北大路機関

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次世代再生可能エネルギーに賭ける菅首相と次世代新兵器に賭けた末期のヒトラー総統

2011-06-21 23:13:39 | 国際・政治

◆危機に瀕し新技術で大逆転、そんな例は極稀有

 この新技術で原発が無くとも電力不足解消!、目の前に夏の電力不足が迫っているにも拘らずこうした考えで新法を制定しようとする動きは、あたかも末期のヒトラードイツが、新重戦車、ジェット戦闘機、弾道弾の実用化で勝てる、と叫んだのと似ています。ヒトラードイツが叫んだときにはベルリンの総統地下本営十数キロの位置にソ連軍が、日本の首相が叫んだ今現在はあと十日足らずで七月の電力不足があるわけです。

 次世代再生可能エネルギーの実用化はそんなに甘くない、できるのならば既に世界がやっている。震災復興に膨大な予算が必要となっている今日ですが、我らが菅首相は震災復興に一定の目途が立った時点で退陣すると今月初旬に表明し、しかし震災復興で幾ら予算があっても足りない状況下で再生可能エネルギー基本法の制定が終わるまでは辞職出来ないと周囲を混乱させています。そもそもバブル期に地震が発生していれば海外の資本や不動産を買い漁ることなく潤沢な資産を復興資金に充てられ、変な出費をしなくて済んだのでは、これは同期の方が震災前に首都圏直下型地震の話の際に口にしていた事なのですが、その通り現在の日本には余剰資金は無く、政権交代後経済政策を怠ってきた事により今年度では赤字国債が税収を上回っているという状況です。そんな状況下で再生可能エネルギーの開発への国費投入と次世代エネルギーの開発を両立させる事は、例えば被災地の基幹産業に太陽電池パネルを構想して製造国営企業でも創設し、明治以来の殖産産業を行うくらいしか考えつきません。これでは復興が一段落することなど永久になくなり、菅内閣は長期政権を実現、次の総選挙まで続く事になってしまいます。復興の機会を逃した東北地方太平洋岸は数十年に渡り現状維持、となってしまうでしょう。

 さて、その再生可能エネルギーですが、太陽光発電は多くの資金投入を必要とする事は既に過去の記事で繰り返し掲載しています。正直なところ、電気料金は一般家庭で一世帯当たり15000~25000円程度、といわれていますから太陽光発電により全電力を賄えるという発電量をパネル設置と整粒装置、変圧器とインバータにバッテリーにより確保した状態で、年間整備費用を込みで実質18万~30万円程度の負担に抑えられる程度でなければ普及しないでしょう。十年計画で、それこそ家庭用に電力会社と契約せずとも電力を自給自足可能な耐用年数数年で50万円程度の電源装置でも開発できれば、話は違ってくるのですが、そういった技術開発を行うべく国費を投入する、という話は聞こえてきません。こうしたなかで既存技術だけにより目的を達成して原発を廃止しようなどというのは土台無理な話。

 こうした中で、オーランチキトリウム、ジャガイモ発電、等など怪しい技術の一般化という話が出てきています。オーランチキトリウムとは淡水や海水は勿論下水などの排水でも繁殖する藻の事で生成することにより石油の代替物質を精製することが出来るそうです。ジャガイモ発電とは早い話がバイオエタノールをジャガイモから精製する事で、種イモの時点では成長速度が早く食用には適さないもののエタノールの精製には流用可能な品質を有していることからこれを大量生産する事でバイオエタノールの生産量を爆発的に増大させることが出来れば、石油不足を補う事が出来原子力発電を脱することが可能になる、という夢の技術。

 新型のジェット戦闘機が完成すれば連合国から制空権を奪い返す事が出来る!、超重戦車の量産によりソ連軍の戦車部隊を一気に押し返してモスクワを攻略できる!、V-1号ミサイルはロンドンの半分を破壊出来たので最新型のV-2号が完成すれば残ったロンドン市街を全て破壊することが出来る!。そういう会話がベルリン陥落直前の総統本営で話し合われていたそうですが、ソ連軍は数キロ手前まで迫り米軍が快進撃を続けている状況での数年後の技術を語ったものでした。オーランチキトリウム、ジャガイモ発電、破壊力は異なりますけれども、電力不足は今年の夏、今年の夏と言っても六月は暦の上では既に夏ですし、あと一週間少々で七月になる中で電力不足が叫ばれる中、再生可能エネルギーの導入で脱原発を実現できる、という発想は大戦末期のドイツはヒトラー総統にも劣る考えと言わざるを得ません。

 日本も米軍のM-4戦車に能力的に充分対抗し得る四式中戦車を、P-51戦闘機にも対処できるだろう五式戦や烈風を、太平洋渡洋爆撃が可能な巨大爆撃機富嶽を、それぞれ開発していまして、少し前までのシュミュレーションノベルなどではこれらが量産されていれば、太平洋戦争大逆転!、という話がありました。大きなロマンですが、本土決戦に米軍はM-4よりも強力なM-26重戦車を用意、とかP-51と同時に間もなくP-80ジェット戦闘機を開発、等など事情を差し引いても、充分な数を生産して充分な教育訓練を行う環境を維持し、万全の状況で実戦に投入できるという体制を構築できない限りは夢の域を出るものではありませんでした。

 この技術さえ実現すれば、という考えは同時に何故実現しないのか考えてください。オーランチキトリウムやジャガイモ発電は原子力を置き換えるほどの規模まで量産体制を構築するのにどれだけの期間、どれだけの予算、どれだけのプラント規模、どれだけの人的資源を必要とするのでしょうか。実は地下の秘密工場で着々と進んでおり政府の号令一家で明日にも機密費で開発された秘密火力発電所から極秘燃料を内緒電線を通じて一般家庭に供給できる、というのならば別なのですが、どうもそうではないようです。ですから、下級的な対策が必要な現状には見合わない対策でして、そもそも資金自体が震災復興に充てなければならない、消費税を10%まで上げる計画があるとの報道、民主党内で喧々諤々の議論になっている様子とともに報じられていますが、これは震災復興予算までを想定しているものですから、次世代エネルギーをどうするか、資金の面でも言及されていません。

 そもそも埋蔵金があるので高速道路無料化と子供手当と農家個別所得補償を毎年補える、という言葉を基に政権につき、探せば埋蔵借金ばかり出てきて、というのが現在の政権なのですから、流石に騙される人はいないとも思いますが、いや、今でもオレオレ詐欺とか出ているから分からないか、と思いつつも、まあ、財源は税金でしょう。太陽電池パネル、パネルだけでそもそも400~600万円程度とのことで、まあ、バッテリーは除外して悪天候時と夜間送電だけは電力会社と契約を結んで購入するとしましょう、最近の太陽電池は十年から二十年は機能を維持できるとのことですけれども、ローンか一時金か、補助金が出ても自分の税金から出ることになりますから世帯ごとに400~600万が必要になってしまいます。維持費は別途かかるのですが、これが現実問題可能か、現在の与党では年収500万を低所得層、と代議士が発言している事例、度々ありましたので何とかなりそうな印象を持たれているのかもしれませんが、まあ、自家用車の二倍か三倍、安い負担では絶対ありません。このあたり考えれば、非現実なのは一目瞭然。

