物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

google財団を騙るメール

2022-04-08 12:55:04 | 本と雑誌
google財団を騙るメールが来ることがありますので、注意してください。

誰にでも来るらしい。英語で来るのだが、だいたいこういうのはまやかしだと思っていたので、すぐに削除してきた。

それでよかったらしい。多額のdonationを与えるというので、普通の常識的な人はそんな詐欺には引っかからないのだが、それでもインテリがひっかかるかもしれない。

皆さん、御用心、御用心をお願い申し上げます。





sin xのべき級数展開というタイトルで

2022-04-08 00:02:43 | 数学
「sin xのべき級数展開」というタイトルで、前に書いた数学エッセイ「sin xの級数展開」を書き直している。

記号を導入して、少し見かけを簡単にしている。それで、べき級数展開の係数をまた計算し直している。sin xだからxの奇数のべきしか現れないのだが、x^{9}の係数とx^{7}の係数を今日ようやく計算した。

前にも同じような計算をしたのだが、ちょっと計算方法を変えたので、また新たに計算し直した。

これはいわゆるTaylor展開ではない方法で、Newtonが微分積分をつくる前にした計算であり、その係数を求める方針については志賀浩二『無限のなかの数学』(岩波新書)に書かれている。

現在では微分積分を知っているので、こんな面倒なことをしないで済む。だから、こういう計算を人にさせる人がいれば、非難されてもしかたがない。

もっとも人間の好奇心はいろいろであり、私もそれでこのNewtonのした計算をやってみたし、今回もやっている。

今回の目的は、そういう気を起こす人々に私と同じことをさせないためもある。

数学もだが

2022-04-07 13:40:20 | 外国語
数学もだが、最近はドイツ語の読む力を養成したいと思っている。しかし、なかなか読むドイツ語は難しい。

聞く音声としてのドイツ語も難しいかもしれないが、こちらはわからないところは飛ばしてしまってもいいと思う。わかったところだけに反応してもいいから。

読むドイツ語も細かなところはあまり気にせずに飛ばして大意をとることで満足していたのだが、もうちょっと細かなところもわかりたいと感じるようになってきた。

こういう心構えだから、あまりフランス語も上達はしない。もっともフランス語の音声にはかなり慣れているつもりではあるが、圧倒的に語彙数が少ない。さあ、2000語も知っているだろうか。

いつも言うようにドイツ語の聞くことができる語彙は多分2000-3000語くらいで、自分で話すのに使える語彙は多分300語くらいであろうか。

ドイツ語の日本での検定試験の2級に合格したのはもう4,5年か7,8年前だが、準1級の検定試験に合格するのが目標であるが、なかなか検定試験を受ける気にならない。たぶん私のいまの実力では語彙がまだ少ないだろうと思っている。5000語が目標なので。

話すほうはまったく無茶苦茶でもなんとかなるかもしれないが、やはりペーパー試験がまだ通らないのではないかと思っている。

本当言えば、1級の検定試験に通ることを目標にすべきだが、これは私には達成はできないだろう。

昔、私が大学生だった頃にラジオでNHKのドイツ語の放送を聞き始めたのが、ドイツ語を学ぶきっかけであった。これはあのころは、まだ、大学院の入試に第2外国語が必修であったからである。

最近は理系の大学院で学ぶのならば、第2外国語の試験など受けなくてもいいという大学院も多いのではなかろうか。

簡単になっていることはいいことなのか、それとも、退廃なのか。私などは退廃ではないかと思ってしまう。

そういえば、最近知ったドイツ語で退廃芸術entartete Kunst(エントアルテテ
・クンスト)というのがあった。しかし、この「退廃芸術」の「退廃」の基準はかなり恣意的で本当に「退廃」芸術であったとは思われない。

日本でもファンの多い、ムンクの絵などが退廃芸術と烙印を押されたそうだから。



接続法第1式

2022-04-06 11:59:26 | 外国語
接続法第1式とはドイツ語の中でもあまりお目にかからない語法である。

これは私などは話すドイツ語を中心にして学んでいるからである。もう46,7年も前だが、ドイツに留学するためにドイツ語の力のテストを大阪のゲーテ・インスティテュートで受けたことがあった。

このときにペーパーテストを受けたとき、引用文でer habeなどといういい方がでてきたので、全部er hatが正しいとしてしまった。

このときにゲーテ・インスティテュートの先生から「会話はそこそこできるが、文法をもう少し学ばねばならないですね」と、もちろんドイツ語で言われたが、その意味するところがわからなかった。

