住友を甘く見たパフォーマンス大臣が閣外に去りました。
「太郎会会長」として麻生内閣を実現し、総務相に収まった鳩山邦夫(福岡6区)は昨年10月の選挙情勢調査を目にして愕然としたでしょう。
自民党調査では福岡6区は、10月15・16日調査では、「与党38・42%vs野党37・15%」でしたが、10月25・26日の再調査では、「与党32・36%vs野党39・10%」となりました。
民主党調査では、福岡6区は古賀一成さんが6月7日調査で「12・6%リード」、10月12日調査で「13・9%リード」。
前回と異なり、第45回衆院選では古賀さんが小選挙区を奪還するのが濃厚な調査結果ができました。
そうして迎えた2009年1月からの通常国会。TV入りの審議中継では、官僚の答弁書には目もくれずに、自分の言葉で5分以上の時間を使って、とうとうと答弁する姿が目立ちました。閣僚としてTVを使ったパフォーマンスで起死回生を狙ったのは想像に難くありません。
鳩山総務相は西川善文・日本郵政社長との対立を演出し、茶の間の喝采を浴びましたが、これはあまりにも甘い。
日本の国家予算は年100兆円ですが、日本郵政グループの資産は300兆円を超えます。300兆円が国から民間にスピンオフしたのが小泉自民党による郵政民営化です。この流れを逆にしようしたのです。これを人間に例えると、血液の循環を逆にしようという話です。心臓から静脈に血を流すとどうなるか?直接的な表現で申し訳ないのですが、あっという間に静脈瘤ができて、破裂するでしょう。すなわち自民党は即死です。
郵政民営化見直しは政権交代による国民新党、民主党、社民党の連立政権でなければできるわけがないのです。
住友、小泉、経団連を敵に回して、味方はテレビカメラだけ。この状態で鳩山邦夫さんが勝てるわけがありません。私が麻生首相だったら、なりたくありませんが仮に麻生首相になったと仮定すれば、更迭は当然です。閣内不一致の場合は辞めるのが首相でなく閣僚であるのは自明の理。
住友を甘く見た当選10回のパフォーマンス大臣。民主党を離党して出馬した1999年東京都知事選惨敗の窮地を救ってくれ、福岡に選挙区を与えてくれた自民党への恩を仇で返したお坊ちゃん政治家。選挙区で名刺を配らず、東京の飲食店で初めて会う店員に名刺と称してお札を配る(この行為は選挙区外なので、公選法違反ではない)。地元回りを怠ったツケは、政治家として取り返しのつかない大失態へとつながりました。
佐藤勉さんが総務相(兼)国家公安委員長という強い権限を持つことになりました。これは田舎では効きます。栃木4区では、小沢側近の山岡賢次国対委員長が、小選挙区導入以来、佐藤さんに4連敗し、4連続復活当選しています。佐藤さんの総務相就任で、山岡さんの小選挙区初当選は黄信号から赤信号に変わったのではないでしょうか。山岡さんには公認さしかえの話がでません。小沢さんは本当に身内に甘いです。
鳩山総務相が辞任 郵政社長人事めぐり引責(朝日新聞) - goo ニュース
鳩山総務相は12日午後、日本郵政社長人事をめぐる混乱の責任をとって、麻生首相に辞表を提出した。鳩山氏は同日午前、首相官邸で首相と会談した際、西川善文社長の続投を条件付きで認めるように説得を受けていた。首相による事実上の更迭とみられる。衆院解散・総選挙を前に、首相が指導力を発揮できず問題が長期化したことで、今後の首相の政権運営に大きな打撃となるのは避けられない。
後任は佐藤勉国家公安委員長が兼務する案が有力視されている。