 オーランチキトリウムに関しては現在検討中の技術ですので、実現には大量生産に必要なプラント、これを日本の原子力発電を置き換えるほどに大規模に構築するには、それこそ現時点で研究室レベルの精製しか行えていない以上、実質的に零からの出発、しかも同じく零から日本に置いて出発した原子力発電は原子力先進国アメリカからの支援と技術提供を受ける事が出来たのですが、オーランチキトリウム精製は大規模プラントの構築は世界にまだ例が無く、どこも研究室レベルですので、一国の電力需要を賄う規模に仕立て上げるには更地からの出発になります。誰が出資するのか、原子力がここまで来るには広報費用と助成金だけで年間7000億円、インフレ率がありますから一概には言えないのですが十年間で十倍すれば7兆円、この数字とはケタ違いの費用が大量生産による実用化と市場流通には必要でしょう、しかし、軌道に乗るまでは全く利潤を生まず、そして計画そのものが政権交代により政府支援が破たんする可能性があるのですから投機的、ここに資金を投機するということは投棄する覚悟にも繋がり、数兆円規模で資金を集めるのは不可能ではないでしょうか。

ジャガイモによるバイオエタノール生成、なんでも成長期のジャガイモは短期間で大きく成長する事で大量生産が可能になるとのことですが、これにより驚きの10kg5円での生産が理論上可能になる、という事です。10kg5円であればバイオエタノールへ生成したとしてもガソリンと同程度の1リットルあたり150~200円に収められるのだとか。この技術には驚きました、農家が200万円の収入を得ようとすれば年間4000㌧もを生産しなくてはならないのです。諸経費を合わせればこれではとても足りず、結局黒字への産業として軌道に上げるには一世帯当たり10000㌧近くを生産しなければならなくなるでしょう。4000㌧として2㌧トラックで2000台分、毎日頑張って生産して2㌧トラック5~6台分を出荷しても年収は200万ですから、ちょっと非現実的だろうと思います。

 第一、バイオエタノールそのものが宮古島や伊江島で精製プラントが税金を投じて建設されたものの、その後音沙汰無しではありませんか。新技術を開発して量産して、そして普及させるには市場メカニズムから社会構造まで影響する大きな事業です。それも考えずして、いきなり脱原発に応用しようなどというのはちょっと理解できません。まず、どの程度のエネルギーを確保するのかという長期計画で大綱を画定し、その長期計画を実現するには大まかな段階を分けて中期計画に明示、こうした上で毎年の予算に明記する必要があり、同時に中期計画で事業評価を高く確保するにはどれだけの予算が必要なのか、そういうことも明示せずに、新技術だけ推し進めるのは、まあ、特許収入にはつながる部分があるのかもしれませんがそれ以外の普及と流通には繋がりません。

 そもそも市場原理にだけ任せようとする姿勢が間違っています。例えばバイオエタノール一つとっても、アメリカは戦闘機を含めた航空機用燃料としての位置付けを考えた上で、普及の下地を徐々に造っています。日本では単に市場原理にだけ任せたのでは石油関連団体からの圧力に対抗することはできませんので、例えば次期戦闘機選定などにバイオエタノールとの適合性を考えるなどして使用しなければならない状況を構築、つまり資源確保と安全保障を絡めて石油関連団体からの圧力をかわせる位置に依拠し、防衛用需要等で毎年数千トン単位の需要を構築する、とか裏技を使わなければ、ちょっと無理でしょう。市場原理を無視して景気対策を行わず、当然訪れた景気悪化に祈るのみでしかない政党であれば、ここまで考えが回らないのかもしれませんが、国が推し進めなければ進まない分野で、しかも日本は後発です。これでは受験勉強を高三の初冬にようやく始めた受験生が、睡眠学習枕やイメージ録音語学学習を使えば受験生との競争でも充分打ち勝てるので大学受験は怖くない、と考えているのと何処が違うのでしょうか。後発であるのに楽をしようという考えはちょっと呆れてしまいます。

 こうして多くの期間と多大な予算を必要とする分野、そんな巨大計画を震災復興のために全く予算が足りていないので増税しなければならない、というこの時期に何が何でも行わなければならないのでしょうか。脱原発は国家の将来を左右する、東北の復興なんて後回しにして次世代再生可能エネルギーだ、と叫ぶのであればいいのですが、そういう訳でもない模様。そして脱原発を叫ぶ前に、浜岡原発が地震に脆弱という事で首相が止めるよう叫んだ事で、それならばウチの原発だって近くに活断層が、津波対策不十分、として全国に原発運転再開停止の波が広がっている状況、これにより終戦以来最大規模の電力不足が、電気により通信と生産と維持している現代日本を襲おうとしている、順番が逆なのではないのか、と。まあ、再生可能エネルギーの代名詞となる水力発電を、脱ダムの叫びとともに一緒くたにして蔑にしているのが、どこの政党とは言いませんが、ありますので、期待してはいけないのでしょうけれども。しかし、現実逃避はよくないように思う、こんな大人を見せては子供の教育にもよくない、そう思いました次第です。

北大路機関:はるな

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東日本大震災自衛隊災害派遣部隊、陸海空58000名が派遣中

2011-06-20 23:43:00 | 防災・災害派遣

◆隊員被爆事案への対応も重視すべき

 先週の時点で派遣部隊規模は67400名と航空機320機、艦船29隻。本日の時点で派遣規模58000名、航空機270機、艦船24隻が活動中。

Img_2468 一方で原子力災害派遣において3月12日から13日にかけ原子炉冷却作業へあたっていた隊員の一名が緊急時作業被ばく限度間近の80mm?を被爆していた事が防衛省より発表、現時点で健康に影響は出ていないとのことですが、骨髄移植を含めた生涯に渡っての医療支援を政府は派遣隊員全てに補償する恒久法を制定するべきです。

Img_2425  現時点で災害派遣の規模は58000名と発表されていますから、派遣規模は最盛期と比べ半分程度に縮小されているのですが、首都直下型地震発生における自衛隊の動員規模が50000名を想定してきましたので、現時点でも派遣規模は空前、という状況のまま推移してきています。補給や訓練体系に及ぼす影響は十年単位で残る事でしょう。

Img_5756  前述の作業中被爆に対する今後の長期的措置や、派遣期間の長期化を踏まえ、他には予備動員の在り方も忘れてはならないのですが、何らかの災害派遣に伴う法改正は必要と考えます。万一の、今回はその万一に近い事なのですが、如何に隊員を支えてゆくのか、その法的根拠となる恒久法制定か自衛隊法改正、大急ぎで政治は検討しなくてはなりません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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東北地方太平洋沖地震/東日本大震災 防衛省災害派遣情報 定期掲載:2011年6月20日

2011-06-20 20:20:27 | 防災・災害派遣

◆防衛省発表

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年6月20日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 継続中
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 継続中
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人 員 : 約58,000名
(陸災部隊:約43,800名、海災部隊:約7,000名、空災部隊:約6,900名、原子力災派部隊:約250名)
航空機 : 約270機
艦 船 : 24隻  が活動中
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(6月19日)

第9師団が岩手県内(宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市及び陸前高田市等)において、生活支援(給食・給水・入浴)を実施。
第6師団が宮城県内(気仙沼市、南三陸町、石巻市、女川町、亘理町及び山元町等)において、行方不明者の捜索、物資輸送、生活支援(給食・給水・入浴)及び瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。
第6師団及び第12旅団が福島県内(福島市、郡山市及び田村市等)において、入浴支援を実施。
○海自

(6月19日)

艦艇及び航空機等により、岩手・宮城・福島県等の被災地沿岸海域において、行方不明者の捜索及び入浴支援(石巻市・気仙沼市)を実施。
○空自

(6月19日)

航空機及び地上要員等により、岩手・宮城県内において、行方不明者の捜索及び生活支援(給食・入浴)を実施。
○原子力災害派遣による活動

(6月19日)