要するに接続法第1式の用法を知らなかったということであった。そのことをはっきり認識したのはごく最近である。20歳くらいからドイツ語を学んでいるとすれば、60年以上たってようやく接続法第1式について認識したというのはあまりにも遅すぎるが、まったく認識しないよりはよかったろう。

接続法は第2式もあり、こちらの方はいくら私がうっかり者だと言っても昔でも知っていた。しかし、第1式の方はNHKのラジオ講座でも初級ではあまり取り上げなかったような気がする。

初歩の段階ではそれでもあまり問題はないし、それでも大手を振ってドイツ語通として私ははばかってきた。

ドイツ語は書かれた文章を学ぶと英語が得意な人ははじめ戸惑うことがあろう。私も自分が英語が得意だというのははばかられるが、それでもドイツ語の語順はほとんど英語と同じだと思っていたから、ドイツ語は理解できない言語であった。

基本はあまり英語とは変わらないのだろうが、それでもドイツ語には独特の配語法がある。それを認識することができなかった。

だから、私は配語法をはじめに英語と対比させて教えるべきだと思っている。動詞の人称変化だけではなく、不定冠詞や定冠詞等の格変化とかも大切な要素ではあるが、やはりはじめにドイツ語の動詞を中心とした配語法を教えるべきだと思う。

4月の子規の俳句

2022-04-05 11:21:00 | 本と雑誌

早くも4月5日である。早いものだ。

今日はいつものように4月の子規の俳句を紹介しよう。

 木蓮のつぼみすくなき若木かな   子規
 Sitll young
    the magnolia
    has few buds                              Shiki 1901

E大学校友会発行のテーブル・カレンダーには工学部本館前の木蓮の赤い花とつぼみが写った写真がついている。定年退職して元の職場に行くことはなくなったが、よく知っていた場所であり、なつかしい。

もくれんは知っているが、これを英語でmagnoliaとは全く今まで知らなかった。

花見をした

2022-04-04 16:07:00 | 本と雑誌
昨日、妻が誘ってくれて、花見をした。Gestern haben wir einen Hanami gemacht.

毎年行く、石手川沿いの岩関の近くのベンチで桜を愛でながら、少し遅い昼食の弁当を食べた。昨日はお天気も良くて暖かったので、たくさんの家族連れも出ていた。

岩関のそばにあるスーパーのセブンスターで、お弁当を買って、石手寺の後ろの山に立っているお大師(弘法大師)様の像を見上げながら、一時間ほどの花見を楽しんだ。

私は別にお酒を飲むわけでもないが、ここで以前に出会った人のことを話したりした。もうその人も故人となった。

もう少し早くに来ていたら、陽光桜を鑑賞できたのだが、今年はすこし来るのが遅かったのか、もう陽光を鑑賞することはできなかった。残念である。

妻はいつもいう。「今年はお花見ができたが、来年はお花見ができるとは限らないからね」と。

いや、別にどこか体のわるいところを私たちが抱えているわけではないが、この歳になってくるといつどこでどうなっても不思議ではない。そうした覚悟がいつでもできているのであろう。



パリティ―の破れ

2022-04-04 12:26:27 | 物理学
「パリティ―の破れ」と言えば、リーとヤンのパリティーの破れを思う。これは物理学の現象であり、その事実を見つけたのはリーとヤンの二人の中国生まれの物理学者であり、それを実験的に検証したのはやはり中国系のウーさんという女性物理学者であった。

そして彼らがノーベル賞を受賞したのは私が大学に入る1958年の一年前の1957年であった。

しかし、ここで言いたいのはそういう物理現象ではない。そうではなくて、ジェンダー・バイアス(男女格差)についてである。男女格差という日本語ではなくて、最近ジェンダー・バイアスという言葉で議論されている。

その新聞の欄のおしまいの方に東京書籍の高校の物理の教科書にも「物理を履修する女子生徒がきわめて少ないのはなぜか」というコラムがあると書かれてあった。

それで自分のこととして実際に体験していることを、ここで書こう。それは私の発行している「数学・物理通信」の配布先である。昨年末だったかにある人に聞かれて、その送付先数を数えたのだが、81件だった。

ところが、思い出して見るとその送付先は圧倒的多数は男性であることを思い知った。まったく女性の人はいないと始めは思ったが、たった一人ではあるが、一人女性の物理学者がいたことに気がついた。

