物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

テレビ評として

2022-04-20 10:43:44 | 数学
本日の大阪の朝日新聞のテレビ評でライターの島崎今日子さんが「数学の理論 理解不能でも面白い」とタイトルがついていた。

これは私も見たテレビ番組だが、「ABC予想」の番組である。私にもわからなかったが、多くの人の興味を引いたということでは番組は成功だったのであろう。

このテレビ評に書き留められているのは、放送でも繰り返された「数学とは異なるものを同じと見る技術である」という言葉とか、望月新一さんの考え「同じものを違うものとみなす」という斬新なアイディアである。

確かに番組では掛け算の方が、足し算よりも簡単であるということは了解できた。

このテレビ評を書かれた島崎さんとはどんな方か存じ上げないが、いつもこのテレビ評でお名前は存じ上げている。

別々のピースがつながってきた

2022-04-19 07:12:59 | 数学
別々のピースがつながってきた。まず一般二項定理については、中村滋さんのレポ-ト「青年ニュートンの一般二項定理の発見(http://iitakashigeru.math-academy.net)から、Newtonのその推論をたどることができるようになった。

ところがそのレポートの中のNewtonがヒントにしたWallisの推論についてあまり中村さんのレポートではもう一つすっきりとはわからなかった。

その部分について梁川頴二(えいじ)さんの著書『新しい解析入門コース』(日本評論社)119-122の「Wallisの大胆な直観」で知ることができるようになった。

この部分のノートをつくっていたのだが、その私のノートには最後の部分が欠けていた。それでその部分がどう書かれているか知りたいと思って、『新しい解析入門コース』を探していたのだが、先週は見つけることができなかった。

昨夜、もう一度探したら、なんのことはない、一度探した本箱の中にこの本を見つけた。それでその終わりの部分を昨夜走り読みした。詳しくは再度読まないといけないがようやく論理がつながりそうだ。

なかなか一つの本からは、その一本の筋は見つけられなかったが、これらを総合してつがりつつある。

堀川さんの本は興味深いのだが、Taylor展開から微積分の話がはじまっている。しかし、Newtonの一般二項定理の話とのはつながりはあまりはっきりしない。ここらあたりをつながりをつければ、もっと興味深い話ができそうだ。

志賀浩二さんの『無限のなかの数学』(岩波新書)にあったNewtonのsin xのarcsin xからのべき級数展開の話もある。これについては私のレポートがすでにある。

さらに、堀川さんの上記の著書によれば、階乗 n! の一般化である、ガンマ関数へとつながるらしい。

これらの共通の概念は補間である。補間などは数値解析ではじめに学ぶ概念だろうが、これが微積分の展開をもたらした、隠れた概念だとしたら、なかなか興味深いと今考えている。

さらに憶測を膨らませば、この補間という概念は複素解析での「解析接続」へとつながる思想であるのかもしれない。これは実数からの複素数への補間であるといえるかもしれない。補間できるだけではなく、それを表す実体としての関数があるという考えである。

ガンマ関数はEuilerが考え出したらしいが、彼は n! を補間したいと考えていたとは、ハイラ―/ヴァンナーの『解析教程』下(シュプリンガー)に一言だけ出ていたが、どうつながるのかわからなかった。これについては堀川さんの『新しい解析入門コース』を読みたい。

どれか1冊の本ではよくはわからなかった話の筋がつながってきた感じである。




Buona Seraは何時ごろから言うか

2022-04-18 21:29:49 | 本と雑誌
Buona Seraは何時ごろから言うか。NHKのEテレのイタリア語講座でマッテオさんが、午後の3時か4時くらいからいうと言われていた。

私の友人のRollaさんは北イタリアの出身であるから、そういう感じでBuona Seraを使っていた。私の感覚ならば、周りが暗くなれば、Buona Seraはおかしくないが、まだあたりが暗くはなっていないのにBuona Seraはおかしいのではないかと思った。

もっともそのときにはもちろんそんなことは言わず黙って聞いていたのだが。マッテオさんは南の出身なのでかなり遅くならないとBuona Seraと言わないので、北の出身の人から、Buona Seraというのではないのと言われたことが度々あるとのことだった。

友人だったRollaさんの感覚がおよそ50年近くたってはじめて、Buona Seraをいう感覚が分かったという次第である。外国語を学ぶのも年季がいる。

それからもう一つ言っておきたいことは、このあいさつは人に会ったときとかには必ずしなければならないということである。お店に入るときにも、人とあったときにも、もししなければ、なんだか変な人だと思われてしまうということである。これについては私にも痛い経験が2度、3度ある。