第44普通科連隊及び第6特科連隊等が双葉町、浪江町、大熊町及び富岡町において瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年6月19日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 継続中
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 継続中
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人 員 : 約63,500名
(陸災部隊:約44,600名、海災部隊:約7,200名、空災部隊:約11,400名、原子力災派部隊:約300名)
航空機 : 約310機
艦 船 : 24隻  が活動中
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(6月18日)

第9師団が岩手県内(宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市及び陸前高田市等)において、生活支援(給食・給水・入浴)を実施。
第6師団が宮城県内(気仙沼市、南三陸町、石巻市、女川町、東松島市、七ヶ浜町、亘理町及び山元町等)において、行方不明者の捜索、物資輸送、生活支援(給食・給水・入浴)及び瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。
第6師団及び第12旅団が福島県内(福島市、郡山市及び田村市等)において、入浴支援を実施。
○海自

(6月18日)

艦艇及び航空機等により、岩手・宮城・福島県等の被災地沿岸海域において、行方不明者の捜索を実施。
○空自

(6月18日)

航空機及び地上要員等により、岩手・宮城県内において、行方不明者の捜索、物資輸送及び生活支援(給食・入浴)を実施。
○原子力災害派遣による活動

(6月18日)

第44普通科連隊及び第6特科連隊が双葉町、浪江町、大熊町及び富岡町において瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年6月18日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 継続中
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 継続中
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人 員 : 約66,400名
(陸災部隊:約47,400名、海災部隊:約7,300名、空災部隊:約11,400名、原子力災派部隊:約300名)
航空機 : 約310機
艦 船 : 24隻  が活動中
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(6月17日)

第9師団が岩手県内(宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市及び陸前高田市等)において、生活支援(給食・給水・入浴)を実施。
第6師団が宮城県内(気仙沼市、南三陸町、石巻市、女川町、東松島市、七ヶ浜町、亘理町及び山元町等)において、行方不明者の捜索、物資輸送、生活支援(給食・給水・入浴)及び瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。
第6師団及び第12旅団が福島県内(福島市、郡山市及び田村市等)において、入浴支援を実施。
○海自

(6月17日)

艦艇及び航空機等により、岩手・宮城・福島県等の被災地沿岸海域において、行方不明者の捜索を実施。
○空自

(6月17日)

航空機及び地上要員等により、岩手・宮城県内において、行方不明者の捜索、物資輸送及び生活支援(給食・入浴)を実施。
○原子力災害派遣による活動

(6月17日)

第44普通科連隊及び第1空挺団等が双葉町、浪江町及び南相馬市原町区等において瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年6月17日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 継続中
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 継続中
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人 員 : 約66,350名
(陸災部隊:約47,400名、海災部隊:約7,300名、空災部隊:約11,400名、原子力災派部隊:約250名)
航空機 : 約310機
艦 船 : 24隻  が活動中
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(6月16日)

第9師団が岩手県内(宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市及び陸前高田市等)において、生活支援(給食・給水・入浴)を実施。
第6師団が宮城県内(気仙沼市、南三陸町、石巻市、女川町、東松島市、七ヶ浜町、亘理町及び山元町等)において、行方不明者の捜索、物資輸送、生活支援(給食・給水・入浴)及び瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。
第6師団及び第12旅団が福島県内(福島市、郡山市及び田村市等)において、入浴支援を実施。
○海自

(6月16日)

艦艇及び航空機等により、岩手・宮城・福島県等の被災地沿岸海域において、行方不明者の捜索及び入浴支援(気仙沼市)を実施。
○空自

(6月16日)

航空機及び地上要員等により、岩手・宮城県内において、行方不明者の捜索、物資輸送及び生活支援(給食・入浴)を実施。
○原子力災害派遣による活動

(6月16日)

第44普通科連隊及び第1空挺団等が双葉町、浪江町及び南相馬市原町区等において瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年6月16日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 継続中
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 継続中
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人 員 : 約66,800名
(陸災部隊:約47,400名、海災部隊:約7,700名、空災部隊:約11,400名、原子力災派部隊:約300名)
航空機 : 約305機
艦 船 : 30隻  が活動中
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(6月15日)

第9師団が岩手県内(宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市及び陸前高田市等)において、生活支援(給食・給水・入浴)及び瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。
第6師団が宮城県内(気仙沼市、南三陸町、石巻市、女川町、東松島市、七ヶ浜町、亘理町及び山元町等)において、行方不明者の捜索、物資輸送、生活支援(給食・給水・入浴)及び瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。
第6師団及び第12旅団が福島県内(相馬市、福島市、郡山市及び田村市等)において、入浴支援を実施。
○海自

(6月15日)

艦艇及び航空機等により、岩手・宮城・福島県等の被災地沿岸海域において、行方不明者の捜索及び入浴支援(石巻市・気仙沼市)を実施。
○空自

(6月15日)

航空機及び地上要員等により、岩手・宮城県内において、行方不明者の捜索、物資輸送及び生活支援(給食・入浴)を実施。
○原子力災害派遣による活動

(6月15日)

第44普通科連隊及び第1空挺団等が双葉町、浪江町及び南相馬市小浜等において瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年6月15日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 継続中
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 継続中
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人 員 : 約66,800名
(陸災部隊:約47,400名、海災部隊:約7,700名、空災部隊:約11,400名、原子力災派部隊:約300名)
航空機 : 約300機
艦 船 : 30隻  が活動中
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(6月14日)

第9師団が岩手県内(宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市及び陸前高田市等)において、生活支援(給食・給水・入浴)及び瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。
第6師団が宮城県内(気仙沼市、南三陸町、石巻市、女川町、東松島市、七ヶ浜町、亘理町及び山元町等)において、行方不明者の捜索、物資輸送、生活支援(給食・給水・入浴)及び瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。
第6師団及び第12旅団が福島県内(相馬市、福島市、郡山市及び田村市等)において、生活支援(入浴)を実施。
○海自

(6月14日)

艦艇及び航空機等により、岩手・宮城・福島県等の被災地沿岸海域において、行方不明者の捜索及び入浴支援(石巻市・気仙沼市)を実施。
○空自

(6月14日)

航空機及び地上要員等により、岩手・宮城県内において、行方不明者の捜索、物資輸送及び生活支援(給食・入浴)を実施。
○原子力災害派遣による活動

(6月14日)

第44普通科連隊及び第1空挺団等が双葉町、浪江町及び南相馬市小浜等において瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年6月14日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 継続中
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 継続中
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人 員 : 約67,300名
(陸災部隊:約48,100名、海災部隊:約7,500名、空災部隊:約11,400名、原子力災派部隊:約300名)
航空機 : 約310機
艦 船 : 30隻  が活動中
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(6月13日)

第9師団が岩手県内(宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市及び陸前高田市等)において、生活支援(給食・給水・入浴)及び瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。
第6師団が宮城県内(気仙沼市、南三陸町、石巻市、女川町、東松島市、七ヶ浜町、亘理町及び山元町等)において、行方不明者の捜索、物資輸送、生活支援(給食・給水・入浴)及び瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。
第6師団及び第12旅団が福島県内(相馬市、福島市、郡山市及び田村市等)において、生活支援(入浴)を実施。
○海自

(6月13日)

艦艇及び航空機等により、岩手・宮城・福島県等の被災地沿岸海域において、行方不明者の捜索及び入浴支援(石巻市・気仙沼市・相馬沖)を実施。
○空自

(6月13日)

航空機及び地上要員等により、岩手・宮城県内において、行方不明者の捜索、物資輸送及び生活支援(給食・入浴)を実施。
○原子力災害派遣による活動

(6月13日)

