不等式といっても簡単な高校数学で現れるくらいのものならどうってことはないが、「数学とは不等式の証明ですね」とは友人の数学者Nさんの言である。
それが数学の本質なのかどうかは私にはわからないが、Nさんがそういう理由はそれなりに確かにあるのだろうと思っている。
不等式についての数学書は日本語で出ているのは10冊以下だろう。もちろんこれは受験参考書は除いての話である。
だが、頭のいい人はなんでも本などには頼らなくて自分で必要なものは考案してしまうが、私は直ぐ文献に頼る方である。しかし、結局それらの書が理解できないで放り出してしまうことが多い。
これはNさんの論文の不等式の証明が素朴なアイディアでうまくできないせいである。それで仕方なく明日その点をNさんに聞きに行くことにした。
数学・物理通信に仙台在住のTさんが連分数のテーマについて投稿されたので、連分数に少しだけ関心が生じている。昨日だったかインターネットで連分数について検索してみたら、結構たくさんのサイトがあった。
連分数についてはかなり多くの人が関心をもっていると思われる。私が関心を持った理由は平方根の近似値の求め方として、連分数で表す方法があるらしいからである。
平方根の近似値の求め方はレビューしてみたいと思っている。すでにニュートン法での平方根の近似値の求め方とバビロニアの算法についてはすでにエッセイを書いたが、平方根の近似値の求め方はまだまだたくさんある。多分6,7通りくらいはあるのではないだろうか。
森口繁一先生の「数値工学」(岩波書店)には連分数は重要なテーマだのに数学において十分にとり上げられていないのは残念だと書いてあった。もっとも私は連分数について詳しく書いた本はもっていない。