【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

埋蔵金50兆円!「10年かけて外貨準備高半減も」民主党の大塚耕平・政調副会長(日銀出身)

2008年10月02日 23時36分11秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め
 民主党政調副会長・金融対策チーム座長の大塚耕平さん(参院愛知選挙区)が重大発言。
 ロイター電によると、民主党金融対策チーム座長の大塚耕平さん、事務局長の大久保勉ネクスト金融担当副大臣(モルガン・スタンレー日本法人重役出身)らは2日、財務省国際局為替市場課(財務省4階東側=桜田通り側)を初めて視察しました。


[大久保勉さん]

 国の特別会計予算書には財務省所管の外国為替資金特別会計(外為特会)があります。外為特会はすなわち外貨準備高のことです。

 中国のそれに抜かれましたが、世界最高水準の日本の外貨準備高は大半は米ドルの米財務省証券で持っているようです(予算書にその旨の記載はありません)。

 日本は貿易立国で島国ですから外貨準備高は大事ですが、100兆円(円換算)が今の時代に必要かどうか?

 大塚さんは「20%の比率を10%に半減することをターゲットに10年の計画は十分に立てられる」と発言したそうです。

 当エントリーで間の説明をすべて端折ります。私を信用してくださる方だけに結論だけ書きます。

 大塚さんの発言は、政権交代後の10年間で、外貨準備高を100兆円→50兆円に減らそうという考えを示した物です。

 ということは10年間で単純計算で毎年5兆円ずつ外貨準備高取り崩し分を「埋蔵金」として使えることになります。これとは別に毎年4兆円近い利息も使えます。取り崩していくので、少しずつ利息は減っていきますが。

 大塚さんは毎年5兆円という発言はしていません。政府がドルを売って、円を買うと、円ドル外為相場を大きく変調させます。十分な用心が必要ですが、可能なオペレーションです。

 というわけで、50兆円の埋蔵金が登場しました。これとはまた別に、利息(運用益)の積立金が19兆円余りと財務省が認めています。

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◎「財源の裏付けがない」は自民党のデマであることを証明します(9月30日付)

【衆院よ、参院に任せろ!】民主党がリーマン問題などで金融庁、日銀、財務省から聞き取り(9月17日付)

外準規模は大きすぎ、GDP比10%まで削減を=大塚・民主金融チーム座長 

 [東京 2日 ロイター] 民主党の大塚耕平・金融対策チーム座長は2日、財務省の視察後に記者会見し、外貨準備の規模が大きすぎるとした上で、現状で国内総生産(GDP)比で約20%に達する外貨準備の規模を、約10年間で10%程度まで半減を目指すべきとの考えを示した。



 大塚座長ら金融対策チームは同日、外国為替資金特別会計の実態と運用の実情の把握するため財務省為替市場課を視察した。いわゆる「埋蔵金」を財源として活用することを視野に、1)外貨準備の規模の圧縮、2)外貨準備の運用の透明性--について財務省から意見を聴取した。視察には、菅直人代表代行も同行した。



 財務省視察後に会見した大塚座長は、米欧に比べて日本の外貨準備高の対GDP比が高すぎると強調し「20%の比率を10%に半減することをターゲットに10年の計画は十分に立てられる」と述べた。ただ、大塚座長は、ドル売り・円買いを「いますぐ大々的にやることは必ずしも適切ではない」とも述べた。

(後略)

首相、「世論は解散より景気」として解散先延ばしの方針

2008年10月02日 17時46分59秒 | 第170臨時会(2008年9月~12月)麻生兵糧攻め

 総理大臣のイスは座り心地がいいようです。

 麻生首相はきのう10月1日のインタビューで「解散より景気対策の方が圧倒的に世論の支持が高い。(世論は)補正予算は織り込み済みで、『さらに』という声が出てくるのではないか」と述べました。