第44普通科連隊及び第1空挺団等が双葉町、浪江町及び南相馬市小浜等において瓦礫除去等の応急復旧活動を実施。

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第11旅団創設3周年・真駒内駐屯地開庁57周年記念行事 本日実施

2011-06-19 23:16:06 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■真駒内駐屯地祭2011

 本日、札幌市の真駒内駐屯地創設記念行事へ行ってまいりました。なにやら、本州で見たことのある方々数人いまして、お互いごあいさつ。美唄でのお話ですが聞いてみると京都市のお隣にお住まいの方がいたりして、世間は狭いなあ、という印象です。

Img_1431  真駒内駐屯地ですが、災害派遣を現時点でも実施中という状況での駐屯地記念行事でして、観閲行進では旅団創設記念行事であるにもかかわらず化学科部隊が参加していない、という災害派遣を思い出させるものがありましたが、22部隊から1150名と車両225両が参加するという非常に大きな行事となり、創設されたばかりの北部方面混成団第52普通科連隊も参加、見学者も大勢、活気に溢れていました。

Img_1950  行事は部隊巡閲、指揮官訓示、簡閲行進と訓練展示が実施され、訓練展示では災害派遣展示が行われるのかと思いきや実施されたのは野戦方式、仮設敵に特科隊の73式装甲車があたり、戦車や自走榴弾砲、装甲車部隊と激しい戦闘を交わし、かなりの迫力。なかでも久々にみることができた75式自走榴弾砲が良かったですね。

Img_2058  地元の方と世間話も盛り上がりまして、11Dの陸自OBで戦車関係の仕事に携わっていた方と雑談や、当方と同じメーカーのカメラバックを担いでいる方で自衛隊関連行事初撮影の方とアングルでいろいろ場所の話をしたり、親子三代で近所から見学に来ていた人と隣り合って見学したり、いろいろと率直か感想や印象をお聞かせいただくことができました。装備の更新度合いや編成も垣間見ることができ、充実した一日、現地でお世話になりました皆様、ありがとうございました。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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美唄駐屯地創設34周年・第2地対艦ミサイル連隊創設19周年記念行事

2011-06-18 22:34:39 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■美唄駐屯地祭2011、大震災以来の一般公開

 本日、北海道美唄駐屯地にて、美唄駐屯地創設34周年、第2地対艦ミサイル連隊創設19周年記念行事が行われました。

Img_8610  3月11日の東北地方太平洋沖地震以降、自衛隊は創設以来最大の災害派遣任務を現在も遂行中で、駐屯地記念行事は多くが中止、実施されたものも全て一般非公開行事となっていたなか、6月18日本日実施された美唄駐屯地祭は公開となりました。さぞ盛況、と思いきや来賓よりもやや少ない一般入場者ではありましたが、記念行事再開です。

Img_8731  東日本大震災の揺れは美唄駐屯地でも中震として体感されたとのことで、非常勤務体制へ即座に移行、190名の隊員を派遣し主力の任務は五月上旬に完了したとのことですが、現在も警務と業務の2名が派遣されているとのことで、訓練展示は災害派遣を経験した隊員による災害派遣展示となっていました。

Img_9020  観閲行進は、第2地対艦ミサイル連隊の保有する88式地対艦誘導弾部隊が行進を行いました。連隊には六連装発射基四基を運用する中隊が四個ありますが、各中隊より発射機一基と弾薬車一両が行進に参加しました。音楽隊の参加もなく、少々寂しいという印象は拭えませんが、非常時ゆえ、と考えることにしましょう。

Img_9131  88式地対艦誘導弾は発射されるとプログラムされた低空を地形追随飛行し洋上では高空を亜音速で飛翔、目標に接近すると超低空を飛行しそのまま低空から直撃、約200kmの距離で5メートル四方の標的を撃ち抜く性能があるミサイルで、冷戦終結に伴い順次ミサイル連隊の規模は縮減されているのですが、同時に現在射程と巡航速度を向上させた改良型が開発されています。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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平成二十三年度六月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2011.06.18・19)

2011-06-17 22:50:28 | 北大路機関 広報

■自衛隊関連行事

 この日を待っていました、ようやく日常が戻ってきた!、自衛隊関連行事として駐屯地祭の情報をお伝えできることを喜びとともに掲載します。

Img_5874  北海道の第11旅団管区において、駐屯地祭が再開されることとなりました。大津駐屯地祭や千僧駐屯地祭のように実施はなされるものの一般非公開、聞いてみると行事らしい行事も実質行えない、という五月でしたが11旅団HPを見ますと、震災チャリティーなどを含め実施するとのこと、これは行くしかないでしょう。写真は一つ違いの12旅団。

Img_6465  明日土曜日に美唄駐屯地祭がおこなわれます。地対艦ミサイル連隊が駐屯している駐屯地でして、管区の第11旅団HPによれば、一応実施、非公開という起債はありませんので、恐らく、見学できると思います。映画鉄道員のロケをおこなった三笠から少し離れた美唄で実施される駐屯地祭が3.11以降最初の陸上自衛隊一般公開行事となるのでしょう。

Img_6032  第11旅団創設3周年真駒内駐屯地開庁57周年記念行事は日曜日に行われます。遊びにおいで自衛隊、とHPにも記載されているので実施されると確信します。札幌市営地下鉄南北線自衛隊前駅からすぐの場所ですが戦車大隊も駐屯する大きな駐屯地で観閲行進、訓練展示、車両体験搭乗、震災コーナーなどが予定。殉職者もだした11旅団を応援したいですね。 

Img_1714  写真は第12旅団、空中機動を重視した編成をとっていますが、第11旅団は戦車部隊とともに普通科部隊の装甲化と特科部隊の自走化を図った部隊として打撃力を重視した編成となっています。冷戦時代は道都札幌と戦略的要衝青函地区の防衛を担う師団として抑止力を発揮していました。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

コメント (2)
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連動地震(東海・東南海・南海):自衛隊の迅速展開に向けた防衛大綱再改訂の必要性

2011-06-16 23:01:23 | 防災・災害派遣

◆必要な派遣規模は?太平洋ベルト襲う巨大地震

 連動地震、という単語が本格的に使われ始めました。東海地震・東南海地震・南海地震が連動して発生する巨大地震への警戒です。

Img_3915  中部方面隊管区のほぼ全域と東部方面隊管区の一部を襲う巨大地震、それに伴う津波災害と長期浸水被害が産業中枢、人口中枢、交通中枢を破壊するわけですので、今回の東日本大震災の被害の大きさを考えれば戦慄するとともに、復旧と復興の迅速化を本気で考えなければならないという決意も湧いてまいります。

Img_0_386  本来、災害派遣について大きく掲載してきている北大路機関ですが、基本的な認識として自衛隊の本来任務は国土の防衛、特に軍事的脅威を以てわが国の主権と安全を直接的間接的に脅かす事案に対し武力紛争を抑止し、抑止が破綻した際には自衛権の発動を以て上記任務を完遂する、という事が主任務であり、災害派遣任務は副次的任務であることは理解しているつもりです。

Img_27083  したがって、自衛隊は防衛に必要な各種任務用の装備を重点的に整備しなければ災害以外の理由でこの国が無くなってしまいますから、当然戦車や護衛艦に配慮は必要です。もっとも、護衛艦は情報拠点や航空機運用拠点になり、戦車や特科は情報収集と情報伝送に加え部隊そのものが有する輸送能力と補給能力の大きさが災害派遣に大きな威力を発揮するのですが。

