退職してから、週に一度だけ木曜日の夜に愛媛大学に出かけるだけで、ほとんど愛媛大学には寄り付かない。
それでも大学生協の書籍部には月に1回だけ予約購読をしている雑誌をとりに行く。今日はたまたま鶴見俊輔さんの本を取りに大学生協の書籍部に出かけた。
11月も半ばになって、この赤十字病院や東中学校と愛媛大学との間の通りのプラタナスの並木が黄色く色づいて、そこここにその大きな葉が落ちている季節となっている。なかなかこの通りのプラタナス並木は立派で風情がある。
松山は並木の多い街の一つであろうか。愛媛大学の近くを東西に通っている平和通はメタセコイヤとかイチョウの並木が美しい。もっともまだこのメタセコイヤとかイチョウの紅葉の見ごろのシーズンはもう少し先であろうか。
そういえば、仕事場にやってくるときに通る、勝山通りも少しづつイチョウの並木が色づきはじめたが、まだ全体としてはやはり少し先であろうか。一、二本は色づいてはいるが、まだ緑を残しているものが多い。11月下旬から12月上旬になれば、これらの並木が本当に紅葉してくる。
もっとも、これは単に通行人としての私たちのいうことであって、これらの落葉を始末する立場に立てば、頭の痛いことに違いない。
まだ学生のころのことであったが、物理学科の講義が行われる講義室のすぐ外に1本のイチョウの木があって、まことにきれいに紅葉していた。それを講義を聞きながら、ちらちらとみて楽しんでいたところ理学部の用務員さんがきて、熊手でその紅葉を書き落としてしまうのを目撃した。
紅葉を楽しむというのは私たちの心情的な風情からいうとこの上もないが、その落葉を処理しないと構内が汚いと言われる、用務員さんの身になってみれば、仕事がいつまでたってもきりがないということであろう。