現在具体的にわからないと思っていることもあるが、今日の話はそういう具体的なわからないことを指していない。
数日前に書棚をいろいろ探しているときに江沢洋先生の著書「力学」(日本評論社)を見つけた。
これは前に出版社から贈って頂いたが、それをしばし開いて序言をちらっと読んだら、洋先生が「わからないことを大切にせよ」と書かれていることを発見した。
最近、なんでもわからないことを困ったことのようにいう言う人が多いが、そうではないと書かれている。私なども物わかりの悪い方で、なんでもなかなか理解できない。
わからないことを自分でわかることはとても貴重な経験をその人に与えるという。
私などもいつもわからないことを抱えている。それらはいつかはわかることもあるが、なかなかわからないこともある。
いまはWKB近似に関してわからないことがある。もちろん、最近このWKB近似に関して分かるようになったこともあるが、また新たなわからないことも出て来ている。それを何とか論理的に納得できるような形にまとめて文章にしたい。
これは実は私のというよりは数学・物理通信に投稿を頂いたMさんの意図であるが、それを少し拡大したいと思っている。