日経平均株価が1万円台を回復しました。実態経済とは乖離していますが、製造業が買われており、世界に通用するものづくり企業の株を安いうちに買っておこうという認識が国内外に広がっているようです。
岡田克也さんが今年1月1日号の雑誌で、株価の回復を予言していたことをご紹介します。
これは「エコノミスト 投資の達人 2009年1月1日号」という雑誌での対談です。この中で、「勝負事や投資で勝つために必要なこととは?」との質問に、「人の逆をやること。仮に今、政治家でなければ株を大いに買いたいですね」と答えています。
1月1日号ですから、対談の時期は昨年11月下旬~12月上旬でしょう。
当時の日経平均は11月は8512円27銭、12月は8859円56銭でした(月中平均=日本銀行ホームページより引用)。
岡田さんが言うとおり、「大いに」株を買ったら、それから半年で2割アップ、年率換算にすると、40%ぐらい、税金や証券会社に払う手数料を除いても年利30%ぐらいの儲けになったことになります。
岡田さんは通産省出身ですし、四日市工業地帯が地元ですので、企業回りをしっかりやっています。業種を選び、企業も選べば、年利30%をはるかに超える利益を得ることができたでしょう。岡田さんの先見の明にはいつも驚かされます。
岡田さんが「大いに買いたい」とも断言したのは、9月のリーマン・ショックによる“100年に1度”(首相)の金融大恐慌の底が見えたと、昨年11月~12月の時点で判断していたにほかなりません。
でも岡田さんは「政治家でなければ・・・」と言ってますので、株は買わなかった。が、三重3区の対抗馬の自民党現職(比例復活)の平田耕一さんは、内閣のルールに違反して、株式を大量に売買し、3月、参院の予算審議中に財務副大臣を辞任する事態になりました。同じ政治家でも自らを律することができる人とできない人がいます。
さて、投資情報雑誌とはいっても、対談の主題はもちろん「政権交代」。小見出しは「政権交代目指して15年」。「自民党はどうしても変わらない」という岡田さんに対談ホストは「この対談シリーズに出てくれた長妻昭さんや馬淵澄夫さんらも『自民党では変えられない』と言っていました」と賛同。
岡田さんは、小沢代表(当時)について、「決定的に対立したことは、新進党分裂の一瞬を除けば基本的にありません」としています。「岡田さん個人として、自民党を出てから目指してきた政治とは何ですか?」との問い。岡田さんは「やはり“政権交代のある政治”です」という15年間ただの一日もぶれたことがない信念を披露します。
岡田さんが、「私の中では政権交代はゴールでない。定期的に政権がかわるような政治をつくるためのスタートです。(民主党副代表である)私の立場としては民主党の時代がなるべく長い方がいいとは思いますが、現実には長ければいろんな弊害も出てくる」と話すと、ホストは「ウハハハハハハ。そうですか。政権交代による民主党の長期政権を望んでいるわけではないということですね」と受けます。
4頁にわたる会談を終えたホストは編集後記で、「ただ、何度聞いても腑に落ちない点が。それは二大政党が交互に政権をとりあうのが、腐敗の抑止力になるという話。たしかに有権者にとってはそれが理想ですが、そこは『民主党にずっと任せてもらいたい』と言うべきでは……。パフォーマンスでも、そこは権力に執着してほしいです」と感想を述べています。
ちなみにこの対談のホストは松竹芸能所属の毒舌芸人の北野誠さんでした。
ご存じかと思いますが、北野さんは4月、「芸能界無期限謹慎」となり、レギュラー番組はすべて打ち切り・降板となってしまいました。人気商売ですから「無期限謹慎」というのは、かなり芸能界追放という意味合いが強いと考えられます。
一方の岡田さんは5月、民主党幹事長として、4年ぶりに執行部に復帰し、国民的な人気は高まっているように思います。「政界は一寸先は闇」と言いますし、芸能界も同様でしょうが、半年足らずでなんともハッキリ明暗が分かれてしまいました。
北野さんは以前、番組内で創価学会芸能部の山本リンダさんの写真集を茶化し、山本リンダさんらが猛抗議し、謝罪したことがあります。しかし、その後も一層の毒舌で、スターダムを不動の物としていました。生き馬の目を抜く芸能界で手に入れた地位は絶対に手放せない。北野さんはそう考えていたでしょうし、それは当然です。北野さんは、政権交代しても民主党長期政権ではなく「政権交代可能な二大政党デモクラシー」は何度聞いても腑に落ちなかった。
私自身最近気付いたのですが、「政権交代ブロガー」というのは定着して、拙ブログも最近はその代表の一つとしてご紹介いただくことも多くなりました。が、「政権交代可能な二大政党デモクラシー」を打ち出しているのは、拙ブログだけではないでしょうか? 最近「二大政党制という考えは違いますが、政権交代という同じ目標に向かって頑張りましょう」というメールを“代表格ブロガー”からいただいて、「あれ?」と思いました。どうやら「二大政党制」という言葉の中に、第3党の存在を排し、少数意見を切り捨てるというイメージを持っている方が大半のようです。
まっすぐに、ひたむきに。政権交代可能な二大政党デモクラシーは岡田さんにとっても、僕にとっても長い道。
どうかスタート(政権交代)だけは早く、最も近い総選挙でスタートを切らせてほしい。これだけはよろしくお願いしたいと思います。