クリエイションギャラリーG8『158人の漱石』展のあとは、
WEBで美術展検索をして見つけたノエビア銀座ギャラリー『時代の風貌』展へ。
歩いて数分。ノエビア銀座ギャラリーなんて、あったことも知らなかったけれど、
WEBって便利ですなぁ。ここは入場無料です。
公式サイト:田沼武能・熊切圭介・齋藤康一写真展「時代の風貌」 | NOEVIR
24点のモノクロポートレートは田沼武能、熊切圭介、齋藤康一の3氏によるもの。
齋藤康一は昔からキヤノンのカメラを使っていて、
キヤノンの広告にも出ていたので、そこそこ知っています。
気をてらわず、自然な印象の作風。
ワタシは高校時代から好きなカメラマン。
撮影対象は三島由紀夫、池田満寿夫、永六輔、榊莫山、
片岡球子、川端康成など超有名・有名な文化人ばかり。
顔がイメージできる文化人も多いけれど、
加山又造とか志賀直哉など、顔がイメージできない方もいて、
「あぁ、こんな顔だったのか!」という印象を受けることも。
カメラマン3氏はいずれも自分の個性を出さず、
相手の個性を引き出そうとしている感じ。そこがイイ。
だから、3氏の誰が撮ったのかは説明を見ないと分からないですが、
それはそれでいいのだと思います。
全体にしっとりとした感じのいい作品群でした。
半蔵門から永田町・赤坂見附乗り替え、新橋で降りて
銀座8丁目にあるクリエイションギャラリーG8で『158人の漱石』展。
東京イラストレーターズ・ソサエティによる展覧会。
約30cmx30cmの正方形に158名がそれぞれのタッチで
それぞれの漱石を描いています。
一番多かったのが『吾輩は猫である』からネコのイラスト。
出てくる猫は爪まで黒い黒ネコだったのですが、
ブチ猫や三毛猫などを描いている人もいて、
「こいつら、読んでないだろうなぁ」と思うものも。
ほかには1000円札の肖像を元にした漱石像をアレンジしているものも多し。
漱石前期3作品に登場する女性を1枚の絵に描いたものもありましたが、
この人は漱石本をよみこんでいるだろうな、と思ったり。
ほかには漱石の俳句や絵を題材にした作品や、
漱石の別荘や墓などを題材にした作品もあり、
かなりマニアなところまで知っているなぁ、と思ったり。
何を題材にするかでイラストレーターの教養がうかがえます(笑)。
なかにはキャプションで「漱石は読んだことがありません!」と
認めている人もいて、これはこれでイサギヨイ!(爆)。
ちなみに158人の中には永年『ぴあ』の表紙を描いてきた
及川正道氏といった超有名イラストレーターをはじめ、
名前は知らないけど絵のスタイルは知っている作家も多く、
彼らの作品が一律35,000円で販売されていてビックリ!
及川氏の作品ならゼロを1つ加えても簡単に売れるだろうに。
(すでに赤いピンが刺されていた)。
ワタシは1点、赤いピンが刺されていない作品で
買いたいと思ったものがあったのですが、
飾るスペースと先立つものがなかったので諦めました(笑)。
東京滞在の最終日、今日はこぢんまりしたギャラリー展示を中心に回ってみました。
まずは半蔵門の日本カメラ博物館『カメラ偉人伝 写真・カメラ技術に貢献した人々』。
公式サイト:カメラ偉人伝 写真・カメラ技術に貢献した人々
日本カメラ博物館を訪れるのはたぶん3回目。
半蔵門駅4番出口を出てすぐの雑誌・宝島社が入っているビルの地下1階。
常設展では戦前から最新までのスチルカメラが並んでいて
カメラ好きのワタシとしては興味深いものがたくさんなのですが、
以前訪れたときはデジタルカメラの黎明期だったので、
フィルムカメラばかりだったのですが、
今回はソニーマビカに始まり、カシオQV-10、アップルQuickTake100、
ニコンD1、キヤノン EOS D30、ニコンD3 あたりまでを網羅。
こちらもワタシにとっては興味深く見られるものばかりでした。
特別展『カメラ偉人伝 写真・カメラ技術に貢献した人々』。
常設展でも写真黎明期の発明家についてはコンパクトに紹介されていますが、
特別展ではより掘り下げて紹介されています。
外国人ではニエプス、ダゲール、タルボットといった発明家から
商業的に大成功を収めたジョージ・イーストマン(コダック創業者)や
エドウィン・ランド(ポラロイド創業者)なども紹介。
ほかにライカを開発したオスカー・バルナックやコンタックスの開発者など。
