せっかくの上京なので、最も観たい美術展として
東京国立近代美術館『東京オリンピック1964 デザインプロジェクト』(竹橋)を観てきました。
東京国立近代美術館公式サイト:展覧会情報東京オリンピック1964 デザインプロジェクト
「1964(昭和39)年に開催された東京オリンピックは、第二次世界大戦で大きな打撃を受けた日本が、その終結からおよそ20年を経て、奇跡的な経済復興を成し遂げたことを国際社会に示す、日本の威信をかけた国家イベントであり、戦後日本のデザイナーが総力を挙げて取り組んだ一大デザインプロジェクトでもあった」ということで、
「東京でのオリンピック開催が決定すると、1960年には「デザイン懇談会」が組織され、まずデザインポリシーが決められました。そして、シンボルマークとポスター、ピクトグラム、プログラムや会場案内図などの制作に組織的に取り組みました。その一連のデザインワークはその後の国際イベントのモデルともなり、国民はオリンピックを通じてデザインの力を身近に感じることになったのです。
2020年のオリンピック招致にむけた機運が高まるいま、あらためて1964年の東京オリンピックを振り返り、一連のデザインワークの全体像を追跡」する企画。(一部本文を中略しています)
会場では、1964年東京オリンピックのためのデザイン原画やポスター、金・銀・銅メダル、案内用ピクトグラム、入場チケットなど、ありとあらゆるデザインが展示されていて、一点一点じっくりと見入ってしまいました。
東京オリンピックのデザインの基礎となる
「東京オリンピックシンボルマーク」を含むポスター3部作は今見てもインパクト大。
東京オリンピックの開会式で着用された
深紅のブレザー(女子用)も見ることができました。胸3つボタン、袖1つボタンでノーベント。裏地は肩から上だけのシンプルなもの。
金・銀・銅メダルは最近の北京、ロンドン五輪のものに比べると小さなものですが、
収納箱が黒漆のもので、金色の東京オリンピックロゴが配されており、伝統とモダンが融合したもの。メダルよりも入れ物に感動!(笑)。
東京オリンピック開催のための費用捻出のために、
寄付金付き記念切手とか、
記念硬貨とか、
タバコとかがバンバン発売されていたことがよくわかります。記念切手は、ワタシも小学生の頃に集めていたので、そーいえばあったなぁ、と懐かしく感じました。
競技会場については、代々木第1体育館・第2体育館が建築デザイン上の一番の目玉で、模型が展示されていましたが、当時の名称が
「国立屋内総合競技場 本館」「国立屋内総合競技場 別館」とされていたのがワタシ的には興味深かったです。
また、ワタシも通っていた
某W大学の記念会堂がフェンシングの競技に使用されていたということがわかってクリビツ。
北京五輪では会場の建築/整備がなかなか進まず、TVのワイドショーで「こんな状態で大丈夫か?」と危惧していましたが、当時、
日本武道館が完成したのが競技の1週間前!だったそうで。よそのことをとやかく言えませんな(笑)。
トイレの男女のイラストのような
ピクトグラムを本格的に採用したのは東京オリンピックが最初だそうで。
ちなみに、各種デザインのガイドラインを示した
『デザイン・ガイド・シート』は完成したのがオリンピック開催後というのが笑えました。
当時のデザインは今から見るとちょっと古くさく感じるところもありますが、そこがまたいい(笑)。この展覧会は当時のデザイナーの奮闘が感じられる、いい企画でした。
会期は5月26日(日)まで(月曜日休み)。大人でも420円という安さなので、オススメです!!!