Img_31_36  しかしながら、巨大地震により復旧と復興が遅れる事が結果的に日本周辺の国際政治における近郊を破綻させるという危険に対して、即座にその展開能力と自己完結能力を活かして人命を救助し、復興へ移行する為の必要なインフラを復旧させる、という意味では自衛隊の任務が極めて重要であるということも、また理解が必要でしょう。

Img_0049  災害派遣を行うにも、この連動地震は自衛隊でなければ対応が難しい事も事実で、厳に東日本大震災では自衛隊へ10万名の派遣を求めるという過大任務を自衛隊に政治は強いたのですから、この連動地震へ、自衛隊はどの程度に派遣を求められるのか、想定外の規模をも想定して検討する必要があると考えます。

Img_0002 この為には、その任務水準に応じた防衛大綱の改定をも必要になるだろう、というのが今回のお話。特に緊急展開能力と情報収集、そして情報優位の獲得は既存の防衛出動に置いても重要な任務となる訳で、この点では災害派遣と防衛という双方に応用できる能力を整備する訳で、矛盾は無いといえるでしょう。

Img_5262 連動巨大地震に広域的対策を6月16日 20時42分  ・・・東海・東南海・南海の3つの巨大地震が連動して発生した場合に備え、太平洋沿岸の9つの県が協力して対策を進めることになり、16日、松本防災担当大臣に対し、なるべく早く広域的な救援活動の計画をまとめることなどを提言しました。

Img_479_6 3つの巨大地震は、およそ100年から150年の間隔で繰り返し起き、3つの地震が連動した場合、東日本大震災を上回る広い範囲で甚大な被害が出ると予想されています。今回の会議は、東海から九州までの太平洋沿岸の9つの県が協力して対策を進めようと設けられたもので、東京で行われた初会合には、4県の知事と知事の代理が出席しました。

Img_2238_2 この中で高知県の尾崎知事は「3つの地震の連動に備えた対策は、東日本大震災の復旧・復興と共に、国家の2大課題だ」と訴えました。また、徳島県の飯泉知事は「9つの県がスクラムを組み、津波などへの対策について積極的に政策提言をしなければならない」と強調しました。

Img_6430 このあと4県の知事は、松本防災担当大臣を訪ね、巨大地震が連動した場合の被害想定を早い時期に作成し、広域的な救援活動の計画をまとめることや、避難場所を確保するために高い場所にある道路や線路を活用することなどを提言しましたhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20110616/t10013577181000.html

Img_9696  そもそも単一震源での地震はマグニチュード8.4以上のものは起きないという壺井論文は過去にあったのですが、単一点ではなく震源が面で発生する、という事例は20世紀にも観測事例があるようでして、日本でも今回の東北地方太平洋沖地震が震源が極めて広く、エネルギーもマグニチュード9.0という巨大地震となったわけです。

Img_3400  東海地震は1970年代の大規模地震対策特別措置法により警戒が行われているのですが、これは海溝型地震であるのに対して一部の震源が地上にある事、そして1943年の昭和東南海地震において静岡県内では前兆現象が観測されたことから、この予知が可能ではないか、と考えられたのがその背景にあるとのこと。

Img_0187  他方で過去の東海地震は当時に東南海地震を伴う、正確には一つの地震であったのだけれども、昭和東南海地震、日本の戦闘機産業に痛撃を与えた地震ですがこのように日本に置いて地震研究が本格化した以降に生じた、百数十年に一回という地震ですが、これが分けて発生した、連動までの間隔が長かったという背景も含めありましたから、東海地震と東南海地震と南海地震が別の地震名称になった模様。

Img_4453  今回、東北地方太平洋地震の発生により、連動した地震というメカニズムが見えてきた訳でして、連動地震という名前で本来の名称に戻った、というわけでしょうか。ともあれ、その地震は太平洋ベルトという東京と大阪を結ぶ産業中枢で交通中枢を直撃するということになる、非常に寒気がするはなし。

Img_0328  東海道新幹線はその直撃を受けますし、東海地震では静岡市と浜松市に相模原市、東南海地震は名古屋市、南海地震は大阪市と神戸市という政令指定都市だけでこれだけの都市を直撃し、津波被害を考慮に入れれば東京や横浜はもちろん、本州太平洋沿岸に四国や紀伊半島が脅威に曝されるというかたち。

Img_0778  東日本大震災の災害派遣が続いているさなかであるのだから、少々気が早すぎる事は理解できるのですが、兎に角予想できる被害は想定外の地震が発生するという事そのものが今回の地震で判明したのですから、その想定外が太平洋ベルトを襲う前に想定、というものを想定外に合致させなければならないでしょう。

Img_41_51  自衛隊は最後の頼り、という言葉があるのですけれども太平洋面の東海道は、中央道とは高山部を経て孤立していますので高速道路や鉄道網が麻痺すれば孤立する危険性がある地域があります。この点、海上からの機動や空中機動、それに不整地突破能力の高い車両を有する自衛隊は文字通り最初に頼らなければならなくなる訳です。

Img_3_632  さて、東日本大震災における消防緊急援助隊の任務が終了したと報じられていましたが、その派遣規模は28620名、消防吏員の規模に対して派遣できる規模は自衛隊の10万規模と比べれば限界があるのですし、そもそも東京消防庁の人員18000名、非常勤の消防団員26000名、人数的には海上自衛隊の総人員に匹敵する規模の組織でも後方支援車両である自活車両は二つの消防署に数台があるだけ、自活能力に限界があります。

Img_4002  また警察も規模としては自衛隊に匹敵する規模があるのですけれども、治安維持と防犯に重点を置いた組織ですので、自衛隊の災害派遣のように大多数を派遣することはそもそも想定していない任務を負っている訳です。この点から、やはり復旧までは自衛隊に頼るほかないのが実情。

Img_02_90  そこで、冒頭に記した通り、例えば自衛隊をどの程度の規模集中させる必要があるのか。東日本大震災を念頭に、果たして充分な規模の派遣を行うのであればどれだけの自衛隊員が必要だったのかを踏まえ、連動地震までに例えば陸上自衛官を冷戦時代の18万規模まで戻す必要はないのか、という検討は必要でしょう。

Img_898_8_2  それだけではなく、どの程度の短期間で人員を集中させるのか。太平洋ベルトは中央道や日本海と高山部を経て孤立していますので、展開には艦船や航空機が必要となります。この場合、途絶した道路に依拠せず展開するには、どの程度の空中機動能力と海上輸送能力が必要か、という論点は師団編成や旅団の在り方、輸送艦部隊や護衛艦隊の編成にも踏みこんで、防衛と災害派遣を両立する編成と装備定数を考えねばなりません。

Img_8875  また、通信インフラの途絶により必要な救助を何処にどの程度展開させるのか、孤立地域の情報を如何に迅速に得て、必要な最大限の地域に最低限必要な物資を広範に展開させるという必要性がありますので、情報優位、無人偵察機や偵察機の幅広い導入と運用に必要な法整備が必要です。

Img_0191  加えて、情報優位とともに情報伝送の装備、リアルタイムで複数の大きな情報を全ての派遣部隊指揮官と中央が共有できるような体系が必要となるでしょう。C4Iとして整備してきた分野と技術を、大災害に際して即応して機能させ運用するだけの能力が必要になるのです。

Img_0671  また、空輸能力も、今回の東日本大震災では道路が不通となり地震発生後一週間は空輸以外全く物資が届かなかった地域があり、三週間程度は殆ど物資が届かなかった地域があります。道路網が復旧するまでの期間に、太平洋ベルトがこうした状況に陥った場合で必要な空輸能力はどの程度か、その分析が必要となります。