 きょう10月2日夕の衆院予算委員会で2008年度第1次補正予算案を財務相が趣旨説明→審議入りします。これを成立させたうえで、さらに解散を先延ばす。第2次補正予算案を編成→提出→審議→成立させるまで解散しないということを示唆したと受け取れます。この場合、総選挙は12月以降になる可能性もあります。場合によっては年越しもあり得ます。なにせ、解散は憲法7条に基づき、実質的に麻生首相一人の判断に任せられますから、「来年9月上旬解散」という恐ろしい日程も麻生さんのさじ加減で可能なのです。

 自民党政府による第1次補正→第2次補正という“つぎはぎ戦術”よりも、政権交代による予算の総組み替えの方が有効な景気対策です。

 ◇

 ところで、思いっきり話が転じるようで、やはり「政権交代による予算の総組み替え」が有効と感じる記事を読みました。

 (読売新聞の記事を基にして書かせてもらいます)

 1日、日本銀行大阪支店が発表した近畿2府4県の短観は全国平均以上に厳しい先行きでした。その近畿にある人口9000人の自治体(町)の職員採用試験で変化があったというのです。

 9月17日付読売では、「町の職員採用試験、競争率30倍 過去最高、応募条件緩和で人気」という2段見出しの記事が出ています。

 町は16日、職員採用試験の応募を締め切り、一般事務職員3人の募集に対して90人の応募があった。競争率30倍は、過去最高という。
 町によると、昨年は募集3人に対して応募は5人、一昨年は募集3人に32人が応募した。今年は、本人か親、祖父母が町内在住で大学新卒としていた昨年の応募条件を緩和したため、応募者が急増したとみられる。16日付消印も有効のため、最終的な倍率はさらに上がる可能性もある。
 町総務課では「驚いている。大勢のなかから、より優れた人材を確保したい」と話している。


 とのこと。で、この記事は反響が高かったようで3日後にベタ記事でしっかりと確報を載せています。
 
 町は19日、職員採用試験(募集3人)の競争率が、最終的に40・7倍になったと発表した。16日に締め切ったが、同日付消印は有効としていたため、郵送で32通が届き、応募者は計122人と過去最高になった。一次試験は10月19日、二次試験は11月16日に行われ、採用は来年4月の予定。


 このご時世に、自治体の採用試験が競争率1・6倍→40・7倍と前年比25倍に急増したというのです。

 まずは活気(ダイナミズム)が出ます。それからこの町では、ここ数年、採用を抑制していたので、20歳代の職員が少ないようで、新卒限定を外したことで、年齢層のバランス化が可能となります。他の職種を経験した人も応募できるのもメリットでしょう。本人か親、祖父母が「9000人の自治体」在住を義務づけるということになると、役場の職員に(遠い)親戚がいるのがふつうです。このため、「
コネ採用しかないと考えて、初めから応募を控えていた人もいるようだ」と同町首脳は考えていました。

 応募条件を変えたほかに、この自治体で今年2月、全国最年少首長(34)=当時=への政権交代があったことも、近畿全域に同町の知名度を高め、関心を呼び込む格好となったようです。

 人件費の歳出総額(=税金)は同じでも、政権交代で流れを変えるとまちの姿も随分変わるようですね。

 自治体はデモクラシーの学校です。

 志のある若者がいて、その目が輝いている限り、国やまちが潰れることはありません。

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政府・与党、衆院選先送り論が浮上=麻生首相「世論は解散より景気」(時事通信) - goo ニュース

 政府・与党内で1日、11月上旬が有力だった次期衆院選の投開票日が年末や来年始めまで先送りされる可能性があるとの見方が浮上してきた。世界的な金融危機が広がる中、政治空白を避けるべきだとの声が強まったためだ。麻生太郎首相が景気対策優先の姿勢を鮮明にしていることも背景にある。首相は2008年度補正予算案に対する民主党の出方などを見極めて最終決断する方針だ。

 首相は1日夕、首相官邸で記者団の質問に答え、「(衆院)解散より景気対策の方が圧倒的に世論の支持が高い。(世論は)補正予算は織り込み済みで、『さらに』という声が出てくるのではないか」と述べ、追加景気対策の策定に前向きな考えを表明。各党代表質問の答弁でも「必要に応じ、さらなる対応を弾力的に行っていく必要がある」と述べた。