Boun Giornoと言われたら、かならずBoun Giornoと返すだけではなく、お店に入るときは必ずBoun Giornoといいながら入らなくてはならない。

私はドイツでGuten Tagを言わなくて注意されたというか、腹をたてられたことがある。







疲れた

2022-04-18 21:19:19 | 本と雑誌
1昨日だったか妹が大腿骨骨折を起こし、今日手術日だったので一日病院で付き添いをした。

もし、急に何かが大事が起こったときに身内としては重大な決定を迫られるかもしれないとの覚悟の付き添いであった。

結果的には何事もごともなく今晩はICUにお世話になるので、待機していた身内は各自家に戻った。

こういうこともあるということだ。私にしてもこういうことがあるとは予想を全くしていなかった。

妻が友人や知人から聞いたところでは、それらの人の身内や友人に大腿骨骨折を起こした人がいることも判明して、それほど珍しいことではないこともわかった。もっともリハビリに半年かそれ以上を見ておかねばならないともいう。

気長に行かなくてはいけないらしい。

Wallisの推測

2022-04-16 12:54:24 | 数学
「一般二項定理の発見」のエッセイの入力を昨日から始めた。ところが私の以前につくった、これに関係したWallisの推測についてのある本をフォローしたノートがあるのだが、肝心の終わりの部分が今見たら、はっきりしない。

これではどういう結論になっているのか、「一般二項定理の発見」との関連では問題が解決していないと思えた。それで、仕事場に来てからその当該の本を探したのだが、どこにもない。

ひょっとして自宅にその本を持ち帰ったのかもしれないが、持ち帰った記憶がない。

要するにこういうことだ。Newtonが一般二項定理の発見するのには、先行するWallisの推測があった。その点についてはレポートを書いた数学者の中村滋さんはWallisの推測にはあまり詳しく触れないで、Newtonの一般二項定理の発見について触れている。それで、そういう方向で私も話を進めて来たのだが、やはり気になる。

ところが、そのことに触れた本を見つけてそれをフォローしたノートをつくっていたのを最近見つけたのだが、肝心の最後のところがどうもはっきりノートには書いていない。それで元の本はどう書いてあったのかなということで、その本を探している。

この部分は、いまではWallisの公式と言われるものをWallisが導いた過程をたどりたいということである。どの微積分のテクストにもWallisの公式はsin ^{n}xの定積分公式として与えられているが、こういう方法は現在の知識であって、元の求め方ではない。 




「一般二項定理の発見」のエッセイ

2022-04-14 16:22:54 | 数学
「一般二項定理の発見」のエッセイを書こうとしていたのだが、「遠山啓博士の著作目録」の改訂で仕事にとりかかることができない。

まあ、こういうこともある。気長に行かなくてはならない。原稿の草稿に表をつけるつもりでいたが、それが欠けていたので、昨夜その表の草稿をつくった。

また、いくつかの付録をつけるつもりだが、その一つの付録の原稿をどこかに書いたつもりだが、行く方が分からなくなっている。もしかして書いていないのかもしれない。

このエッセイはすでに前に書いた「sin xのべき級数展開」のエッセイとペアになるべきものである。Newtonの大きな発見の一つに数えられるべきものだと数学史の書には書かれている。


四元数への回顧

2022-04-14 12:59:24 | 数学
以下は、私がこのブログで四元数について初めて書いたブログ(2005.11.9)への今日(2022.4.14の追記)であるが、新しい今日のブログにも記録しておきたいと考えて、コピーした。

何回もこのブログで書いたと思うが、小著『四元数の発見』を修正したいと思いながら、果たせてない。それにその修正部分を含んだ英訳本を書きたいと思いながら、これも果たせていない。

『四元数の発見』の修正部分のいくつかはすでに「数学・物理通信」に掲載してある。が、もっとも重要と考えている、第6章「四元数と空間回転 3」6.3節「直交補空間」の箇所の書き換えはまだ果たしていない。

インターネットで、ここの節が唐突だといった読者はいないが、ちょっと唐突だと思っている。もっともこの節の最初の部分をすこしだけ辛抱して読み進めてもらえば、話の筋は通るようになっている。だからか、特にこの節の書き方がわるいとは思わないのであろう。

それはそれとして、インターネットで検索すれば、けっこう『四元数の発見』に触れて下さっている方々も多くなった。私のいう、発見法的な数学の理解についてもそういうタイトルで四元数のことを書いておられる方も数名出てきた。

