今朝の新聞に福島第一原発の津波の高さについての記事が出ていた。東京電力(東電と略す)の発表では14m-15mの高さの津波が来て、想定の津波の高さ5mの3倍であったから、法律で決められた予想外の被害で免責になるといわんばかりの主張であった。
ところが、どうも近辺の津波の高さと比べて東電の発表した津波の高さが異常に高すぎるのではないかということで津波の専門家からも疑問が出されていたという。
それでその新聞記事の下に書いてあることを読む前にちょっと一瞬だけ考えてみた。実は下に説明があるとは思わなかったから。
どうも東電の発表した津波が防波堤を越えたところの写真では10mの防波堤のちょっと上を津波が越しているように見える。
津波の高さは10mをちょっと越えただけでも、海水の届く高さは海抜10mよりもさらに高くなるということは初等的な物理学を学んでいる人なら、誰でもわかることである。
それは津波の速さから津波が起こした海水の運動エネルギーは特にそれよりも高い障壁があってその津波の海水を遮らなければ、その運動エネルギーが位置のエネルギーに全部すっかり変わってしまう、ところの高さまで海水は届くからである。
その物理的な説明はなかったが、津波の高さよりも高いところまで津波が届くという事実の説明が新聞記事のその下のところに述べられていた。
もし防波堤が津波の高さよりも少し高い程度だったらどうなったであろうか。その説明はされていなかったが、次のようになったはずである。
津波の高さよりも防波堤の高さが少し高かったとすると、津波はその防波堤によって跳ね返される。ただし、津波はその水の質量と速さの積の2倍の力を防波堤に与える。だからその力に持ちこたえる強さを防波堤がもっていなければ、津波の衝撃で防波堤は壊れてしまう。
1度目の津波で壊れなくても2度と3度の津波が時間をおいて繰り返すとすれば、はじめの津波で防波堤が壊されなくても損傷を受けて、2度目、3度目の津波で防波堤が壊れてしまうということもあり得るであろう。
いろいろな考察が時間が経つと出てくる。そして東電の発表した14mー15mという津波の高さも自分たちの責任回避のためではなかったかと思われても仕方がないだろう。上に述べた私の考察は多分物理学の初歩を学んだ人なら、誰でもうなづくことのできる推論である。
だから、初歩の物理学でもいいから、普通の市民が物理学を学んでいることは必要なことであると思う。