無料オンライン講座が最近クローズアップされている。
その中で反転授業が特におもしろい。これはオンライン授業で前もってそれを見てきた生徒が普通の授業ではその内容を確かにするという機能をもっている。
実は大学で何年も教えてきた人なら、いくら口酸っぱく口角泡を飛ばして情熱的に講義してみてもちょっとテストをしてみたら、その講義は何だったかと思うぐらい内容が学生には定着をしていないということをご存じであるに違いない。
昔の学生はそれでも自分で自宅で勉強をして先生の教えてくれた内容を自分のものにしようとしたものだが、最近ではそういう学生はほとんどいない。
それくらい学生は忙しくなっているのである。それで自分の講義時間をあたかも演習の時間のように使って講壇から先生は降りて来てクラスの学生が座っている机間をまわって、それぞれの学生の質問に答えるようにしていたりする。
そいうことをすると確かにただ講壇から黒板を使って講義するよりは定着度がいいのだが、一つ困るのは進度がとても遅くなるということである。そこらあたりが真剣に学生に教えたいと思って先生方が困っているところである。
だから、この反転授業では前もって生徒がオンライン講義を見て来て、対面授業ではその中で分からないところとかわかりにくいところとかを聞いて理解する。または定着させるという方法はなかなかいいアディアであると思っている。
しかし、最低前もって無料オンライン講座を見て来なくてはならないという意味で生徒や学生に無条件に義務を課している。
2013年4月25日の朝日新聞に載っているサルマン・カーンのオンライン講座がどの程度のものかは見たことがないので、わからないが、なかなかの興味深いオンライン講座ではないかと思っている。
(2013.4.30付記)反転授業というのを英語で何というか。flipped classというらしい。
私が知っている言葉でいうと、spin-flipとかflip-flop回路とかぐらいである。spin-flipは電子の上向きスピンの状態が下向きスピンの状態になることだったかと思うし、flip-flop電子回路は双安定回路と言われていたかと思う。
まだ若かったときに、同僚のHさんに教えられて自分でもflip-flop回路をつくってみたことがあった。手元の辞書ではflipは弾き飛ばすというような意味が出ている。