本当に久しぶりだが、美術展を観てきました。渋谷のBunkamuraで5月6日まで開催されている『ルノワール+ルノワール』展である。修了間近ということで、あわてて行くことにしました。
大人1人1,400円は結構な値段。映画1本(2時間)を前売り価格で観るのとほぼ同じ値段となります。割引券とか招待券が欲しくなりますね。
さて、ルノワールはもちろん超有名な画家ですが、私個人としては特別好きでも特別嫌いでもない画家。私は風景や静物の絵はあまり好きでなく、人物が好き。風景でも北斎なんかは好きですが。なのでルノワールの絵の中でもやはり肖像画中心に観ることにしました。
今回の展示会は画家ピエール=オーギュスト・ルノワールとその息子(次男)で映画監督のジャン・ルノワールのコラボレーション展示会という趣向。そしてルノワールの家族について焦点を当てるというのがこの展示会のコンセプトのようで。
でも個人的には画家ルノワールのみの展示会で良かったとは思うのですが。マニアな人には面白かったかも。
正直なところ、ほとんどの絵に感動することもなかったのですが、2点だけいいと思う絵がありました。
1つは『陽光の中の裸婦(試作、裸婦・光の効果)』。これはかなり有名な絵だと思いますが、木漏れ日が女性の肌に当たり、まだら模様になったところにルノワールは惹かれたのでしょう。
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/art_review/49/index5.html
もう一つの方が気に入ったのですが、それは『小川のそばのニンフ』。ニンフとは「水の精」のこと。フライフィッシングのフライでもニンフというものがありますが。絵の詳細は下記を見てください。
http://www.japandesign.ne.jp/HTM/REPORT/art_review/49/index4.html
写真は斜めから撮影されているのでデブ(失礼! 「ふくよか」にしておきましょう)に見えますが、正面から見ると標準体型(やや肉付きよし)かな。ルノアールが26,7歳の時(私の計算では)の18歳の恋人ということのようですが、白い肌の妙齢の女性が清純な表情で作者を見ています。私の印象は、女性の表情が清純でありながらも「私を見て!」と言っているようにも見えます。
個人的にはこれが最高傑作に思えました。残念ながらこの絵の絵はがきは売っていませんでしたが。
まぁ、この1枚と出会えたことで1,400円は個人的に納得できました。