◆富士教導団
ボーイングHPによればサイレントイーグルが初飛行したようですが、富士学校に関する話題です。明日に迫った富士学校祭、あまりお役には立てないでしょうが、2008年の行事の様子などを紹介してゆきます。御笑覧いただければ幸い。
富士学校祭ですが、2008年、幾度か足を運ばれた方のお話を聞き、なるほど東千歳駐屯地祭程ではないにしろいろいろとみれそうだ、と足を運ぶことに。同年既に下志津に行っていましたので高射学校の最新の装備を見学でき、それならば次は同じく多くの装備が並ぶ富士学校でしょう、と。
いつもお世話になっている方々一行と車両にて展開、という運びに。今日では期間限定で運行されている夜行快速ムーンライトながら東京行きの利用も考えたのですが、沼津で御殿場線始発までの待ち時間が尋常ではないほど長い、と聞き、車両展開の方に便乗させてもらいました。
夜行バスで早い時間帯に東京に進出して小田急の始発特急あさぎり号で、というのも考えたのですが、こちらも時間的にあわないので断念。深夜にどんどん進み増して、夜明け前の東名高速道路をどんどん首都圏に向けて進む中、警戒した渋滞などもなく、なるほど、これが一番早かったのか、と。
御殿場で高速道路を降りますが、この先、どうやったらいけるのか、カーナビに従うべきか、いやいやあの裏道が云々と本能に従うか少々議論を重ねた後、といっても当方は全く道がわからないので蚊帳の外にて運転は万事お任せします、と言う状況なのですが、道を進んでいきます。
なにしろ見覚えがあったのは富士総合火力演習の際によくお世話になる御殿場ステーションホテル界隈だけ、どんどん市街地を離れ大丈夫なのか、と一瞬思うのですが富士学校のある須走という場所は標高が1000m近く、富士の裾のというよりは富士山の斜面、という場所だというので市街地を離れていても道は間違いない、安心(?)です。
このあたりから、道というよりも写真とキャプションがどんどんずれてゆくのですが、そこら辺はお構いなく。さて、道がどんどん山中には行ってゆくのですが、空挺や33連隊、13連隊と自衛隊車両が続々やってくるので、なるほどこの道ならば間違いはないだろう、と安心しました。
しかし普通に考えると自衛隊車両に沿って移動すれば富士駐屯地よりも東富士演習場にいってしまいそうで、行ったら行ったで諸君志願ご苦労!、とは成らないでしょうが行事は見ることできないのは必至、気をつけて道路を進んでいきますとさてさて、富士学校祭こちら、と標識を発見して安心です。
戦場の霧、と言う言葉があります。状況が分からず地図上で五里霧中の状況を示して、指揮官が限られた情報だけでは見えない先の状況をこう表現するそうですが、富士では違う霧に悩まされる事があると言われます。聞くところですとこのあたり、日によっては霧が凄いとの事。
東富士演習場も霧で使用制限、これは熱戦暗視装置では標的は見えるのですけれども、弾着観測が出来なくて安全上、という意味なのですが使用制限になる事もあるのだとか、この日はその点霧も無く安心でした。なにしろ凄くて、装備品展示で見上げた99式自走榴弾砲の砲口が真下から見えないほどといいますので、霧は警戒していました。
富士学校ですが、面白い事があると聞いていました、なんでも駐車場まで時間帯が時間帯だと過去には73式装甲車の一群に割り込んでしまった、とか、戦車が来たらどうするんだ戦車が!、とはなしていたらその通りになったとか、いろいろと聞きますが、そういうことはありませんので、少々残念。
富士学校指定の駐車場へ到着した時間帯が早かったので駐車場は空いていました。とはいえ、駐車場の面積は、富士総合火力演習ほどではないにしても結構広かったです。写真と本文のずれが凄いですが、写真の方は別に駐車場ではありません。その広い駐車場ももう少しすれば満車になるのでしょうか。
そういえば読売旅行なんかも行事を行う防衛省が断れないことをしってか団体旅行を募集していて、時間がたてば続々と観光バスが到着するのだ、と少々気になったのですけれども駐車場には観光バスよりも早く到着できました。・・・、観光バスは別の駐車場に駐車するっぽいのですが当時は知りませんでした。
