「大学へ行く」とはJe vais a la facult'e という。facult'eは正確には日本でいう学部なのだろうが、a la facと約めてもいうらしい。ドイツ語ならさしずめ Ich gehe zur Uni にあたる。どちらもuniversit'eとか言わないで省略形を使うことが面白い。日本語では「大」といっても大学を意味するとは誰も思うまい。
もっともドイツ語で英語のfaculty、日本語の学部というのはあまり聞いたことがないようである。Fakult"atという語があるが、Fachbereichという語をむしろ聞いたと思う。だが、このごろはドイツも学制が変わってきている。また私の経験は少ないし、見聞が狭いので間違っている可能性は大きい。
Universit’e ’a la Sorbonneをソルボンヌ大学と訳されているのを見たのも一度ならずあるが、これは正式にはどういうのだろうか。パリ大学のSorbonne校というのが正しいのであろうか。私の勤めていた工学部にもフランスのパリへ研究留学した数学者が何人もいたから、いつか彼らに出会ったら聞いてみたい。
フランスでは大学に入るにはリセーの卒業試験のバカロレアに合格する必要があるが、これは結構難しいらしい。一方でフランスで権威があるのはgrandes ’ecolesといわれる大学で、政治や経済界やその他の各界の指導者になるような人はここを出ているらしい。grandes ’ecolesは独自の試験があり、バカロレアだけでは十分ではない。
フランスは自由な国というイメージがあり、それは確かなのだろうが、一方で中央集権の国でもある。そこらが日本と似ていてちょっと気持ちが重くなるところでもある。