物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

「私の知的鍛錬法」

2011-03-15 12:53:16 | 本と雑誌

竹内均の「私の知的鍛錬法」を最近通読した。なかなか興味深い書である。これは個人的な経験を書いた本であり、30年以上も前の本である。

竹内さんは方法についても述べているのだが、それでもその方法に凝るよりも実際に行動をすることを重視しておられる。その姿勢からか面白いことを書かれていた。

それは「知的生産の技術」で有名となった、梅棹忠夫さんが優れた仕事をできたのは彼の提唱したカード法でカードをあまり立派にはつくらなかったからだとの梅棹さんの友人か知人が言っていたという皮肉な批評であった。

これは実際になにかをすることを日夜にわたって、実践した竹内さんらしいリマークであった。この書「私の知的鍛錬法」は出版されて間がないころにみすず書房のPR誌「みすず」で物理学者の山口嘉夫氏が印象に残った本ということで紹介されていたが、ごく最近まで本書を読む機会がなかった。

もっとも竹内さんの似たような別の書を読んだことはあったのだが、実際にこの書を読むのは初めてであった。これもインターネットで一年ぐらい前に古書で購入したのだが、積読であった。

それがテレビで大地震と大津波の被害の様子をこれでもか、これでもかと見せられたので、読んでみる気になったのだから不思議なものである。

なかなか役に立つアドバイス満載の書であるが、結局はそれを自分でどれくらい実践できるかであろう。

竹内さんの勧めることは断片(なにか関心のあるテーマの4,5ページ文書)を暇を惜しんでつくるということにある。そういう断片をまずは10くらいつくる。それが100くらい集まれば、出版するかどうかは別として1冊の本ができるくらいの材料が集まったことになるという。


東北関東大地震3

2011-03-15 12:03:09 | 社会・経済

私の大学の後輩のY氏はいまは東京大学に勤めているが、彼の家族は仙台に住んでいるのではなかったかしらと思い出した。それは彼は東京大学に勤める前には東北大学に勤めていたからである。

彼の勤務先は多分いまでは千葉県柏市にあったように思うが、家族がまだ仙台に住んでいた可能性はある。だから、彼の家族が今回の地震とそれから引き起こされた津波に被災した可能性は0ではない。

NHKのテレビのヘリからの実況中継を見た者にはあの津波のすごさは言語を絶する。道路を普通のように車で走っていたら、急に津波に襲われてどうしようもなく亡くなった方も居られよう。

また、車で遠くへと避難しようとして居られた方も居られよう。ヘッドライトをつけた車が波にさらわれたところをこの実況中継では写さなかったが、その直前までを実況中継した。

ヘリで撮影していた取材者も自分の無力を感じられたにちがいない。これは地震直後にこの実況を見ていた私たちも同じである。

あまりテレビを見ることの少ない私であるが、こういうところを見てしまった。そういう方々がたくさん居られたのであろう。また、テレビでは津波に巻き込まれながら、奇跡的に生還されたかたのインタビューもあった。運のいい方も居られるのは間違いない。


東北関東大地震2

2011-03-15 11:32:12 | 社会・経済

東北関東大地震による被災者について有名なA名誉教授以外に私の知る人などいるはずがないなどとたかをくくっていたら、そうでもないことがわかった。これは先日発行したばかりの数学・物理通信第6号とその一つ前の第5号の寄稿者であった、高木富士夫さんが被災した可能性が高いことが彼の門下生の一人からのメールでわかった。

この門下生の方とは一、二度お会いしたことがあるきりだが、同じ物理の専攻だったということで近しく感じていた。この方も青森在住だから、被災した可能性はあるが、それほど大きな被害はなかったのだと思う。

私宛のメールを下さったKさんは高木さんの研究室の出身の方であり、現在は情報工学関係の大学の教員をなさっている方である。こういう形でこのKさんとつながってくるとは思わなかった。

私のように世の中で密かに過ごしているものでも、世の中とはまったく関係がないのではないことを思い知らされたことである。

そういえば、私の遠い親戚の方が弘前に住んでいるはずである。この方は私とほとんど同年であったはずだから、71~72歳くらいである。無事で居られるかしら。