「数学・物理通信」第7号に投稿されたNさんの原稿の中の不等式の導出の由来がわからない。
その不等式自身はそれが正しいことは二つの方法、数学的帰納法と微分を使った方法で確かめた。
しかし、もう一つの一番素朴なアイディアによる証明が私にはどうも矛盾した結果に導くのでどこかが間違っているのだが、どこが間違っているのか自分ではわからない。
それで、ポリヤ(Polya)という数学者の数学における発見的方法についての書籍があったことを思い出した。
それらの書籍がすぐに私の疑問に答えてくれるというのではないが、その本を昨日自宅の2階の自分の書棚を探した。そして今日仕事場にもってきた。
一番、ポリヤの一番ポピュラーな本は
『いかにして問題をとくか』(原題:How to solve it)(丸善)
であるが、これは高校レベルかと思う。
もう少し高いレベルの本としては
『数学における発見はいかになされるか』1 機能と類比、2 発見的推論(丸善)
と
『発見的解き方1、2』(みすず書房)
である。
ポリヤはハンガリー生まれの数学者であり、アメリカのスタンフォード大学で長らく研究と教育を行っていた。その後スイスのチューリッヒに晩年住んでいた。
これらの訳本が出たのは『いかにして問題をとくか』を除いて私の大学時代から大学院の時代のことである。
なぜ、発見的方法というものに関心をもったかといえば、私にはまったく数学的な直観力がないから、それを補いたいと思ったからである。
これは有名な物理学者ファインマンなどなら、すべて経験が不足しているだけだよと言うところだろうが、やはり普通の数学のよくできる人が普通にもっている資質が私にはどこか欠けていると感じている。
Polyaの発音だが私はポリヤと書いたが、ポーヤと日本語で書いてある本も見た気がする。それで本当の発音はポーヤの方が近いのかもしれない。そこのところはどなたかご存知の方が居られればご教示を下さい。