体力がなく根をつめて仕事をすることができない方なので、いつでも仕事が発散してしまう。
気分転換のために新しく「定積分の求め方」というエッセイを書くための準備を始めた。これはいろいろな定積分の求め方を概観しようとするものである。
すでに2002年2月に書いたメモによると定積分の方法の項目として
1.区分求積法
積分の意味がよくわかるが、計算が面倒である。級数の和が求まらないと積分できない。
2.不定積分による方法
これが正攻法である。微分積分学の基本定理が重要である。
3.Feynmanの積分法(パラメータの微分で積分を求める)
積分記号内のパラメータで微分によって積分を求める。
4.複素積分
Cauchyの積分定理が重要である。複素解析の本来の目的は?
5.数値積分
Newton-Cotes, Gauss- (Legendre, Hermite, Laguerre), 適応型 Newton-Cotes, 二重指 数関数型積分 他がある。最後の二つは日本人の発明(?)である
6.Monte Carlo法による多重積分法
多重積分積分をするにはこの方法がお勧めである。低次元の積分ではあまり収束がよくない。
7.定積分表による
ビーラン・ドウファンの定積分表 --ビーラン・ドウファン:定積分の研究に生涯を捧げた 数学者、ただし森口、宇田川、一松の「数学公式」(岩波)によれば、かなり誤りがあるらしい。
8.Laplace変換
9.Fourier変換
10.積分変換
11.無限級数の和による定積分
ツェータ関数の特殊な値を使う
をリストアップしている。
それらを例を上げながら、微積分を少し学んだ人なら、誰でもわかるように書きたいと思っている。すでに
3.Feynmanの積分法(パラメータの微分で積分を求める)
についてはエッセイを2度ほど書いたことがあるが、残りのテーマはきちんと取り扱った記述をしたことがない。
ここに上げた以外にも私の知らない定積分の求め方があるかもしれない。また、Laplace変換とFourier変換は積分変換の一部であるのだろう。
(2011.3.11付記)
最近では数式処理のソフトが一般的になっているので、
12.数式処理ソフトによる定積分
も項目に入れるべきかもしれない。
(2013.11.4付記) 昨日必要があって一松信著『解析学序説』上(旧版)(裳華房、1962)を見たら、定積分の仕方のいろいろが書いてあった。さすがは一松先生である。
私が「定積分の求め方」というエッセイを書こうと企画しているのはずいぶん以前からだが、多分この一松先生の書を読んで考えたことではないと思う。
というのはもちろん参考のために一松先生の書をもってから久しいがあまり読んだことはないからである。だが、私の考えたようなことをすでに一松先生が書かれていることを昨日知った次第である。
ちなみに一松信著『解析学序説』上(新版)(裳華房、1981)では旧版に述べられていた方法の列挙は削除されている。定積分の例題は同じに残っているが。なお、一松先生の方法で述べられていて、私が挙げていないものは多分ないと思う。
昨日その箇所を見たが、そのときの記憶が残っているだけで、いまここで具体的に一つ一つ比べてみているわけではないので、確かではない。