まだ数学の発見法的な理解ということに世間の理解が全体に行きわたっているとは言いかねるが、それでも一部には以前よりは普及してきている。

「遠山啓博士の著作目録」の改訂

2022-04-13 13:59:24 | 数学
ここ数日「遠山啓博士の著作目録」の改訂にとりかかっている。

ある数学関係の方が関心を持ってくださって、いろいろデータを送ってくださるので、それにこたえて、この作業をしている。

すでに「数学・物理通信」11巻の号外号に昨年末に発表したのだが、それを情報源にしてくださった方がおられた。

特に、私のあまり知りえないデータを提供してくださるので、改訂版ができれば、この方との共著というか、連名で発表したいと思っているが、作業はなかなか大変であり、すぐには完成はしないだろう。

私にしても少なくとも20年以上の日にちがかかっている。これはいつもこれにかかっていたわけではないという事情もある。

それに基本的には自分で当該の本の奥付を見てその情報を記録するという風にしているのだが、それがすべてできるわけではない。

もちろん、自分で購入できる書籍は購入することもする。ところがこれは別に遠山さんの関係した書籍に限ったことではないが、書籍の奥付でもそのデータが間違っていたりすることもないわけではない。

これはすでに武谷三男の著作目録をつくった経験からすでに知っていたことである。なんでも人間のすることには誤りがつきまとう。

     To err is human, to forgive is divine.
  過ちをするのは人間、許すのは神

と高校の英語でもう半世紀よりも昔に学んだが、まことにそうである。


今日は朝から忙しくて

2022-04-12 17:09:22 | 本と雑誌
今日は朝から忙しくてようやくブログにとりかかっている。

大体、私はブログを書くのが趣味の一つであるから、ブログを後回しにすることは少ないのだが、今日はそうもいかなかった。

そして、昨日もらった手紙にも返事を書いた。これはメールをもたない人だから旧式な普通の手紙である。

妻は「よくラブレターが来たよ」と茶化していうが、もちろんラブレターではない。

それに最近インターネットで知り合った人とのやり取りもある。なかなか忙しい。

土曜日に書いたこと

2022-04-11 13:10:58 | 物理学
「なぜ星で実現している核融合反応が地球上で難しいのか。頭のいい皆さん、考えてみてください」と土曜日に書いた。

これは少し自分の頭でも皆さんに考えてもらうということで、おもわず教師根性が出てしまった。すみません。

答をいえば、恒星ではその質量が大きいために重力が大きく、その力で核融合するプラズマは星の内部とか表面にとどまるのだが、地球上ではそのような大きな重力は核融合反応を起こす物質には働かない。だから、地球上ではむりやり他の大きな力を働かせて核融合する高温のプラズマを閉じ込めなければならないのである。

核融合炉の一番中側の閉じ込めの力は磁場であるが、その周辺には金属リチウムでできた分厚い壁でプラズマを囲むように核融合炉を設計するのだが、その金属リチウムの壁が一年に70センチも熱で蒸発してしまうとか聞いたのももう30年くらい前となってしまった。

いまではもっといい材料ができているだろうか。それとも旧態依然だろうか現状は知らない。

武谷三男・豊田利幸共著の岩波講座『原子炉』ではさすがに核分裂炉の原理について書く前に核融合反応のことに触れてある。これは隠れた名著だという人もいるが、もうちょっと立ち入った説明をしないと私たちには難しいのではないかと思っているが、現在ではあまり原子炉の原理など書いた本に需要はないだろうか。

私の世代の物理屋としての教育の中には原子炉の原理は学ぶということは入っていなかったが、工学部の先任の教授の方の講義に原子炉の原理を教える内容が入っていたので必然的に私もこれを学ぶことになった。もっとも専門家ではないので、さわりだけであるが。