Img_8109  そうした上で、浜松基地、静浜基地、静岡空港への空輸によりこれらを支える場合にはどれだけの輸送機が必要になるのか、名古屋と大阪は被害を受けますからそれ以外の地域より民間の貨物機も含め輸送し支える為には自衛隊としてどの程度の能力が求められるのか、算出しなければならないわけです。

Img_9609  この能力は、防衛出動の場合には例えば第一空挺団の主力空挺大隊、もしくは中央即応連隊の装甲車部隊を一度に空輸できる程度の能力が上記検討の末で結果的に付与されれば、それだけで大きな抑止力にもなる訳ですので、矛盾にはならない事になるのですね。

Img_3977  もちろん自衛隊によってのみしか達成できない防衛任務に比べ、防災は自衛隊以外の官庁や自治体、住民との連携が可能。だから自衛隊だけが矢面に立つのではなく、国が一丸となって取り組む必要があるのですが、自衛隊でなければできない分野には自衛隊の能力を強化することで対応しなければ他に方法が無いという事。

Img_00531  防衛計画の大綱は改訂されたばかりなのですが、この大綱はわが国を護る上で必要な防衛力を整備するための指針です。まあ、自衛隊への予算を節約するための方便として勘違いされている政治家の方や財務省の方が居るようではあるのですが、本来は計画の大綱、長期計画なのです。

Img_0188  その計画の大綱が想定される脅威、大綱を画定した時点では想定外であった脅威が生じているのですから、その想定外を想定した規模へ改訂する、という事はこれは喫緊の課題以外何物でもない訳ですね。東日本大震災災害派遣がひと段落したのちに、戦訓を踏まえて画定しなければなりませんが、多くを救うにはどうするべきか、考えなければならないでしょう。

Img_0629  連動地震。東北地方太平洋沖地震により震源が点ではなく面で発生するということがわが国においても確認されました。問い海地震、東南海地震、南海地震、一つでも大規模災害となるのですが、この連動地震、実際に発生した際に想定外、という言葉は許されない事は、確かでしょう。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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中国着上陸演習とヴェトナム海上実弾演習、日本のシーレーンを揺るがす重大関心事

2011-06-15 22:14:58 | 防衛・安全保障

◆南沙諸島巡る中越対立、表面化の背景には

 中国とフィリピンが南沙諸島問題を巡り緊張が増している事は四月に報じられていましたが、今度は中越関係です。

Img_4967 日本の重要なシーレーン、南シナ海波高し、というところでしょうか。ヴェトナム海軍は13日、クワンナム省沖合の公海上において海軍部隊による実弾演習を数時間に渡り実施した事を発表しました。同国海軍には旧型のフリゲイト5隻、コルベット9隻、ミサイル艇10隻と哨戒艇27隻が配備されており、2013年からロシアよりキロ級潜水艦の導入を開始する計画です。

Img_5979 一方で14日、中国海軍は海南省の海域において旅団規模の海軍陸戦隊による上陸演習を実施、仮設敵には多数の戦車部隊を配置して機甲脅威状況下での両用作戦の実施と上陸部隊の海岸堡維持に関する能力向上を演練したとのことです。南沙諸島に向けた示威的な演習と同時に日本の南西諸島に対する脅威ともなる訳ででもあるわけで、これは日本として重大な関心事を持つ必要があるように考えます。

Img_6685  そういいますのも、中越間には南沙諸島における領有権問題が既にあり、両国海軍による小規模な海戦、そしてヴェトナム守備隊が中国海軍に攻撃され全滅させられるとともに島が占拠されるという事案が過去にはあり、昨今は海洋調査を行うヴェトナム船に対する中国船による妨害行為、中国巡視船によるヴェトナム漁船への威嚇射撃事案があった中、ハノイでの反中デモが行われる等緊張は高まる傾向にあり、この海域に関心がある事を示さなければ歯止めがかからないからです。

Img_2180  歯止め、というのは、元々この海域には緊張状態があった中で、中比関係に続く中越関係でも緊張状態があり、中比関係では日米に、中越関係では米国への関与を求めている部分から、この地域を含む東アジア全域においてポテンシャルの変化を諸国が感じ取っているという背景を共通点として考えなければ論理的に説明が難しくなるからで、そのポテンシャルの変化とは時期的に東日本大震災と、それに伴う日本の国力変化に伴う影響力の低下への危惧に他なりません。

Img_2236  核戦力を除けば海軍力でも、また総合的な航空戦力でも現時点では日本が優位にあり、同時に中国が海洋資源確保の観点から重大な関心と行動を以て接近している南沙諸島に日本のシーレーンが通っている、この事自体が実のところ大きな抑止力になっている訳です。これが揺らげば、軍事的均衡が崩れるのではないか、即ち、ということを警戒しているのでしょう。

Img_6608  日本にあっては、南西の壁構想に代表されるような、日本国土への着上陸阻止という冷戦時代の発想を継続して防衛政策に反映しています。これは脅威対象をソ連に見立てた場合、ソ連太平洋艦隊は日本海への封じ込めが可能であるという地政学的要件に依拠すれば必ずしも間違ってはいないのですが、中国となると自由に大洋へのアクセスが可能な広い海域に面していますので違ってきます。

Img_6388  この点、日本は封じ込めるというような発想ではなく、関与、即ち緊張が武力衝突に発展する以前に、例えば親善訪問や練習航海、友愛ボートに代表されるような共同訓練という形でも良いのですからポテンシャルを継続的に発揮し、日本はこの海域の安全保障に強い関心を持っている、という事を示す事が肝要でしょう。

Img_6909  同時に、日本はこれまで継続してきた安全保障政策と防衛政策を震災後にあっても滞りなく継続することがこの地域における紛争抑止に寄与します。日本は衰退ではなく復興を目指しているのですから、この方式には矛盾はありません。とにかく、東日本大震災がポテンシャルの変化を生まないように、政策を実行することこそが、結果的にシーレーンへの脅威を予防するという意味で重要と考えます。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断点s内は厳に禁じる)

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原子力発電を考える 福島から浜岡へ、そして若狭と全国への影響

2011-06-14 23:32:33 | 国際・政治

◆原子力から脱して電力確保の覚悟はあるのか

 原子力発電所の再稼働が自治体の了承を得られない事により関西電力が今夏に15%の電力節電を求めた事で、京阪神地区には衝撃が広がっています。この影響は関西電力以外の電力会社が運転する原発に拡大している事です。冒頭に記しておきますと、当方は表題とは裏腹に、覚悟と実行の忍耐力さえ見通しているのならば原子力から脱することは悪くは無いと思います。しかし、現時点では厳しい、次の技術革新か次世紀までの課題として長期的に考えた方が良いのではないか、とも考える訳です。

 福島第一原発の問題を最初に記しますと、チェルノブイリで実施したように市街地での消防車などによる大量放水による除染を即座に開始するべきで、周辺部で既に開始されている学校敷地内での表層部土壌除去と並んで地域汚染に対する除染は一刻も早く開始するべきと考えます。セシウム、ストロンチウム、土壌汚染に至る放射性物質は梅雨までの対処が急務であると事故発生後米国の関係機関が繰り返し提言していましたが既に梅雨、現実問題として残された時間は余りないのではなく既にもうなく、対応が一日遅れれば復興は一ヶ月遅れるというほどの状況です。東日本大震災全体の復興でも同じことが言えるのですが特に福島第一原発事故に関しては日本政府の打つ手ないという状況が危機管理能力の低さを全世界に露呈している状況で、個々の分野で可能な部分については躊躇なく実施することの方が日本の失墜した信頼回復において重要なのではないか、少なくとも省エネや太陽電池パネル一千万世帯設置を叫ぶよりは余程重要だとう、と。

