ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

「西川社長の辞任を求める集会」25日、集中審議も要求 日本郵政

2009年06月23日 17時32分13秒 | 第171通常会(2009年1月~)自民党追い込まれ

 民主党ニュースによると、民主党、社民党、国民新党の国会対策委員長は23日国会内で会談し、日本郵政の西川善文社長の続投を政府が内定したことについて、集中審議を衆院、参院の予算委員会で求めることを決めました。ただし、衆院予算委は与党が3分の2を占めていますし、ねじれ国会の参院でも予算委員会の委員長は自民党から出ていますので、難航が予想されます。会談には今国会で郵政民営化、とくにかんぽの宿の追及チームの一人として活躍している川内博史さん=国会対策副委員長=も参加しました。

 29日(月)の株主総会を前に、25日に、「西川社長の経営責任を問い、辞任を求める緊急集会」を開くことも決まりました。

 ひとつ、世間に誤解があるようですが、株主は株主総会で社長を解任することはできません。株主総会は取締役を選ぶ場であり、株主総会終了後の取締役会が社長らを互選する形式になります。ですから、日本郵政の100%株主である国(与謝野財務相)は、西川さんを取締役から外さないと、社長からも外すことはできません。

 政府・自民党は西川さんに会長を打診したようですが、西川さんは「高木祥吉副社長(昭和46年大蔵省採用)の社長昇格」を条件にしたため、「官僚出身者を社長にはできない」との都合でご破算になったようです。西川さんが高木さんを社長に据えたいのは、総務委員会などの答弁を聞いていると納得できます。今後の焦点は横山邦男専務ら西川さんの出身企業(三井住友銀行)から連れてきた「チーム住友」の取締役再任に移りつつあります。

 とはいえ、やっと郵政見直しも世間の関心を呼びようになってきたし、国会での残り法案が少なく、民主党の情報発信力が落ちてきている時期ですから、良いアイディアだと思います。正直、西川社長を辞めさせることは、郵政民営化見直しの本質ではないと思います。多少、”抵抗野党”という感じがしますが、選挙が近くて国会が暇ならば、このくらいの抵抗野党ぶりは国民に対立軸を示すために必要だと思います。

 民主党の中堅幹部3人が協力して、日本郵政に関する「隠し球」を用意しています。弾を込めただけで、まだ“発射”していませんが、その前に解散になったらムダになりますので、ぜひ集中審議を設定したいところです。

民主党:日本郵政社長続投問題の集中審議、西川社長の辞任を求める緊急集会開催 3野党国対委員長会談で合意

 民主党はじめ、社民、国民新の野党3党の国会対策委員長会談が23日午後国会内で開かれ、日本郵政の社長続投問題での集中審議を衆参の予算委員会で求めること、25日に「西川社長の経営責任を問い、辞任を求める緊急集会」を開くことで合意した。

 会談後、記者会見した山岡賢次民主党国対委員長が明らかにしたもの。また、山岡委員長は、日本郵政の株主は国民で、殆どの国民は「かんぽの宿」売却に反対であり、国民、株主の声を聞くのが筋であり、(日本郵政が)自分たちで決めていいというのは、本質をずらした話であり、また、この問題を株主総会の29日を待たずに、事実上昨日決めたことは理不尽な話との指摘が会談の中であったことも明らかにした。

 他に、労働者派遣法の改正案を3党で衆院に提出すること、生活保護の母子加算復活については、必ず参院で法案を可決させる固い決意で臨むことでも合意した。

 会談には、山岡委員長のほかに民主党から安住淳国対委員長代理、川内博史国対筆頭副委員長、社民党から日森国対委員長、保坂副幹事長、国民新党から糸川国対委員長、長谷川参院国対委員長が参加した。

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