夕方ある方から電話があった。

2022-04-11 13:02:31 | 本と雑誌
昨日、夕方ある方から電話があった。

これ私がある雑誌の編集部に「遠山啓博士の著作目録」についての助力をお願いのハガキを書いたのだが、これについてのメールが届いているかとの確認の電話だった。

こういうことが実際に起こるとは想像していなかったので、ちょっとあわてて応対がまずかったかもしれない。

私はあまり人つきあいのいい方ではないので、別に悪意はないのだが、ちょっとつつけんどんなことがある。

もしそういう風な印象を与えたとするとお詫びするしかない。



日曜日は完全に休む

2022-04-11 12:53:47 | 本と雑誌
日曜日は完全に休む。世の中のハードワーカーの方には日曜だって猛然と働くことも多いと聞く。

しかし、私は日曜日はインターネットも何もしない。昼中には妻がテレビを見たがるときもあるので、しかたなくつきあうこともあるが、できれば、何もしない方を好む。

もっとも昨日は仕事というほどではないが、桜の木の葉に殺虫剤を振りかけてくれとのことだったので、数分その噴霧をした。

桜の木はもう私の背丈よりは高いので、なにか踏み台を持っていけとか言われたので、その通りもっては行ったが、別に使う必要はなく、噴霧した。

もっともこの殺虫剤が終わりの方だったと見えて、噴霧できなくなった。また新しい殺虫剤を買って来なくてはならない。

星のエネルギーを使う

2022-04-09 13:42:37 | 物理学
これはある方のブログのコメント欄に書いたものである。

Kさんがいう、星のエネルギーを使うとは核融合エネルギーの利用ですね。

星といっても自分で光っているいわゆる恒星(一番身近な例は太陽)はその光とかは核融合エネルギーから来ています。

ですが、そのときに地球上では核融合する核物質を狭い場所に閉じ込めておくことが難しいから、核融合は極めて短時間を除けば、実現していないのです。なぜ星で実現している核融合反応が地球上で難しいのか。頭のいい皆さん、考えてみてください。

ついでに、原発は核分裂反応をもとにしています。原子核物理学では原子核からエネルギーを取り出す方法として、核分裂反応を利用するか、核融合反応を利用するかはよく知られていることです。

核融合のある専門家によれば、地球上での核融合反応も実験的には実現しているのだが、その核融合する核物質を閉じ込める材料を材料屋がつくっていないからいけないのだという風な話をこれは30年くらい前に聞きました。

だけど、それはやはり実用化できてないってことですよね。ちなみに極高温のプラズマを閉じ込めるためには、強力な磁場を使います。

それでも1マイクロ秒とか1ナノ秒とかしかいった短時間しかプラズマの閉じ込めが実現していないのが現実です。

私の学生のころは20世紀中に実現するかといわれていたですが、今に至るも実用化はされていない。注釈をつけておくと私の学生時代は1960年代の初頭です。

これは核分裂反応を利用する高速増殖炉もそうですね。こちらも実用化の目途はまったくたっていない。

ドイツ語の会話の実状

2022-04-09 12:34:36 | 外国語
普通のドイツ語の会話ではないが、いつもドイツ語のクラスで自分に起こったこととか世界で、または日本で起こったことを話すことを要請される。

これは、いつも決まったルーチンなのだが、いつもしどろもどろなのである。なかなか自分の思ったことをドイツ語で表現するのにいつも苦労する。ルーチンなので、前もって準備しておくといいのだが、そういうことはしたことがない。

達意のドイツ語を理想とすれば、まだ20%くらいの到達点ではなかろうか。用語だってそういうときに使うべき用語などうまく使えたことがない。要するにドイツ語の語彙が少ないのである。ましてや気の利いた言い回しなど使えたことがない。

大体その日に話すつもりなどの予定もあまりしたことがない。それでいつもしどろもどろなのである。「お前はいつも自分がドイツ語通だと言いまわっているが、実力はあまりないんだな」と思ってもらってもいい。それくらい日ごろのことをドイツ語にするのに、いつも苦労しているのである。

他のメンバーが前もって準備されているかどうかは聞いたことがない。他の人はなんとか無難にこなしておられるので、お前が一番程度の低い参加者であろうと思われるかもしれないが、トップの実力ではないかもしれないが、ビリの実力でもないと思っている。要するに、みなさんそれぞれにドイツ語の力は相当なものである。これはいわゆる専門家ではない者としては、ということである。

TGUのドイツ語の教授である、Fさんなどの会話力と比べるとまさに月とすっぽんである。3月末にこのFさんが松山に来られる機会があったので、久しぶりに数人の友人や知人と会食をした。私の外はみんなドイツ語・ドイツ文学の研究者であった。

私は一人こういう分野とは関係がない、いわば部外者であった。




sin xのべき級数展開のエッセイ

2022-04-08 17:35:45 | 数学
sin xのべき級数展開のエッセイの改訂をしていたが、ようやく一区切りがついた。とはいっても難しいのはこれからであろうか。

昔のエッセイは2011年に書いていたが、それをもう少しわかりやすくしたつもりである。数値計算はかなり面倒であったが、分子がようやく1となってうまくx^{9}の項の係数が1/9!となって計算が合った。

まあ、これは少し時間をおいてから見ないといますぐには頭が固定化されていて、ミスには気がつかないだろう。

これでつぎの一般二項定理のエッセイに移っていける。一般二項定理のエッセイの草稿は2月だったかに書いていたのだが、3月は「数学・物理通信」の発行で忙しくて、まったく入力できなかった。

これもNewtonの発見したものである。一般二項定理も微分が一般になっているいまではその成立を疑う人もいないし、Newtonが初めて導いた面倒な方法で導く必要もないのだが、東京海洋大学名誉教授の数学者・中村滋さんのエッセイに触発されて書いたものである。