日本人では6代目杉浦六右衞門(小西屋六兵衛店、のちの小西六写真工業株式会社、コニカ株式会社)が
のちの東京工芸大学(旧・東京写真大学)を創設、との紹介。
写真用品販売の浅沼商会の創業者(? 名前など失念)も紹介されていました。
日本の開発者ではオリンパス ペンやOM-1などの設計者・米谷美久氏や
ピッカリコニカの開発者(名前を失念)などが紹介されていました。
なかなか面白くてタメになる展示でした。
東京、最後の夜は新宿三丁目の『スペイン魚介バル 三丁目』でちょっとリッチなディナーを。
あちこち歩き回って疲れたので、開店直後の5時過ぎに店に入りました。
まずはスペイン料理ということで、
スペインビール『ガリシア』(800円+税)を注文。
グラスは添えられず、直接飲むスタイル。
瓶から直接飲むのは久しぶりの体験かも。
しっかりした味。
お通しは豚肉のリエットの乗ったバゲット。
続いてタパス盛り合わせ5種(980円+税)。
・オリーブ
・川海老の素揚げ
・ウニプリン
・合鴨のスモーク
・サーモンマリネ
にバゲット2切れ。
いずれも美味しかったです。特に合鴨のスモーク。
オリーブは2つだけ種が入っていたけど、
これを土に埋めたら生えるのかな?
一応、種は持ち帰りました(笑)。
ビールの次はスパークリングワイン(650円+税)と
砂肝ときのこのアヒージョ(580円+税)。
スパークリングワインはサッパリした味ですが、この量では全然足りない(笑)。
砂肝ときのこのアヒージョは油がグツグツしたのが出てきました。
味はまぁまぁ美味。
子羊グリル(480円+税)。
特に臭みもなく、豚肉に近い味。
美味しかったですが、スジっぽいものが含まれていて、
少し食べづらかったです。
再びスペインビール『ガリシア』(800円+税)を注文。
それと牛モツのトマト煮込み(680円+税)。
牛モツは2種類の部位が入っていて、
コラーゲンたっぷりそうな感じで美味。
紅白のインゲン豆(?)も入っていました。
こんな感じで5,798円。ちょっとそれなりのお値段になりましたが、
どれも美味しかったデス。
『ダリ展』のあとは空腹だったので昼食。
3階の『ポール・ボキューズ』でこじゃれたランチでも、
と思ったのですが、並んでいる人が多かったので諦めました。
ちなみにテーブルはいくつも空いており、
スタッフの手際の悪さを感じました。
前にここで2度ほど食事したことがありますが、
2度目は料理が出てくるのにかなり時間がかかり、
イライラした記憶があります。
そんなワケで地下のカフェテリアで食事することに。
ここはパスタやご飯ものの他にサンドイッチやおにぎりなどもあり、
気軽にお腹を満たすことができます。
皿、トレーの片づけはセルフサービス。
注文したのは「イタリア風ハンバーグ
クロケッタとバターライスを添えて」(1,100円+税)。
それとジャスミンティー(400円+税)。
ハンバーグのほうは『ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち』の
『眠るヴィーナスとキューピッド』という絵の見立て料理。
芸術作品の見立て料理は好きなので、これを注文しました。
ヴィーナスをチーズ。横たわる赤い敷物をトマトソースで表現。
ただ、見立て料理としては雑な構成ではないかと。
ワタシだったら、バターライスの上にパセリをもっと散らして
背景の森を作り、ヴィーナスはスライスチーズを
ヴィーナスの形に切って、ある部分に食紅をチョンチョンと(笑)。
ちなみに味はフツーでした。
さて、お腹も満たされたところで『ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち』。
公式サイト:お知らせ|ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち:TBSテレビ
何の予備知識もなく入りましたが、ほとんどが宗教画。
聖書などになんの知識もないワタシとしては、
絵の意味を理解できず、単純に絵そのものの印象を受けるのみ。
もっとも、仏教徒として仏教のことをそんなに知っているわけでもないので、
仏教芸術に関しても同様ですが(爆)。
そんなワケで、あまり面白いとも感じられず、
足早に観て会場を出ました。
午前中に仕事の残りを済ませて、昼前から国立新美術館へ。
