別々のピースがつながってきた。まず一般二項定理については、中村滋さんのレポ-ト「青年ニュートンの一般二項定理の発見(http://iitakashigeru.math-academy.net)から、Newtonのその推論をたどることができるようになった。
ところがそのレポートの中のNewtonがヒントにしたWallisの推論についてあまり中村さんのレポートではもう一つすっきりとはわからなかった。
その部分について梁川頴二(えいじ)さんの著書『新しい解析入門コース』(日本評論社)119-122の「Wallisの大胆な直観」で知ることができるようになった。
この部分のノートをつくっていたのだが、その私のノートには最後の部分が欠けていた。それでその部分がどう書かれているか知りたいと思って、『新しい解析入門コース』を探していたのだが、先週は見つけることができなかった。
昨夜、もう一度探したら、なんのことはない、一度探した本箱の中にこの本を見つけた。それでその終わりの部分を昨夜走り読みした。詳しくは再度読まないといけないがようやく論理がつながりそうだ。
なかなか一つの本からは、その一本の筋は見つけられなかったが、これらを総合してつがりつつある。
堀川さんの本は興味深いのだが、Taylor展開から微積分の話がはじまっている。しかし、Newtonの一般二項定理の話とのはつながりはあまりはっきりしない。ここらあたりをつながりをつければ、もっと興味深い話ができそうだ。
志賀浩二さんの『無限のなかの数学』(岩波新書)にあったNewtonのsin xのarcsin xからのべき級数展開の話もある。これについては私のレポートがすでにある。
さらに、堀川さんの上記の著書によれば、階乗 n! の一般化である、ガンマ関数へとつながるらしい。
これらの共通の概念は補間である。補間などは数値解析ではじめに学ぶ概念だろうが、これが微積分の展開をもたらした、隠れた概念だとしたら、なかなか興味深いと今考えている。
さらに憶測を膨らませば、この補間という概念は複素解析での「解析接続」へとつながる思想であるのかもしれない。これは実数からの複素数への補間であるといえるかもしれない。補間できるだけではなく、それを表す実体としての関数があるという考えである。
ガンマ関数はEuilerが考え出したらしいが、彼は n! を補間したいと考えていたとは、ハイラ―/ヴァンナーの『解析教程』下(シュプリンガー)に一言だけ出ていたが、どうつながるのかわからなかった。これについては堀川さんの『新しい解析入門コース』を読みたい。
どれか1冊の本ではよくはわからなかった話の筋がつながってきた感じである。