藤村修・官房長官が11日午後の記者会見で、「第180通常国会は2012年1月24日(火)召集」との認識を示しました。これを受けて、「今後の政治日程 by 下町の太陽・宮崎信行」を更新しました。平成24年2012年1月24日(火)召集だと、会期末は6月21日(木)になります。
国会法1条は、通常国会の召集詔書は10日前までに官報に掲載することを定めています。1月13日(金)の定例閣議に全閣僚出席の命令が下っており、外国訪問の日程をずらした閣僚もいます。この場で、全閣僚の辞表をいったん集め、野田佳彦首相が内閣改造に踏み切ると考えられています。このときに、同時に召集詔書を閣議決定する段取りだと想定されます。解散含みの大事な通常国会を迎えるうえで、いい緊張感を持った日程感だと考えます。
年明けにいろいろな所感を聞くと、大変に経済は厳しい状況にあります。私としても、数え6年目を迎えるこのブログの運営に関して、なかなか資金的な余裕がなくなってきて、先行きが見えない状況です。正直、そろそろ止めようかと考えていました。ただ、ここに来て、報道として「岡田副総理・行革相」という話も出てきて、もうちょっと頑張れば、新しい見場が見えてくるかも知れないと考えております。
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[画像]定例官房長官記者会見の藤村修さん、2012年1月11日、政府インターネットTVからキャプチャ。
藤村修さんは、2012年1月11日(水)午後の内閣官房長官会見にのぞみました。この中で、民主党最高顧問の岡田克也さんから、週に1回か、2週に1回、アドバイスを受けているとしました。そして、「年末に、『3党協議ちゃんと進んでいる?』と聞かれました」とし、「3党合意を順に読み直すといくつか残っている案件がある」と合意したことを明かしました。
これを聞いて、「城島光力さんを国対委員長に」という報道が出ている理由が、「なるほど!」と分かりました。
8月9日の3党合意。小沢グループの罵声を浴びながら、岡田さんが最高顧問に退き、輿石東幹事長、前原誠司政調会長、平野博文国対委員長らにバトンが受け継がれました。ただ、民主党およびマスコミの解釈がおかしい点が多々ありました。たとえば、農業戸別所得補償。これについては、「12年度以降の制度のあり方については、政策効果の検証を基に、必要な見直しを検討する」となっています。ですから、12年度当初予算の政府原案の後も、決算の数字などを使って、政策効果を検証し続けるものだと考えます。これについては、岡田側近の元農水副大臣、郡司彰さんが担当しました。しかし、参院国対委員長をやったことがある郡司さんは、やさしい性格もあり、衆院3党の激しいやりとりにはサジを投げてしまうような結果だったようです。しかし、12年度以降の検証はこれからですが、新聞では「決裂」と見出しが立ちました。
岡田さんはこれらを3党協議路線に戻そうと、総理の野田佳彦さん、官房長官の藤村修さんに言っているようです。ちなみに第2期幹事長時代は野田幹事長代理、第3期幹事長時代は藤村幹事長代理でした。
野田代表(総理)が平野博文国対委員長を更迭する方針だそうです。当然です。そしてその後任に、城島光力さん(神奈川10区)の名前が上がっています。城島さんは、岡田幹事長、玄葉光一郎政調会長、とともに3党協議に臨みました。実務者協議として、自民党の政調会長代理、鴨下一郎さん、公明党副代表の坂口力さんと8月9日の3党合意をつくりました。岡田さんが執行部から外れ、玄葉さんが外相になるので、3党合意を知っている人が党に残る必要ができ、城島さんは初入閣できずに、民主党幹事長代理ということで党に残ったのだと私は理解していました。しかし、どうも城島さんの力が生きていないような気がします。城島さんは、野田さん、藤村さん、岡田さんと同様に、新進党出身ですので、民自公3党協議にはうってつけの人材です。どうも民主党は嫉妬や妬みで人を生かせない体質のようです。
[写真]城島光力さん
[写真]岡田克也さん、昨年の党大会。
また、一部報道では、岡田さんが副総理となり、税と社会保障の一体改革担当大臣、行政改革担当大臣などを兼ねるという案が浮上しているようです。現在、税と社会保障の一体改革担当大臣と経財相を兼ねる古川元久さんが愛知2区に河村たかしさんが出馬する可能性が浮上しており、古川さんは地元に帰りたいという希望があるかもしれません。元々、名古屋市長選には連合(自治労)の顧問弁護士が立つ流れになったところを、国会議員団で最初に河村支持を打ち出して流れを変えたのは古川さんなのに、恩を仇で返された気になるでしょうが、やむを得ません。