お目当ては『ダリ展』ですが、ついでに『ヴェネツィア・ルネサンスの巨匠たち』も。
まずは『ダリ展』。
公式サイト:ダリ展 | 国立新美術館 | 京都市美術館
ダリの初期の作品から後期の作品まで、
絵画だけでなく、ダリ脚本の映画もあり。
第1章 初期作品。
初期の作品は初期だけあって稚拙なタッチ。
学生が描きそうなものばかりで、もともとはフツーだったのだな、と(笑)。
第2章 モダニズムの探求。
その後、ピカソやブラックの影響を受け、キュビズム風の絵も。
第3章 シュルレアリスム時代。
この時代になって、ようやく馴染みのある画風に。
三重県立美術館蔵『パッラーディオのタリア柱廊』と東京で再び対面。
第4章 ミューズとしてのガラ。
ガラと出会ってガラを描いた作品群。
第5章 アメリカへの亡命。
第6章 ダリ的世界の拡張。
舞台美術用のスケッチなどが多数展示。
第7章 原始力時代の芸術。
『ポルトリガトの聖母』は以前にも見たことがありますが、
広島・長崎への原爆投下に影響を受けたものと知り、ちょっとビックリ。
第8章 ポルトリガトへの帰還。
『記憶の固執』や『宇宙象』といった有名な作品は見られませんでしたが、
ダリの色々な面が見られて面白かったです。
ただ、ワタシ的には昔、衝撃を受けた東京・秋葉原のミナミ電気館本店7階に併設された
「ミナミ美術館」『ダリ 愛の宝飾展』(常設展示)ほどではなかったな、と。
その後「ミナミ宝飾美術館」と改名し、新宿、鎌倉と移転。
鎌倉にはワタシも訪れた記憶があります。
その後コレクションが散逸して閉鎖したとのこと。
ヨネックスオープンジャパン2016の撮影の仕事がようやく終了。
大会期間中はほぼプレスルームで出されるおむすび弁当が夕食になっていたので、久しぶりの外食。
宿泊先のすぐ近くでたまたま見つけたタイ料理店『クルンテープ』に入ってみました。
わりとこぢんまりした店ですが、テーブルはほぼ埋まっていました。
たまたま2人用テーブルが空いていたのでそこに座りました。
このお店は単品料理やコース料理もあるのですが、
定食のような『おすすめ満腹セット』(1,200円+税)というのがあり、
『トムヤムチャーハンと野菜の親子鉄板焼き』とビールを注文。
まずはビール。タイの『レオビール』(650円+税)を注文。
タイビールとしては『シンハービール』が有名ですが、あえて違うものを。
飲んでみると、キリン『一番搾り』に似た感じでした。
仕事も終わってガンガン飲みたいところですが、1杯飲んで、
あとはホテルに戻ってコンビニの発泡酒とハイボールで済ますことに(笑)。
「おすすめ満腹セット」に含まれるスープ。
生姜か何かが入っていて、サッパリ系の味。
キノコかなにかの旨みもしっかりあり、
日本人には好まれそうな味です。なかなか美味。
続いてサラダ。これはタイ風ではなく、
胡麻ドレッシングのかかったフツーのサラダ。
メインの『トムヤムチャーハンと野菜の親子鉄板焼き』。
奥のトムヤムチャーハンはかなりスパイシー。ぎりぎりワタシでも食べられるレベル。
左の鶏肉は小麦粉か片栗粉をまぶして焼いたようなもの。
チリスイートソースがかかっていてなかなか美味。
こちらはそれほどスパイシーではありませんでした。
右の目玉焼きはフツー。
手前はたぶん野菜の蒸し物。
美味しかったですが、キノコがスープとかぶっているのが残念。
最後にデザート。フルーツと杏仁豆腐。味はフツー。
こんな感じで、結構なボリューム。
トムヤムチャーハンがちょっとスパイシー過ぎましたが、
タイ料理をコンパクトに堪能できました。
今日からヨネックスオープンジャパン2016。
18時半に仕事が一段落ついて東京体育館を出ることができました。
台風接近中でひどい雨でしたが、一旦ホテルに戻って
帰り道に見つけた日本酒にこだわりのありそうな居酒屋
『虎連坊(とられんぼう)新宿店』に入ってみました。
日本酒にこだわりがありそうだとしても、
のどがカラカラだったので、まずは生ビール!(720円+税)。
お通しはカボチャの豆腐とキノコの煮浸し。
カボチャの豆腐は甘いながらもネットリ、ぷるるんとした食感。
キノコの煮浸しはあっさりした味付けでした。
まず出てきたのが合鴨のシーザーサラダ(850円+税)。
2、3人でシェアするような結構なボリューム。
松の実やカシューナッツ、スライスアーモンドなどが