そうとは知らず安心して駐車場で撮影機材を準備したのですが、雨具はどうするか、バッテリーの予備は持ったか、髭は剃ったか、と悠長に構えつつ待て待てここは駐車場、駐屯地ではありません。さて、と。駐屯地と駐車場を結ぶシャトルバスがあるとのことで、シャトルバス乗り場へと向かい始めました。
しかし既に我こそは一番乗り、を目指した方々、そこそこ並んでいたのですけれども、これを待つのか、待たずとも歩けばよいとして、徒歩でいくか話し合った結果、まあ、健康のためにも歩きましょうか、と。歩きだしてちょっとしたのちに、遥か遠くに目を凝らしても駐屯地らしいものが見えません。
そういえば、ここは本州最大級の大演習場、東富士演習場に隣接、迷いこめば多分大変です。不安になったのけ警戒の隊員さんに、ちなみに歩いたらいかほどでしょうか、と聞くとバスに並んだ方が圧倒的に早い、と聞いたので、誰だよ歩こうとか言った奴は、と自分の事は全員棚上げで責任の擦り付けあい。
正直にシャトルバス乗り場に到着です、最初からこうしていればよかったのか。さて、バスに乗るには手荷物検査なのですが、カメラバックからポケットまで慎重に検査です。やけに慎重です。隠しポケットまで慎重です。そんなに変かな?と思ったんですが、一見作業服にみえる当方の、しかしPMC(今風に言えばPSC?)御用達の装備。
迷彩服なんか着こんでいませんよ、普通の作業服風。しかし、PMC御用達のポケット多数、こういう装備ですから、ビクトリノックスの一本でも、と勘ぐられたんでしょうか。聞いてみると、ふふふ、それ私も持ってますよ、と隊員さん。なるほど、511やWOOLRICHは中の人にも結構な人気のようです。
Canon純正のカメラバックを開き、一眼レフ二台とPC,書籍、携行口糧、等々みせますが特に問題はなし。ところで富士学校ですが練馬や守山よりも手荷物検査は厳しかった印象で、X線検査を除けば岩国よりも厳しく、厚木と同じくらい、という印象でした。最近は学校の警備が厳重なのですね。
当方以外にも一般人的な方々、当方も一般人ですが結構厳し目に確認されていました。手荷物検査を終えるとそのままバス乗車です。バスはそのまま駐屯地へ。駐屯地に行く途中新戦車TK-Xが試験走行をしていたり、NBC偵察車に追い越されたり、小型無人機が上空を乱舞したり、海兵隊のAAAV-8試作車がチラリと見えたり、そういう事は期待したのですが皆無でした。
富士学校の正門をくぐりましたが保存展示車両や厚生会館、それに模擬店などが並んでおり一般公開ならではの情景が並んでいます。イージーエイトやパックハウザーも並んでいる展示車両もゆっくり見たいところですけれども、本日のお題は富士教導団。富士教導団がメインなのですから式典会場の方に急ぎます。
式典会場は上り坂を少し上ったところにあるのですけれども、一見して、ああ、ここが映画ガメラ2の第1師団出動のシーンで使われた場所か、と気づきました。土手の雰囲気ですぐにわかったのですが、さてさてどこから撮ったものでしょうか。撮影位置を決定することでその日の写真は全部決まるので慎重に慎重に。
富士学校祭の撮影場所はどうするのか、ちょっと駐屯地の式典会場を見渡してみましたが思い浮かぶ場所は何箇所か。写真撮影の時に考えるのは鉄道写真を撮影する時に自分なら何処で撮影するか、という事です。そうやってみてみると、この会場の配置も桂駅や金山駅に、・・・、見えてこないか。
富士。土手のあたりから観閲行進正面を撮影するという方法、観閲台後方の高台から撮る方法、他には車両通路の出口付近から車両が一直線になるところを遠巻きに望遠の圧縮効果で撮影する方法等考えられたのですが、まあ、一通り考えてみた結果、ここは正直に土手のところから撮影です。
ここはいい写真が撮れる!というのは実はそこまで関係なく、木陰で涼しそうだったから、という理由で決めました。撮影位置ですべてきますのでは、と思われるかもしれませんが、その通り何も矛盾していません、暑い場所→発汗→疲れる→集中できないよ。こうならないように日蔭の選定です。多分。
