「嘘には三つの種類がある。嘘と大嘘と統計の三種だ」というのはマーク・トェ―インが使ってから広まったと前広島市長秋葉忠利さんが、「数学教室」の12月号で書いている。
このエッセイの題がLies, damn lies and statisticsであった。なかなかおもしろいエッセイで教えられるところが多い。
いままで、秋葉さんの「数学教室」のエッセイを読んで見ても、あまりおもしろくもなかったがようやくおもしろいエッセイに出会った。 これが本来の秋葉さんの持ち味であろうか。
統計で嘘をつくということは政治家にはよくあることで、一般の人も政治家に統計でこうなっていると言われると沈黙してしまうところがないわけではない。
日本でも政治家が国民にあまり信頼されないのは世界の他の諸国と変わりがないが、マスコミへの信用が大きいのは日本と韓国ぐらいで世界の他の国ではあまりマスコミを信用はしていないという。そこが日本と韓国とそれ以外の国々ととの違いであると秋葉さんは述べている。
ところで本当に日本のマスコミは信用できたのかとなるとちょっと疑問もある。それは政策誘導がマスコミを通じてなされていると言う節もあるからである。
今となっては明らかになったが、原発安全神話を吹聴したり、または吹聴まではしてないとしても、見過ごしてきたのもマスコミである。
それでもまだ政党や政治家とか官僚よりはマスコミの信頼が日本において大きいであろう。それにしても問題はいろいろと大きい。
秋葉さんはそれでもつぎの言葉でこのエッセイを締めくくっている。
すべての人を一時騙すことはできる。一握りの人を永遠に騙すことだって可能だ。でも、すべての人を永遠に騙すことはできない。
これはアメリカのあるジャーナリストの言葉である。