長年の工学部勤務で聞いた言葉にはオートマトン、カルマンフィルター、カオス、カタストロフィー、グラフ理論、スプライン関数、ベジェ曲線等がある。
それにこれは工学部で聞いたわけではないが、流体力学ではカルマン渦(Karman vortex)もある。これはカルマンフィルターのカルマンとは別らしい。カルマンフィルターのカルマンはKalmanと綴るらしい。
いま、広辞苑でオートマトンを引いてみると、これは出ていて
コンピュータをはじめとする種々の計算機構の数学的なモデルの総称。入力と出力を結ぶ有限個の内部状態を考え、入力により内部状態が変わり、出力は内部関数の関数として定まる。
とある。
同じ学科に属していた数学の I 先生の学生がこのオートマトンの簡単なモデルを学部生の卒論で発表したことが何回かあり、それを聞いていて、どうも数値計算の誤差の集積の様子に機構が似ているねと I 先生に言ったら、やはり数学者のノイマンか誰かは「そういう風なイメージからオートマトンを導入したらしいですよ」と言われた。
しかし、その数値計算の誤差の集積の様子をそのような数学モデルに抽出したとすれば、やはり優れた抽象感覚であろう。私のような凡人にはそういうことを思いつきそうにもない。