参議院選挙の前の世論調査で新聞は生活優先で憲法は後回しのようであったことに岩波のPR誌『図書』8月号の「こぼればなし」で述べている。
そして、憲法は生活の前提になるのだから、二者択一ではないはずだが、と疑問を呈している。
そして、「そうとらえられていないとすれば、それはなぜなのか」という。
これの回答はなかなかわからないが、今の憲法が与えられたものとしてその空気の中で育ってきた多くの人にとってはそれが保障されなくなることを想像できていないのではないか。
だが、それが憲法改悪というような事態が生じた後でようやく分かっても遅いはずであるが、それが想像というか考慮に入っていない。
いつだったか、とてもある若い男の子に尋ねたことがあった。「もし君が徴兵されて軍隊に行き、戦争に行くことになってもいいの」と。
その子はそれは嫌だといい、その気はないという。だが、それだからと言って憲法9条をまもるとかいう意識はまったくもっていないようだった。
現在の徴兵がなく、戦争放棄の原則を当然のこととしているが、積極的にそれを擁護すべきものととらえてはいない。そういう想像はまったく考えたことがない。
そして、その問題を提起されてもまったく無反応である。そういう若い人が大多数であるという事実をどう考えたらいいのか。