物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

外国語を好きか

2011-05-24 12:01:47 | 外国語

「お前は外国語を好きか」と聞かれたら、ちょっと口ごもってしまうだろう。

普通の一般人と比べれば外国語に関心がある方だと思うが、ドイツ語のクラスのための前回のクラスで出てきたドイツ語の言葉の要約をつくったりしているときに、面倒だななどと思うからである。

この要約をつくることは、もちろん誰かから頼まれたことでもないし、自発的にやっていることだが、それでもほとんど毎週やっているとつらいと感じるときがある。だが、この要約で前回の復習と追補をR氏がつぎのドイツ語のクラスで取り上げてくれるので、その努力に応えたいという気もある。

だが、それだけではない。将来的にR氏が大学を定年になったときに何かドイツ語の単語集の編纂とかの仕事があった方がいいからという狙いを密かにもっている。

東大と学習院大学でドイツ語を長年にわたって教えられた、Robert Schinzingerさんはドイツから老後に年金を出すという申し出を彼が編纂した独和と和独の辞書の印税で生活できるからと言って、その申し出に感謝しながらも断ったという。

現在、通常の多くの時間に私のやっていることは科学の研究には入らないが、それでも科学的な事柄に熱中しているときなどに、それを中断してドイツ語のクラスの要約をつくる作業をなんだか疎ましく思うこともある。そんなことを先日Nさんに話したら、「科学的な仕事とか作業は確かに面白いですよ」と同意をされた。

このNさんもラジオかなにかでロシア語を勉強しているそうだが、私はもうロシア語を勉強する意欲はない。大学生のころ日ソ協会のロシア語講座に半年ほど出たことがあったが、長続きしなかった。

話はまったく別だが、言葉としての「外国語」という語は気になる。ドイツ語では外国語をfremd Sprache (langue 'etrang`ere フランス語) と言って、どこにも「国」という語は入らない。

言語学者の田中克彦氏の「ことばと国家」(岩波新書)によれば、言葉は必ずしも国とは関係がない。だから私も田中氏にしたがって母語 (Mutterspracheドイツ語, mother tongue英語, langue maternelle フランス語) といって、母「国」語とは言わないことにしている。

そういうことでいけば、「外国語」ではなくて「外語」と言う言葉が新しくできてもよさそうである。例えばだが、残念なことにまだ東京外国語大学といって、略称としては別だが、東京外語大学という大学名が正式名称にはなっていない。