケットの開発費がH-2よりも抑えているのですから、開発費というものを無理に圧縮した副作用が表面化した構図です。
開発期間の長期化、H-3ロケットの課題はH-2Bロケットが開発されたのは2003年、その前型であるH-2Aロケットが開発されたのは2001年、H-2ロケットが開発されたのは1994年ですので、実質H-3ロケットだけ開発に20年間を要しているということです、工芸品で無く工業製品の開発長期化は関係者異動と引き継ぎを含むため、一般論として非合理です。
宇宙開発予算、言い換えれば2061億円の開発費を20年に分けて支出した為、これは逆に短期間で異動の無い限られた関係者が集中的に数年間で3000億円程度を集中しなければ、日本の技術者がいかに勤勉であろうとも、桁外れの低い予算で開発できるような魔法は出す事が出来ないという事を認識すべきなのかもしれません、研究開発費、どの分野でも重要なのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
H-3ロケット、H-2シリーズに続く新型国産ロケットですが、昨日3月7日に実施された初の打ち上げに残念ながら失敗しました。どの分野でも日本の共通する問題ですが開発費を甘く見ているよう思う。
自衛隊の反撃能力として今後開発される中距離ミサイル、射程2000km台のミサイル開発が今後本格化しますと、ロケットモーターの開発技術や量産技術が整備されてゆくこととなりますから、言い換えればH-3の失敗に失望する事無く、逆に必要な予算を掛けなければ日本だけ低コストで開発できる魔法の王道は無い事を再確認された構図と云えます。
反撃能力、この種の技術は技術者の養成と経験が必要ですので、実のところ北朝鮮のミサイル開発ではありませんが、奢ることなくトライ&エラー方式でミサイル開発を今後進める事と成りますので、その技術が逆に宇宙開発に寄与する事となるでしょう。言い換えればH-3と自衛隊反撃能力、開発を2010年代前半から並行し行うべきだったともおもう。
H-2ロケット、旧型ロケットの開発費はH-2Bロケットの開発費が271億円、H-2Aロケットの開発費が1532億円で、全体の原型となるH-2ロケットの開発費が2700億円となっていまして、このH-2Bロケットの開発費が271億円というのは当時の諸外国のアトラスシリーズなどの開発費と比較しても常識外の開発費となっていました。例外だったのです。
問題は、H-3ロケットの開発費が2061億円となっていまして、1990年代に新規開発されたロケット開発費が2700億円であったのに対して、同様に新規開発である、しかし相応にインフレが進展し物価が異なっている2020年代のH-3ロケットの開発費がH-2よりも抑えているのですから、開発費というものを無理に圧縮した副作用が表面化した構図です。
開発期間の長期化、H-3ロケットの課題はH-2Bロケットが開発されたのは2003年、その前型であるH-2Aロケットが開発されたのは2001年、H-2ロケットが開発されたのは1994年ですので、実質H-3ロケットだけ開発に20年間を要しているということです、工芸品で無く工業製品の開発長期化は関係者異動と引き継ぎを含むため、一般論として非合理です。
宇宙開発予算、言い換えれば2061億円の開発費を20年に分けて支出した為、これは逆に短期間で異動の無い限られた関係者が集中的に数年間で3000億円程度を集中しなければ、日本の技術者がいかに勤勉であろうとも、桁外れの低い予算で開発できるような魔法は出す事が出来ないという事を認識すべきなのかもしれません、研究開発費、どの分野でも重要なのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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