いいアクセントになっていて、なかなか美味。
つづいてカサゴ刺し(1,000円+税)。
こちらは期待していたほど美味ではなくフツー(笑)。
日本酒『獺祭50』(1,000円+税)。
酸味がやや立つものの、やっぱり美味い獺祭。
ぐいのみは20種類ぐらいの中から好みのものを選ばせてくれたので、
カワイイたぬきの絵柄のものをチョイス。
ちなみにワタシは奥の掘りごたつ式の座敷に通されたのですが、
その後、注文を取りにこなかったので、しばらくまったり。
そして金目鯛兜煮付け(1,000円+税)と
大山鶏ときのこの土鍋炊きご飯(1,100円+税)を注文。
土鍋炊きご飯のほうは「注文してから作るので30分かかります」
と書いてあったので、仕方ないと思いつつ、
10分から15分で煮付けのほうが出てくると思っていたら、
どちらも30分経っても出てこない。
40分ほどしてようやく煮付けが出てきたので、
「土鍋炊きご飯はあとどれぐらいでできますか?」と
イライラ口調で訪ねたら、「いま蒸らしているのであと5分くらいです」。
実際は1分後に出てきましたが、5分経って出てこなければ
キャンセルして店を出ようかと思いました。
それはさておき、出てきた金目鯛兜煮付けは期待よりも大振り。
甘辛い味付けで最初は美味しかったのですが、
全部食べ終わる頃にはちょっと味が濃くてくどく感じました。
一方、大山鶏ときのこの土鍋炊きご飯は
非常にあっさりした味付けながら、
大山鶏の脂の旨みが感じられて上品な美味。
微妙に生姜がはいっていたかもしれません。
このように、全体においしい料理とお酒を提供しながらも、
料理が出てくるまでイライラさせてしまったことは大きな減点。
入口スタッフの接客がやたらパーフェクトだっただけに残念。
トータル6,835円は最後2皿の遅れがなければ十分納得の金額でしたが・・・。
今日から東京入りです。明日からのバドミントンのヨネックスオープンジャパン2016撮影のため。
昼過ぎに東京入りし、夕方まで美術館巡り。といっても2つだけだけれど。
まずは北品川の原美術館『篠山紀信展 快楽の館』。
[原美術館]2016年9月3日[土]-篠山紀信展 「快楽の館」
原美術館を訪れるのはたぶん2回目で、前回はワタシが大学生のときだから30年ほどまえか?
北品川の閑静なエリアにある原美術館は元々が私邸だったものが美術館となっているのですが、
建物そのものがアートであり、観て楽しむ場所であります。
むしろ、この建物が人の住む場所だったことが信じられないというか、何と言うか・・・。
さて、この建物での写真展を企画したとき、篠山紀信は撮影もこの建物の敷地内で撮影。
そして撮影した場所に写真パネルを展示するという、かつてない手法をとっています。
これがなかなか面白い! とはいえ、場所が原美術館だからこそ活きる企画。
よその建物では同じ印象を作ることはできなかったでしょう。
撮影は原美術館の展示入れ替えのときに行なったそうですが、
モデルはなんと33人! 有名どころでは檀蜜さんとか紗倉まなさん、
葉加瀬マイさん、矢吹春奈さん、和泉里沙さん、などなど。
といってもワタシが顔と名前が一致したのは檀蜜さんだけですが(笑)。
紗倉まなさんはAV女優、和泉里沙さんはアテネ五輪新体操選手だそうで。
正直なところ、檀蜜さんだけどの写真も胸を長い髪で隠しているのが不満。
なんか、潔くないですねぇ。
写真はエロというよりは女性をきれいに撮っているので、
女性の来場者も多し。カップルで来たりとか、女性二人とか。
もちろん男性客も多かったけれど、男女比は50:50ぐらいだったかも。
ただ、撮影はフツーのデジタル一眼で撮影されたようで(たぶんキヤノン EOS 5D系のどれか)、
大伸ばししているだけに写真に間近に迫って見ると粗さが目立って残念。
離れてみる分にはそれなりにシャープですが。
以前観た『写真力』という展覧会ではかなり緻密な写真を展示していただけに・・・。
過去のエントリー:2012.12.01 東京オペラシティアートギャラリー『篠山紀信写真展 写真力』★4
とはいえ、原美術館で撮影された写真を原美術館で楽しむという企画は
非常に面白く、印象的でした。
また、入館するときは気づきませんでしたが、美術館の壁や塀に
写真パネルが展示されており(さすがにヌードではないですが)、面白かったです。