 原子力発電と関電。阪急電鉄と近畿日本鉄道は夏場の運行本数間引きを発表、東日本大震災を契機に車両維持部品が調達できなくなり運行本数を削減しましたが、一段落してわずか一ヶ月少々で再度運行本数削減を強いられるという状況に陥った訳です。もちろん、鉄道運行本数の間引きは電力節電15%の一幕でしか無く、東日本から西日本への工業生産シフトを大車輪で続けた工業界を横から不意打ちで豪打する措置となりました。電力は産業の根幹でして、電力無くして先進国としての地位は維持できません。この点で、読売新聞の10日報道では、トヨタ自動車の豊田章男社長が記者会見で語った、円高に加えて電力不足が広がる現状に日本でのものづくりが、ちょっと限界を超えたと思う、との発言がありました。

 静岡県浜岡原発を菅総理の一声、恫喝というべきでしょうか強く要請するというかたちで停止させた際に、当方は浜岡原発は東海地震の危険性が指摘されて以降に現在稼働している原子炉が建設された事もあり、東海地震震源域という危険な立地にある事はたしかであるけれども、それを認識した上で対策を講じている原発であるという一点、加えて浜岡原発が危険であるというのならば東海地震以上に危険が切迫しているという宮城県沖地震の直撃を受ける首都圏東海第二原発は放置していいのか、加えてドミノ倒しのように他の原発運転に対しても影響が波及するのでは、という二点の危惧をしましたが、現実となってしまったわけです。

 関西電力は原子力発電への比重が四割以上と大きく、若狭湾沿岸は世界有数の原発密集地域となっています。中部電力は一割強の原子力発電への依存でしたので、会長自らが中東に出向き火力発電へ移行した場合の燃料を確保し休止中の火力発電所再稼働を行う事で対応する構えではありますが、関西電力では上記のとおりの実情があり、火力発電による代替、これは不可能です。火力発電所を急ぎ建設したとしても、残念ながら京阪神地区沿岸には新しく火力発電所を原子力発電を置き換える程度に増勢する立地上の余地はあまりありませんし、原子力発電所の密集する若狭地区では火力発電に必要な石油や石炭、天然ガスの備蓄施設そのものが充分になく、これから港湾施設を含め原子力発電を置き換える規模の設備を建設するには、余りに多くの労力を必要としてしまいます。長期計画で行えばそれもまた可能ですが、今回は今年の夏、六月は暦の上ではもう夏なのですが今月来月の問題を考えると厳しいの一言に尽きるでしょう。

 電力が確保できないならば脱製造業、アメリカがレーガン政権下で推進したようなプロパテント政策、つまりアメリカの企業は製造権の取得によるパテントを主な収入とし、流通の主幹を調整するという損益の出にくい部分の整備に注力、加えてアメリカの企業が有するブランド力を背景に最も利益を得られる分野に特化するとともに、製造という最も労働力を必要として一方で利潤を生みにくい部分を第三国に移転するという方式、これが世界の知的財産集約拠点アメリカと世界の工場中国というバイラテラル関係を生みだしたのですが、これに重なるような日本での脱製造業の政策を行うような構想はありません。もっとも実行するには知的財産保護のための世界的なレジームを日本主体になって構築する必要があり、この分野で世界での主導権を握るだけの外交的能力と経済力が現在の日本に残っているのか、という難題もあるのですが。こうして結局は製造業から脱するエネルギーを自給できない日本にあっては何らかの手法で電力を確保するしか無い訳で、この打開策無くして原子力発電の下方修正はあってはならないように考えます。

 12日の共同通信報道によれば、関西電力の株主124名が29日の株主総会で原子力事業からの撤退を提案するというものがあり、株主36名が自然エネルギーへの転換を提唱する予定という報道もありました。個人的には、現実的に可能なエネルギーがあるならば、例えば半世紀後の2060年代半ばを目途に原子力を置き換える転換を、政治主導と国民負担の覚悟に依拠して推進する、という方策はあって然るべきだと考えます。しかし、欧州のように即座は無理でしょう。欧州諸国は脱原発の手法としてロシアからの天然ガスパイプライン構築や近隣諸国の、主に原発大国フランスからということですが電力を購入して脱原発を実現しました。この点で重大な領土問題を抱えた日ロ間や日中間、日韓間での電力というエネルギー安全保障の相互依存は不可能でして、台湾やフィリピンでは距離的な余剰電力の関係から不可能です。

脱原子力を叫ぶとして次世代エネルギーの実用化や再生可能エネルギーの発電総量が原子力発電を置き換えるに至るまでには相当の時間を要します。それまで化石燃料に依存しなければ原子力を置き換えることはできないという事は幾度も掲載してきまして、その為には例えば中東の産油国における安全保障を日本が関与することで石油安定供給を実現する、アメリカが第二次大戦後今日まで苦慮して実現してきな政策ですが、これに日本が関与する覚悟はあるのか、必要があれば航空攻撃や戦車部隊の展開までも実施する覚悟が、そしてその為の防衛力を整備する経済的負担に数十年単位で耐えるだけの気構えという準備を行っているのか、既に中国はじめ新興工業国の台頭によって世界は資源争奪が繰り返されている状況ですが、そうした中で老獪な交渉術を以て世界に先んじた資源確保を継続する能力があるのか、このあたりが未知数というのが心細い限りです。

何が何でも東シナ海のガス田開発を国家の不退転の決意のもとで日本が推進する、群にいて機妨害が行われれば実力を以て排除し全面戦争も辞さないという覚悟を、果たして日本は持てるのか。天然ガスの開発は日中間の摩擦を生じさせるということで日本側は余り熱心には進めていないのですが、これを前進させる覚悟はあるのか、とも。現段階では中国は主張する大陸棚条約に依拠した境界線ではなく、日本が主張する国連海洋法条約に基づいた等距離中間線の中国側で天然ガスの掘削を行っています。一方で、こうした黙示の合意履行が行われているのですから、その気になれば天然ガス開発を日本側が実施しても問題は無いのですが、南沙諸島における最近の中越関係を見ていますと、向こう側が海軍の艦船を出して威圧してくる可能性があります。これに対応する気構えがあるのか、レアアース輸出停止で右往左往していた世論を思い出せば不安になる次第。

 もう少し目先の発言をしますと、家庭用太陽光発電は太陽光パネルの設置に概ね400~600万、それに家庭で使うとして整流装置と夜間用蓄電装置を加えるならば更に上積みが200~300万、全て電力会社に販売するとすれば上積み分は不要になるのですが送電設備の整備費用が必要になり夜間需要に応じて最低限電力会社から電力購入契約が必要になります。太陽電池パネルの寿命は年々伸びて実地つ寿命は20年を超えていますが蓄電装置には寿命がありますので整備費用の一割程度の継続的捻出が必要になります。年間電気代が100万円を超える家庭などは一般住宅並に消費電力を落としてもらうとして、それでなんとか見合う、といいますか我慢できる程度なのかもしれませんが、通常の家庭でこの支出に耐えられる覚悟はあるのでしょうか、今は補助金である程度設置は目途が立っているのですが広範に普及させるとなればその補助金は自分の税金で賄われるのですから、負担は結構大きくなると思います。いいや、原子力から脱却できるんなら、電気代が年間100万200万になっても耐えられるね!、という方が多い事を祈るのですが。

