先週の金曜日の夜のNHK教育放送の「佐野元春のシンガーソングライター」では星野源さんが招かれていた。私は星野さんがどんなシンガーソングライターなのかまったく知らない。
ただ、星野さんが言っていたことで興味を惹いたことは曲が先にできていた場合にはその曲にひきずられて詞のほうが制約を受けることがあり、その曲の制約によって始めに想定した詞が曲にあてはまらないことがしばしば起こるが、そのときに適切な詞が思いつかない場合に、別の言葉を使ったりすることがある。
ところがそのような場合に後から見ると、かえって含蓄が深いいい詩になっていたりするという。だから、そういう意味で曲の制約とか、または反対に詞の制約が曲に深みを与えたりすることもあるのだろう。
形式はえてして人を制約して、嫌なものだが、そういうことまで含めて考えると一概に形式が創造性を奪うとはいえないということがわかる。ある意味で反語的な状況が存在するということであろう。