そして、仮に岡田さんが副総理で、公務員制度改革担当大臣になった場合には、国民のみなさんにお願いがあります。全国5万人の国税庁職員が給与削減を迫られた場合、全国の国税局所属の国税査察官が意趣替えしで、上場企業である、イオン、イオン九州、イオン北海道、イオンモール、イオンディライト、イオンファンタジーなどを税務調査し、細かいどうでもいいことを、暇な地元の新聞記者にリークする嫌がらせにでるかもしれません。岡田さんはイオン株式会社の株主(12万株、時価1億円強)ですが、経営にはタッチしていません。ちなみに、「イオン」が過半数を占める筆頭株主である各社を上場させることにより、マーケットから直接資金を調達するという手法は、日本独特で、トヨタグループも同じ方法をとっています。ただ、トヨタ車体、セントラル自動車、関東自動車工業が次々と完全子会社になります。イオンは伸びているうちは、孝行息子を世に出して、資金を調達するのでしょうが、いずれは親元にかえすかもしれません。なお、所有不動産が田舎にあることもあいまってでしょうが、イオンは社債の格付けは、イトーヨーカ堂などに比べると低いようです。それはどうでもいいのですが、例えばゲームセンター経営のイオンファンタジーを調べて、例えば社長交際費で韓流芸能事務所関係者と会食があったなどという税法上問題ない話がリークされて、「イオン岡田韓流ファンタジー」などというくだらない見出しを立てる新聞、雑誌はみんなで無視しましょう。日本はもう余裕がありません。
個人的には、岡田さんには閣外から大所高所で見てほしい気がします。それと、人材育成ですね。おそらく定数削減の中に、そういう意味合いも含まれているでしょうが、小沢さんのように丸ごと面倒をみるのではなく、力のある人を選別して育てる岡田さん。年明けに感じるのは、わが国経済の失速はかなりの重症です。ある新聞が岡田さんのことを、「ことしもう59歳」と揶揄しましたが、「まだ59歳」です。この新聞社は余裕がない人が多いんです。岡田さんは、第46回衆院選に前後して、力のあるご家来衆をつくって、しっかりと次を見すえていってほしい。
◇
今年初めて、3党合意を載せますので、よく読みましょう!よく読まないとハプニング解散になっちゃうかもよ。
2011年8月9日(火)の民主党、自民党、公明党の3党合意文書。
民主、自民、公明の3党は、以下の点について確認する。
一、歳出の見直しについては、以下の通りとする。
高速道路無料化については12年度予算概算要求において計上しないこととする。
高校無償化、農業戸別所得補償の12年度以降の制度のあり方については、政策効果の検証を基に、必要な見直しを検討する。
なお、これらを含めた歳出の見直しについて、11年度における歳出の削減を前提に、11年度第3次補正予算ならびに12年度予算の編成プロセスなどに当たり、誠実に対処することを確認する。
一、歳出の見直しと併せ、子ども手当等の見直しによる歳出の削減について、11年度補正予算において減額措置することを、特例公債を発行可能とするための法案の付則に明記する。
一、法人税減税等を含む11年度税制改正法案(その内容を一部切り出して6月22日に成立した法律にあるものを除く)については、復興のための第3次補正予算の検討と併せ、各党間で引き続き協議する。
一、東日本大震災復興基本法第8条に規定する復興債の償還財源の具体的内容や償還ルールなど、あらかじめ決めることとされているその償還の道筋については、第3次補正予算の編成までに、各党で検討を進める。
一、11年度第1次補正予算における財源措置として活用した年金臨時財源については、第3次補正予算の編成の際に、復興債で補填(ほてん)することとし、そのための財源確保策と併せて、各党で検討
する。
一、以上を踏まえて、特例公債を発行可能とするための法案について速やかに成立させることとする。
以上、確認する。
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日本の新しい地平が見えてきました。
消費増税準備法案(第180通常国会の3月に閣法で提出予定)。
民主党代表で首相の野田佳彦さんは2012年1月5日(木)、「野党の皆さんには、2012年はより一層、政局よりも大局に立っての決断をお願いしたい。そうすれば必ずや困難を乗り越え、日本の政治は前進できる」としました。党幹事長代理の城島光力さんは、「(第46回衆院選後の与党が)民主党であれ自民党であれ、新しい政権が最終決定権を持つ」と語りました。
消費増税準備法案は、衆院財務金融委員会(海江田万里委員長)に付託されます。平成24年度の特例公債法案(第180国会に閣法で提出予定)とあわせて、政権の命運を左右する筆頭理事。与党側は、寺田学さん、野党側は山本幸三さんということになりそうです。
寺田学(てらた・まなぶ)さんは秋田1区(秋田市)選出の当選3回生です。元々寺田家は同じ県とはいえ、横手市の名門。前知事の息子とはいえ、寺田さんは世襲議員ではありません。
