「数学をいかに使うか」は昨年の12月に出版された「ちくま学芸文庫」の一冊である。昨日E大学の生協書籍部に注文していたのが、届いたので取りに行った。定価950円である。
これはアマゾンコムで評判が高かったので、購入したのである。「ベクトル積から外積代数まで」「四元数環の重要性」「Cliffford代数とスピン群」等は興味深かったが、拾い読みをした範囲ではどうも私にはまだ不十分な感じがする。
これは書いてあることがというよりは私の個人的な求めているものが少し違うということである。すなわち、私の欲しているのはもっと「いもむし数学」(山内恭彦)である。だが、もう少しこの本の内容をわかるようになりたいと思っている。
もともと著者の志村五郎さんが「微積分学に引き続いて学んだらいい」と考えていることがこの本の中心である。この本はこのちくま学芸文庫には珍しく書きおろしである。
「使えない数学は教えなくてよく、学ばなくてもよい・・・数学は学ぶにせよ教えるにせよ。きめられた伝統的な段階をふんできっちりやらなけらばならないものではない。特に「何でも厳密に」などと考えてはいけない。これは教育上でいっているのであって、厳密でなければならない場所はもちろんある」とはしがきにあるので、これがこの本のPRの決め文句になっているようだ。
しかし、思うにあまり数学が得意でない人はこの本を買うのは控えた方がいい。数学好きな人、得意な人はもちろんこのアドバイスは当てはまらない。