住宅に太陽電池パネル設置したけれども、400万くらいだったよ、という方の話を聞いてみますと蓄電装置は購入せず、不足部分は電力会社から購入することで補っているとのことでした。すると、住宅ではなく地域ごとに観た場合の総発電量は不安定にならざるを得ませんから、結局は電力需要の増大を見越して相応の発電設備が必要になってしまう訳でして、本気で脱原発を太陽電池だけで賄おうとすれば上記のとおり負担は膨大になってしまいます。聞くところではドイツは邦貨にして12兆円の費用を投じて電力需要の0.25%を太陽光発電で担う事に成功したとのこと、太陽光発電頑張っています!という姿勢を見せるには格好の手法かもしれませんが、現実を見ますと周辺国からエネルギーを調達することが難しい日本では、本気で実行すること自体、再考は必要でしょう。

 風力発電、しかし低周波音による騒音被害は既存風力発電所で既に出ていまして、これを山間部であっても人口がある日本国内で行うには限界があります。強制移住等は日本では出来ない相談ですし、海上風力発電はその設備そのものが漁礁になるとの指摘の一方で低周波音の海洋伝播は海洋生態系にどのような影響を及ぼすかは研究すら途上という段階です。波力発電は家庭用数世帯分の小規模な設備が一千万円以上の税金で四国にて試験中ですが費用的に難しく、湾口を利用した潮汐発電は大阪湾、伊勢湾、東京湾と好条件を備えた湾口は世界有数の船舶交通量を誇っており間違えても発電の為に封鎖するなど出来ない相談です。地熱発電は条件立地が国立公園の中が多く大規模な電源開発はそのまま自然破壊を伴うだけではなく、残念ながら地熱発電が可能であるか不可能であるかの調査にも非常な時間と予算を必要とするところは解決が難しいところです。一口に何かすばらしいものである、もしくは今の日本で出来なくとも諸外国では上手くいっていそうな技術であるので日本もその尻馬に乗りかかろう、ということは少々勝手が良すぎるのではないでしょうか。現実を見なければなりません、電力不足と停電はなによりもその現実を見せてくれることになりますから、ね。

 資源安全保障、エネルギー安全保障という言葉があるように電力を含めエネルギーの確保は安全保障上の問題です。原子力発電ですが、今回の東北地方太平洋沖地震に際しても、福島第一原発は津波にその原子炉部分はよく耐え、しかしその後の電源喪失により今日の重大な結果を招きました。それならば、国家の、特に現在の脱原発に関する厳しい論調を生む背景となったのは事故そのものなのですから、電源喪失に至らないような原子力安全規制法指針と最後の際、電力会社では対応できないような危機的状態に置いては国が直接介入して電源車の空輸等を行う姿勢を準備すれば悲劇は防げた訳です。他方で、原子炉は冷温停止の状態でも、福島第一原発が使用済核燃料からの放熱と冷却能力喪失が放射性物質拡散に繋がっているように、停まっていても電源喪失に陥れば事故になりますので、地震への脆弱性は核燃料搬出を行わない限り変わりません。電力会社は停止中の原子炉であっても維持費を支出する必要があり、この費用は電気料金を介して利用者から払われています。これにより経営が悪化すれば電力会社も独占企業であっても民間企業ですので、震災対策のための予備電源車とその輸送体制を構築する余力は低下してしまうのですし、それにより事故が発生すれば決国は利用者である国民へ負担が生じます。他方で原発を廃止すれば別の形でエネルギー確保へ国民負担が生じるのですから、結局はよく考え、どうするべきかへの議論にこそ時間を費やさなければならない訳です。議論の為の時間、即ち住民自治や公開討論会という形での政治参加で、例えば支持する政治家や団体を決める必要がある訳です。市民生活では終業後の限られた時間をこうした事に投じることは非常に難しい事ではありますが、簡単に脱原発というだけでは格好をつけているだけにしかならず、まず、その負担へ第一歩として参加し、時間を費やすことから始めても良いのではないでしょうか。日曜日に例えばよくわからない団体の反原発デモに加わるよりは建設的な結果に繋がると信じる次第です。

 すると、結論としてはまず、脱原子力を実現した場合、どれだけの支出が我々の負担として生まれるのか、そういうことから考えてみても良いかもしれません。再生可能エネルギーならば設備整備費として一度に数百万が必要になり毎年少なくない金額を投じて行かなければなりません。化石燃料確保を行うのであればそれは勿論政治家や外交官の養成と商社での勤務に可能である有能な人材をどう養成するのか教育面の改革から始まり加えてシーレーン防衛は勿論のこと遠隔地における石油安定供給のための軍事的負担をかなり真剣に論じなければならなくなってくるでしょう。

 いま、テレビをつければ素晴らしい海外の技術が流され、あたかもこの方式を導入すれば日本も原発から出っして充分なエネルギーを確保できる、という論調があります。しかし忘れてはならないのは日本は先進国でして、日本の技術も実のところ世界最先端、特に省エネルギー技術で先進的なものを輸出している当事者であるわけです。海外の一見高そうな技術であっても、その技術が日本に適合しない部分は制度面の部分も多少はあるのですが純粋に国土や気候に起因するものです。結果として日本は現在の方式を選び、今日まで来ている訳ですので、海外には素晴らしいものがある、という舶来崇拝は実のところ適合していないといっていいでしょう。海外に目を移すのではなく、日本が独自に考えていかなければならないものですので、この点も忘れず考えなければなりません。ただし、電力不足は喫緊の課題ですので、それまでの期間は原発の稼働を再開しても良いのではないでしょうか、先程記載した通り、核燃料が収められている以上、電源喪失となるような大震災が生じれば、結局は同じ結果になるのですから、ね。

北大路機関:はるな

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東日本大震災自衛隊災害派遣部隊、陸海空67400名が派遣中

2011-06-13 22:03:50 | 防災・災害派遣

◆三ケ月を経た東北への災害派遣

 三ケ月を経た災害派遣、本日の防衛省発表では自衛隊災害派遣は隊員67250名、航空機315機、艦船30隻が派遣されています。

Img_5295  先週の時点では隊員69400名、航空機320機、艦船29隻が活動中でしたので、この規模で固定、ということでしょうか。四月に新隊員として着隊、特に東北出身の隊員は故郷への貢献を期しつつも東北地方での災害派遣が教育訓練部隊にも及び、他方面隊の教育部隊支援を以て前期教育を行ったとのことです。その無念さは想像するに余りあるのですが、災害派遣規模を見直さなければ部隊での後期教育も実現せず、他方面隊部隊への配属になってしまうのでは、とも危惧。

Img_2529  こうして考えますと改めて思うのは、災害派遣規模が自衛隊の規模に比べて大きすぎるのではないか、ということ。前回も災害派遣関連の記事を作成した際に記載したのですが、最も被害の多かった地域に復興支援群を県ごとに配置して、災害派遣は自衛隊よりもインフラが復旧した状況では最大限の能力を発揮可能な民間企業に任せるべきではないのか、逆に地元企業に復興への仕事をお願いしなければ気もと企業が窒息死してしまうとの危惧は一昨日の記事に記載しました。

Img_0681  自治体は予算不足に陥っていますので、この為には補正予算により国が直轄して行う必要がありますし、加えて行政機能の重複に困るのでしたらかねてより自民党が主張している復興庁、権限と予算を統括して実施する組織の創設と、既存法制度の限界があるようでしたら特区指定を行い、兎に角地元に復旧から復興へ移管された時点で全力投球できるよう急ぐ必要が、あまり時間が残っていない中で、あります。もちろん、大規模な余震の危険はありますので、その為の即応体制を自衛隊は採る必要もあるのですが、派遣規模は見直す必要があると考えます。

北大路機関:はるな

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