その寺田さんが4日付朝日の1面「カオスの深淵 壊れる民主主義」の第3回でインタビューに答えています。
[朝日新聞「カオスの深淵」第3回から引用はじめ]
民主党は前と次の総選挙に呪縛されて動けない。マニフェストにない消費増税に選挙に弱い民主党議員は抵抗し、参院で多数を握る野党は衆院解散を求める。菅政権は党内の反発と野党の攻勢が結びつき、命脈が尽きた。野田政権も同じ道を歩むのだろうか。
菅政権の首相補佐官だった寺田学衆院議員(35)は「民主党は集団討議をまとめるルールが根付いていないから厳しい」とこぼし、視線を下野後に移す。
「民主党が野党時代に最初に仕掛けたから、自民党がやり返す。どっちが先に水に流すかでしょう。次に民主党が下野してどんなルールをつくるか。そのときは真摯で前向きな野党をやりたい」
鳩山由紀夫氏、菅直人氏、小沢一郎氏ら、1990年代以降の政界再編や政権交代を主導した立役者の時代は終わった。バトンを継ぐ新世代の政治家たちは、別の地平を見始めている。
[引用おわり]
寺田さんは野党時代、総務委員会の理事を務めていました。総務委は地方税法改正案、地方交付税の総額を定める法案など、予算関連法案(日切れ法案)を扱う、前半国会では予算委、財金委につぐ重要な委員会です。野党時代の寺田さんは、衆院本会議散会後に、身長がおそらく187センチの大きな体躯で与党・自民党理事を追いかけて、委員会の設定の打ち合わせをしました。逆のパターンはまだあります。与党理事が野党理事を追いかけて、野党理事に逃げられ、審議拒否。しかし、寺田さんは責任感が強いようで、与党理事を追いかけていました。
今回の寺田さんの財金委筆頭理事起用には、いくら前総理補佐官とは、3回生だと、与党に居留守を使われるのではないかと懸念する向きが、他の重要委員会の筆頭理事周辺になくはありませんでした。しかし、第179臨時国会で、第3次補正予算関連法案に、3党協議にもとづく衆院段階での修正を加える姿に信頼感が大きく増しています。
財金委には、消費増税準備法案より前に、平成24年度の特例公債法案が付託されます。まずはこれをどうするか。一般質疑を含めて、まずは審議時間をしっかりと積み重ねていかないと、党幹部間で話し合いがあっても、現場で通せないことになりかねません。
寺田さんの名前は6日付朝日の3面にも登場します。昨年来ブログ界でも話題をよんでいる「プロメテウスの罠」の官邸5日間の第4回」です。ここでは、総理補佐官(当時)の寺田さんの回想が載っています。3月14日の午後8時過ぎ、官邸5階の官房長官執務室に行くと、海江田万里経産相の秘書官が、「東電からお電話です」。経産相が「もういいよ、それは。断った話だから」。寺田さんが「何の話ですか?」「東京電力が原発から撤退したいと言っているんだ」。寺田さんが「大臣、そんな大事な電話ならちゃんと断った方がいいんじゃないですか」と差し向けると、海江田氏が東電社長に「残っていただきたい」と言ったそうです。
海江田さんは団塊の世代で選挙が弱くどうしても八方美人的性格で、ハッキリと断ることができなかったのでしょう。この半年後、彼は小沢一郎氏の誘いに乗り、民主党代表選に出馬するという過ちを犯します。
その海江田さんは衆院財務金融委員長ですから、今国会では、野党議員にスーツを破られ、泣きじゃくりながら、強行採決で衆本、参院に法案を送ってもらいましょう。そのくらいの貧乏くじを引いてもらわないと、歴史に対する贖罪ができません。
そして、第46回衆院選に勝てば、野田総理は任期4年以上も見えてくるし、負ければ寺田さんが野党党首選に出ればいいでしょう。そう考えると、何もためらうことなどないわけで、二大政党デモクラシーというのは良くできていると感じます。
震災を乗り越えた寺田学さんの地平線に、二大政党デモクラシーはどのように見えているのでしょうか。
時事ドットコム:消費増税で足並み乱れ=甘利氏「協議拒否通らぬ」-自民
自民党の谷垣禎一総裁が消費増税に関する与野党協議に応じない考えを示していることに対し、同党内で5日、「逃げるべきではない」との異論が上がった。
谷垣氏は同日、仕事始めの会合で「一致団結して与党を追い詰め、衆院解散に持っていく」と述べ、野田佳彦首相が提案している協議を拒否する方針を重ねて示した。しかし、この後の役員会で、甘利明元経済産業相は「今まで10%(に引き上げる)と言ってきたのに、協議に応じないでは通らない」と谷垣氏を批判。塩崎恭久元官房長官もBS11の番組で、「まず選挙をやってからとの一点張りでは、国民にすっと入らない」と疑問を呈した。(2012/01/05-21:36)
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