座席は多く設置されているのですが、基本的に招待席、一般席のところは満席です、まだ満席となっていたい一般席らしき座席もあったのですが地元の方専用とのことで、なるほど地元との親睦を図る、という駐屯地一般開放のあり方をみた感じでしたね。しかし、木陰なし。・・、まあ、そんなもんか。
富士学校祭、聞くところでは数年前まで土手の正面にもテントが設置されてほとんど見えない、ということもあったのだとか。観閲行進の写真の被写体になっている車両と撮影位置の間にテントが、ということですが、土手の下のところにテントを立てられると、確かになにも見えないでしょうね・・・。
しかし並ぶ戦車戦車洗車。なんか最後に一つ違う文字が混ざりましたが磨きあげられています。向こうには特科火砲、装軌装輪各種装甲車、施設車両が並び、横一列から眺めは情景は圧巻の一言、東千歳駐屯地とくらべてしまうのですが、車両の数では東千歳があっといしていることは確かです。
しかし東千歳駐屯地は駐屯地に整備されている旧軍滑走路に沿って並ぶ戦車などの車両を横から見ることはできないので、これはつまり車列まで距離があるという意味なのですが、そういう関係で一枚に広角で写し込むとどうしても迫力ある写真には残念ながらどう頑張っても成りません。
その点、富士は高台で真横と正面から見ることができるのですね。そして木陰。行事開始に備えて施設車両が整地を行っています。これだけの車両、予行だけで会場の路面は大変なことになってしまうのでしょうね。観閲行進直前には散水車が水を撒きます、土煙がすこい事にならないように水を撒くのです。
さて、斜面に腰掛けて増える他の見学者の方々と一緒に式典の開始を待ちます。待ち遠しいというか、戦車の方がどんどん近づいてくるような雰囲気です。そんなに迫力が!?、と思われるかもしれませんが、どんどん近づいてくると言うのは印象ではなく、実際に斜面をずるずると滑って行っていたのですね。
土手の角度は大したこと無いのですけれども土が剥き出し、土手の地盤は微妙でして、雑草でも茂っていてくれれば滑らないのですけれども、ね。皆さん下の方に、こちらも同じ。もう一回上ります。ずるずる、もう一回上ります。以下略。傍から見ると楽しそうなのでしょうか、まあ、慣れれば滑らないのですけれどもね。
多人数で展開した強み、荷物番をお願いして交代で式典会場を散策することとしたのですけれども、どの角度から見ても迫力はすごいですね。そして富士総合火力演習の準備なんかも行われていて、季節を感じました。式典が始まりそうな気配があったので慌てて撮影位置に戻ります。
こののちは先日紹介したとおり観閲行進が行われて、訓練展示模擬戦です。観閲行進は前回の写真の通りなのですが、訓練展示は戦車部隊と特科部隊が協同で普通科部隊を支援するという内容。前述の濃霧が出ていると乳褐色の向こうに発砲焔だけが見えるという状況になるのだとか聞きました。
訓練展示の各種特科火砲、とくに203ミリの空包射撃はなかなか見ることができないものですし、99式とFH70と203ミリの協同は、この富士学校でなければみれないものでしょう。そして74式戦車改、なんかも富士学校祭か富士総合火力演習でなければ見る事の出来ない装備です。
富士学校は、訓練展示を撮影する場合には今回撮影した場所よりも観閲台付近の高台あたりで撮影した方がいいように思いました、当方が撮影した位置からは観閲行進では迫力ある写真が撮れたのですが、訓練展示では後方から見ているというかたちでした。涼しかったのですけれども、ね。
富士総合火力演習も後方から見るので、条件としては似ているという形なのですが、なるほど、続々と車両が展開して貴重なものを見ることが出来ました。状況終了の後にヘリコプターが地上展示の為に式典会場に続々と到着して、式典会場では車両展示と戦車試乗の準備が開始されました。
富士学校には資料館があり、展示内容はかなり充実しています。そして厚生会館も土産物なんかが並んでいて、保存展示車両も多くが並んでいます。明日に迫った富士学校祭2010ですが、新型の10式戦車が登場するようです、天候は気になるのですが、足を運ばれる方、雨具の準備をお忘れなく。
HARUNA
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