また数学エッセイを書くネタが得られた。
これは年末から読んでいた中村滋さんの『微分積分学21講』(東京図書)中に出てきた話である。
微積分学を発見したライプニッツの話の中に無限級数の和を求める話がある。そこでの話の一つに
1/2+1/4+1/8+・・・=1
1/3+1/9+1/27+・・・=1/2
1/4+1/16+1/64+・・・=1/3
を求めて一般に
1/n+1/n^{2}+1/n^{3}+・・・=1/(n-1)
を導いたとあった。もっともこの最後の式の証明は与えていない。
それで証明を考えたら、すぐに無限等比級数の和の公式で証明できた。それに数学的帰納法でも証明ができるだろう。
そのヒントが書かれていなかった。もちろん、中村さんにはそのことは自明だったろうに。一言でよいから言及してほしかった。もっともこの箇所の中村さんの主張のポイントはここではなかったのだろう。