物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

宇宙白熱教室とネター

2015-06-20 12:56:57 | 日記
アリゾナ州立大学のローレンス・二クラウス教授のNHK「宇宙白熱教室」の放送の第3回目が昨夜あった。これは以前に放送の再放送である。

3回目にしてようやく眠らないで最後まで見ることができた。あまり難しい数学を使わないで宇宙の質量を求めるところまで話が進んで来た。来週は最終回である。

私は宇宙のことをよく知らない。それでおもしろく見せてもらっている。どういう人がこのクラスに聴講に来ているのかわからないが、年配の方が多いようである。

中学生の低学年かひょっとすれば小学校の高学年かと思われる子が一人いるが、宇宙の話に興味を持つのはある程度年がいかないとわからないであろう。

運動エネルギーからはじまり、位置のエネルギーの話へと移って行き、地球の質量を求めることから宇宙の質量を求めることへと話は及んだ。数式の計算がないわけではないが、初等的なものであり、日本でもちょっと優秀な高校生ならば十分わかる程度の話にしているのはさすがである。

昨夜は物理法則が時間的に不変ならば、保存される量があるというネターの定理のことを話していた。

ネターの定理のことをネーターの定理と吹き替えで言っていたので、ちょっと変な感じがした。この定理を発見したネターのことをいつかサーキュラー『ドイツ語圏とその文化』でとりあげてみたいと考えている。

物理の人は知っているとは思うが、ネターはドイツからアメリカに移住したけれども当時のアメリカでも女性に大学教授の職はなく、苦労した挙句に比較的若くして亡くなってしまった。

数学者の正田健次郎さんが、ネターボーイとよばれるネターのとりまきの一人であったとは誰かの書いたエッセイかなにかで読んだことがある。このころはいまでは単に代数とよばれる分野が抽象代数と言われたころであり、ネターボーイたちも颯爽としていたらしい。

ネターの定理についてはあまり学生時代には聞いたことがなかったが、大学に勤めるようになって間がないころ、理学部に勤めていた友人のEさんから内山龍雄さんの『一般相対性と重力』(裳華房)だったかの不変変分論という章の手ほどきを受けたことがある。

素粒子論の研究者は大抵知っている話だが、私はそのときまでネターの定理のことを聞いたことがなかった。


角田光代さん

2015-06-20 10:58:53 | 日記
角田光代さんというのは当代きっての売れっ子作家である。

その角田さんと茂木健一郎と松岡修造さんとの鼎談が先日のスイッチ対談のときにあった。角田さんは最近は朝の9時から夕方の5時まで執筆活動をするというサラリーマンタイプの仕事のしかただというが、それでも多い時には週に12本の連載を抱えていたという。だが、それでもアイディアは泉のごとく湧き上がるというすばらしい作家である。

茂木さんと松岡さんが感心することしきりであったが、一方の角田さんは時を忘れて、熱中できるタイプの茂木さんとか松岡さんのタイプにある種の羨望の念も一方ではもたれているようであった。

そして角田さんは忙しければ忙しいなりにアイディアは湧いてくるのだというからすばらしい。私などは角田さんの爪の垢でも煎じて飲まねばなるまい。

規則正しい生活をすることでかえって余裕ができ、アイディアも生まれているのかもしれない。聞くに値する話であった。