いつだったかは鶴見俊輔さんの座談を読んでいたら、学生の関心を引こうとして、面白い講義をしなくてはという気持ちが講義の質を下げてしまうとあった。これは教室の最前列の学生がスポーツ新聞に「力道山血まみれ」なんという見出しのついたのを見ているのを見てしまうといけないのだと思想史家の藤田省三さんだったかが述べていた。
このブログでもどれくらいのアクセスがあったとか、どういうテーマがアクセスが多いとかいうことがわかるようになっている。そうするとまたアクセスが多くなるような話題をブログで取り上げようとかいう邪心が出てくる。これがひょっとすると私のブログの質を上に述べたような講義の質の低下と同じように引き起こしているかもしれない。
先日、一日で311のアクセスを記録した。これは誰か一人か二人の人が集中的にこのブログを見たせいだと思う。もっとも妻などはそれは何かの機械のミスのせいだろうと言っていた。そうかもしれないが、人間、人の気を引こうとして時の話題を取り上げたりする。それがブログの質を下げているとすれば、申し訳がないことである。
だから、このブログではあまり政治の世界がどうなっていてもとりあげない。だが、先日シノダスとかいう会社の代表取締役の方(名前は失念)が1970年以降生まれの方を組織して社会を変えることができるような政策提言とか何かを模索していると新聞で読んだ。そういう努力が本当に実るかどうかはわからないが、そういう努力をする人が出てきたということに日本社会として希望が少しだけ出ている。
(2011.4.26付記) 上に一日のアクセス数が311のことがあったと書いた。今日やっと気がついたのだが、311は東日本大震災の起こった、3月11日をも意味するので、そういうことを知っている人がわざとアクセス数が311となるように細工をしたのではないかとも考えられるが、ちょうど311にするのは意外と難しいのでやはり偶然なのであろう。
と書いたが、この日は3月11日よりも三日前の3月8日のブログだった。だとすれば、偶然であろう。それとも神がかって3月11日に大地震と大津波の災害が起こることを予感していたのだとというと、これはもちろんオカルト気味であって、冗談としてはいいが、真面目にとるべきではない。