cauchemerとは悪夢という意味らしい。長い間フランス語も学んでいるのにこういう言葉も知らなかった。英語ではnightmareだろうし、ドイツ語だったら、Alptraumであろうか。休暇の意味のフランス語を何回か学んだと思うのに覚えられなかった。最近cong'eをやっと覚えた。
そういえば、このcong'eはカミュの「異邦人」のはじめのところに「今日、母さんが死んだ」Aujourd'hui, maman est morte.---。「店の主人に二日の休暇を願い出た」J'ai demand'e deux jours de cong'e a mon patron.とかいうのがあるのに、このcong'eを覚えられなかった。
だから、言葉が即座に出てくるというのはすごいことなのであろう。初級のフランス語から中級のフランス語へと移っていかなければならないのだが、いつまでも初級に留まっている。それでも少しづつは語彙は増えてはいるのかもしれないが、歳のせいで昔は覚えていた語彙までも出にくくなっている。
フランス語でなんというか知らないが、ドイツ語なら知っているんだがなと思っていたのが、スリッパという語であった。これはPantoffelというはずだ。そう思ってフランス語のクラスで先生がなんというか聞いていたら、une pantoufleだという。それで先生にドイツ語でもPantoffelというと話すとそれはフランス語から来たのだという。
このときはE大学で1学期間フランス語のコースを聞いた3回目のときで、フランス語の先生はフランス人かとおもったが、カナダ人の先生であった。このときは法文学部の夜間主コースの時間でこの授業のあとに、私は歴史の講義を法文学部の夜間主コースの学生にする必要があったので、その直前にあったフランス語の教室に先生に許可を得て出席したのだった。
このときは学期の最後には口頭試問のテストまで受けた。成績を大学の事務に提出をしようかと先生に言われたが、その必要はありませんと答えて断った。
このときには他の学生のために授業の邪魔にならないようにしながら、ときどきフランス語で質問をしたが、その直後の私の授業の学生から「先生はなんでそんなにフランス語ができるのですか」と授業の最後に私がいつもとっていた、アンケートの欄外に書き込まれたりもしたが、もちろんそんなにできるはずがない。いいたいことの1/3もいえるものではない。
フランス語とドイツ語は語族としては違うのだが、それでも隣り合った国だから、ネクタイune cravateだとか人形une pouppeとか発音も同じような語がある。また、フランス語から来たドイツ語もある。Chanceなどは発音もフランス語風にシャーンスと発音する。ドイツ語のChefなどもフランス語からきているだろう。形容詞のcharmantなどもそうであろう。シャルーマンとかドイツ語でも発音する。
物理にcharmed particleというがあるが、これなどドイツ語ではcharmantes Teilchen(シャルマンテス・タイルヘン)とかドイツ語ではいっていたと思う。
また、このカナダ人の先生(名前は失念した、失礼、先生)のクラスで箸をune baguetteというのを知った。パンのバゲットも箸と同じように長いところから来ているだそうである。