もっともこの人、 B さんは日本で女性として二人目の物理学会会長を務めた方で優れた方である。今年は物理学会々長を3人目の女性の研究者が務めている。物理学会には男女差別があるとは思えないが、物理学会はすでに80年を超える歴史を持つので、その年数だけの会長をもってきたのだが、それでもまだ3人目の女性だとすれば、少なすぎると言われてもしかたがないかもしれない。



三角関数のコンテンツ

2022-04-02 12:32:04 | 数学
e-Learningの三角関数のコンテンツを私に満足に書けないという理由がわからなったが、どうも三角関数の加法定理の導出に私があまり納得がいっていないことが原因ではないかと思い始めた。

そうだとすると確かに深刻である。三角関数の加法定理にはいくつかの導入法があり、私もそれらのいくつかを「数学・物理通信」でも紹介してきたが、私の心の底でそれらにまだ納得していないのかもしれない。

もっとなんとか納得できる導出法はないかと思うのだが、そういうものを見つけていないのかもしれない。

理性としては理解しても、まだ納得のレベルまで高められていないのかとも思える節がある。図形で証明された証明はある限定された角度についての証明であって、一般角についての証明ではない。そこを何とか突破しないと図形での証明でも納得のレベルには行かない。もっともそれについての説明がどこの文献にも欠けているわけでもないと思う。

そこらをきちんと自分なりにクリアする必要が私にはある。

sin xの級数展開

2022-04-01 15:41:26 | 数学
「sin xの級数展開」といタイトルでエッセイを書いたことがある。

現在ではTaylor展開によって、sin xをxのべき関数の和として表されることはすこし微積分を学んだ人なら知っている。

そして、その係数を求めることもまったく難しくはない。だが、歴史的にはNewtonがはじめて、その展開を求めたころはそういう方法は知られていなかった。

そもそも微積分学そのものがなかったのだから。それでいまではなんでもないことでも大いに苦心して計算をして求めたのであった。その求める方針については誰でも読める本としては志賀浩二先生の著書『無限のなかの数学』(岩波新書)がある。ところが、この本には方針は書かれているが、その計算はスペースの関係から書かれていない。

それで、以前に「数学・物理通信」1巻7号(2011.6)にその計算について書いた。ところがその後、2015年になって、やはり志賀先生の書籍『数学という学問 I ー概念を探る』(筑摩書房)を読まれたT. 吉泉さんが「ニュートンと三角関数の級数展開」というエッセイをインターネットに書かれている。そこでは吉泉さんはインターネットでも調べたのだが、よくわからなかったと書いておられる。

私たちの「数学・物理通信」はインターネットでも検索してくだされば、すぐに名古屋大学の谷村先生のサイトにあることはわかるのだが、吉泉さんも、そこまでは検索が行き届かなかったらしい。

もっとも吉泉さんはもっと広く、いろいろと議論をされているので、その議論が無駄になることはないのだが、同じことを試みる人が出てくることはあまり生産的には望ましくはない(個人の経験としてやってみたいという方には話は別だが)(注)。それでそのことを出版社を通じて志賀先生に伝えてもらうことにした。

別に志賀先生はすでにご存じの内容なので、どうでもいいことだが、私がしたような1週間ほど時間をとるというようなことは、もう他の人にしては欲しくはないという気持からである。

ちなみの吉泉さんのサイトはcup.sakura.ne.jp/math/triangle.htmである。

志賀先生の本の書き方が上手なので、ついそれに引き込まれてしまう人がでるのだろう。それが、わるいとは一概に言えないだのが。

(注)実際、この「sin xの級数展開」を「数学・物理通信」で発表した際に、N先生(京都大学名誉教授)からご批判をいただいたことを私は忘れてはいない。




サイエンス・ゼロ

2022-04-01 10:48:20 | 物理学
「サイエンス・ゼロ」はNHKのEテレの日曜日の午後11時30分からはじまる科学技術番組である。

今週の日曜日の番組がMCの小島慶子さんの担当番組の最後だったのだが、ここで小島さんが科学とか技術の最先端に触れて、心を揺さぶられたとの話をされていたのが印象的だった。

私の住んでいる宇宙はできたときにはたぶん物質と反物質とが同量あったはずなのに反物質が何らかの理由でなくなって、物質だけの世界となった。

これはいまでも解明されていないこの宇宙の謎だと思うが、そういう世界に生まれた自分は奇跡の上に生きているということだったと感じたのだろう。

そういう風なことを言われていた。私は見ている途中でしばし居眠をしてしまい、このいきさつの放送のところは見逃した。

小島さんは、このサイエンスの最先端に触れることによって、深い哲学的な思想との出会いがあったとのことであった。