美術館で『ア・ターブル! ーごはんだよ! 食をめぐる美の響宴ー』を一通り鑑賞した後は、
美術館併設のフレンチレストラン『ミュゼ・ボンヴィヴァン』のスペシャルランチ(\2,500)です。
スペシャルランチは企画展に合わせたメニューを用意しており、どのような内容なのかが楽しみデス。
スペシャルランチのメニュー。
まずは前菜。
~“鮭に鼠図”をイメージして~
サーモンの軽いスモーク
黒いソース・ショー・フロワ
小野菜を鼠に見立てて
ショー・フロワとは、「加熱調理した素材をよく冷やし、その上からゼラチンを加えたソース
(クリーム系の白いもの、肉汁を用いた褐色のもの)で覆うようにかけ、さらに冷やし固める。」調理方法だそうで。
写真左のネズミ色の物体はスモークサーモンにイカスミのソース(たぶんクリームを混ぜてグレーにしていると思います)で
コーティングしています。これ自体がネズミを表現。なかなか美味。イカスミのソースはさほど主張していませんが(笑)。
普通の料理でネズミ色のソースというのは食欲をそそられないと思いますが(爆)、企画展にからめているので全然OK!
右は小野菜がネズミに見立てられているようですが、チーズにはわざわざ穴が空けられていて、
『トムとジェリー』によく出てくるチーズを思い浮かべさせてくれます。
パンとオリーブオイル。
焼きたてというか、温め直したパンを1個ずつサーブしてくれました。
以前は冷めたバゲット1種類だったように記憶していますが、サービスがちょっと変わりましたね。
細かいことを言えば、以前は使い捨てのウェットおしぼりだったのが、温かい布おしぼりに変わりました。
経営方針が変わったのかな?
~“猟の獲物と野菜のある静物”を一皿に~
鴨、雉、兎、鳩・・・クロケット シャスール風(狩人風)
簡単に言えば、ジビエのコロッケ。鴨、雉、兎、鳩のミンチに竹の子か何かを加えて
コロッケにしています。ただ、トンカツソース(?)の味が強過ぎて、
肉の味が分からなくなっており、お惣菜のメンチカツとさほど変わらない味(失礼!)。
どうせなら、雉、兎、鳩など具材ごとにコロッケを作れば、
それぞれの味を比較することができて面白かったのでは?と思いました。
具材を区別するために、コロッケの形を丸、三角、四角などにすれば、
見栄えも良かったのでは? ちょっとこのメインディッシュは残念。
お皿はフレンチぽくなく素朴感のあるお皿で、料理内容に合っていると思います。
~“南蛮料理"より 日本人が初めて食したヨーロッパの味を現代風に~
ストウブ鍋で焼いたカステラと、かりんとう、ぼーろ
ポルト酒と赤い木の実のソルベを添えて
南蛮=ポルトガルということで、カステラと、かりんとう、玉子ぼーろ。
さらにシャーベットにはポルトガルのワイン(ポルト酒)が使われているそうで、
酸味の強いこのシャーベットが美味でした。
珈琲または紅茶
以前、やたら薄い紅茶を出されたことがあるので、
それ以来、最後に注文するのはコービーのみ。
トアルコトラジャのコーヒーでございます。
なお、スペシャルランチは企画展の展示作品を題材にしているわけですが、
“鮭に鼠図” は会期の後期のみの展示で、ワタシは見ることができましたが、
“南蛮料理" は前期のみの展示。通期で同じメニューにするのならば、
前期のみ・後期のみの作品ではなく、通期展示される作品をベースに
料理を用意してほしいと思いました。
久しぶりに三重県立美術館に行ってきました。
今回の企画展は『ア・ターブル! ーごはんだよ! 食をめぐる美の響宴ー』。
三重県立美術館のページ:ア・ターブル!―ごはんだよ!食をめぐる美の饗宴―
食べ物と食事にまつわる様々な絵画や造形作品を集めたこの展覧会、
正直なところ、あまり期待はしていなかったのだけれど、まぁ予想通り(爆)。
食べ物と食事にまつわる芸術作品がただ集められただけというだけで、
あまり解説がなく、奥行きがちょっと感じられませんでした。
展示作品には、ピカソ、シャガール、ダリ、マン・レイ、円山応挙、歌川広重、曾我蕭白、
荒木経惟、デビッド・ホックニー、今道子、草間彌生など、
有名作家の作品が多くてビックリ! デビッド・ホックニーの写真コラージュは
ワタシが大学生の頃に初めて見て衝撃を受けたので、懐かしく感じました。
ワタシが面白く思ったのは熊谷登喜夫の《食べる靴》シリーズの赤白パンプス。
アッパー部分を薄切り肉(風素材)で作ったもの。レディ・ガガが好みそう(笑)。
赤飯(を模した素材)で作った下駄もありました。
ロバート・アースネンの《受け皿に沈んでゆくカップ》も面白かったです。
企画展はこんなかんじでした。
常設展は、いつも常設されている作品の他、榊莫山の筆(あるいは画)による作品が
たくさん展示されていました。また、春夏を感じさせる作品も多く展示されており、
もはや常設展というよりも第二企画展のような様相でした。