渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

岡田克也さん、民主党行革調査会のバトンを小沢グループ議員らに引き継ぐ

2012年01月13日 05時26分48秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革



[写真]民主党行革調査会事務局長の階猛衆院議員=小沢グループ=と行革調査会長の岡田克也さん。

 岡田克也さんが副総理になることになりました。同一政党の総理の下で副総理になった人はその後、総理になった例はあまりありません。で、私は37年生きてきて、総理になって欲しい政治家は2人いたわけです。改革フォーラム21(自民党羽田派)結成から、わずか半年余りで、擬似的に政権交代し、「羽田副総理」となりました。このとき、新生党党首を空席にしました。ここで、代表幹事(小沢一郎氏)にうまくやられてしまい、その後の羽田総理は2ヶ月間で終わってしまいました。さらに「改革フォーラム21」が知らない間に乗っ取られていました。あまり「副総理」という響きに良い思い出がありません。

 総理からの入閣要請を2度断ることは自民党では許されませんでした。岡田さんも、国益、国民益のために自らの総理の座を捨て、副総理として奉公することにしたのでしょう。私も、国難克服のため、ここで自らの身命を削ってでも、100年先の日本のために、りんごの木を残そうと決意しました。

 岡田さんが会長を務める、民主党行政改革調査会は、発足1ヶ月目の前日となる、平成24年1月12日(木)夕方、国会内でことし初の総会を開きました。会議前のアタマ撮りでは、岡田さんが、事務局長の階猛(しな・たけし)さんを従えて、政府側説明席に座る、奥村展三、森裕子両文科副大臣に話しかける場面がありました。おそらく文科省が所管する独立行政法人(原子力含む)の整理統合の件だろうと推測します。奥村さんは前の「一新会」会長代行、森さんは旧自由党出身、階さんは岩手1区。小沢グループが勢揃いの印象でした。

 
[写真]階さん(グレーの背広)を従えて、岡田克也さん(左側の紺スーツの背中の男性)が森裕子さん(赤い女性)、奥村展三さん(人物の陰)の両文科副大臣に話しかけた=筆者撮影。

この後、階さんの司会で総会が始まりましたが、岡田さんは冒頭のあいさつを断りました。


[写真]階さん、岡田さん、行政刷新大臣の蓮舫さん、内閣府副大臣の中塚一宏さん、内閣府大臣政務官の園田康博さん(途中で切れてしまいました)=筆者撮影。

 このほか、総会には、行政刷新担当大臣の蓮舫さん、行政刷新担当の内閣府副大臣の中塚一宏さん、政務官の園田康博さんも出席しました。階さんは衆院決算行政監視委員会の理事ということから、行革調査会事務局長に起用されたようです。岩手1区公募候補の階さんですが、藤井裕久さんの東大野球部の後輩というつてもあり、岡田さんに良く面倒をみてやってほしいという趣旨の申し伝えがあるようです。階さんの対抗馬の女性の自民党支部長を見たことがありますが、階さんは小沢グループでも再選の可能性が高いように感じます。中塚さんも小沢グループですが、岡田さんとは新生党時代からのつながりがあり、中塚さんへの期待は強いようです。

 行革調査会の役員は次の通りです。

 会長、岡田克也さん。副会長、大島敦さん、長妻昭さん、城島光力さん。事務局長、階猛さん。筆頭事務局次長、行田邦子さん。事務局次長、大島九州男さん、岡島一正さん、岡田康裕さん、緒方林太郎さん、小川淳也さん、後藤祐一さん、空本誠喜さん、玉木雄一郎さん、白眞勲さん、花咲宏基さん。オブザーバー、中塚一宏さん。

 総会終了後、岡田さんは十数人以上の記者に囲まれながら議員室に戻りました。ここには、階事務局長が大あわてで駆け付けたほか、行田邦子筆頭事務局次長、岡島一正さん(調査会の下部組織、特別会計改革ワーキングチーム座長)の3人が入りました。財務省幹部もいましたので、提出が迫っている特別会計改革法案を中心とした行革調査会のひきつぎだったんだろうと考えます。このうち、階さんのほか、岡島さんも小沢グループです。また行田さんは、私はそういう認識はありませんが、先日の小沢グループ(新しい政策研究会)の会合に出席したと報じられています。600万人が暮らす埼玉県全域で組織がないのに活動する公募落下傘参院議員。行田さんは岩手県に縁があり、大槌町の親戚4人が大震災で「家だけでなく命まで流されました」(第179臨時国会)とのことなので、広い心で見たいところです。行田さん、岡島さんは、岡田幹事長(第3期)の下、副幹事長を務めていました。

  
[写真]民主党行革調査会の階猛・事務局長、行田邦子・筆頭事務局次長、岡島一正・事務局次長。

 岡田さんの行革調査会長の仕事はわずか1ヶ月間となりました。しかし、初めから党内資源をいかして、岡田さんがまとめ上がるという色彩が強いしくみでした。岡田さんは幹事長時代に、「脱小沢」にこだわる菅直人首相(代表)を説得して、副大臣や政務官に自ら具体的なポストも含めて、小沢グループ議員を入れています。とくに、大震災で、橋本行革以降、廃棄物行政を司る環境省が莫大な災害廃棄物の発生と処理という、法律が想定していない事態に見舞われた際には、小沢グループの樋高剛・環境政務官が脚を使って被災地に何度も入ったことを岡田幹事長は高く評価していたそうです。


[画像]樋高剛・環境大臣政務官(当時)、大震災発生翌月の2011年4月。

 岡田幹事長が党員資格停止処分を倫理委員会に諮ったのは「小沢一郎さん」であり、「小沢グループ」ではありません。小沢グループの総力も結集して、民主党は3党協議体制に戻り、解散風を止ませなければなりません。諸懸案を国会で処理することで、日本が前に進むことにつながります。

 岡田行革のバトンは、より若い世代も分有することになりました。

 ところで、岡田副総理が行革担当に加えて、社会保障と税の一体改革担当大臣を兼任することになった場合、衆参内閣委員会に加えて、自民党が衆参財金委員会でも所信表明をするように迫ってくるかもしれません。しかし、前任の与謝野馨大臣や、古川元久大臣は財金委員会では答弁していませんから、そのようなことを持ち出すのは、形を変えた審議拒否です。責任政党としてのふるまいではありません。財金委員会は財務大臣と金融担当大臣、民主党と国民新党の2大臣がいつも出席し、総括質疑には総理も出席するのです。だから、社会保障と税の一体改革担当大臣が出席する必要はないと考えます。

 
[写真]兵庫3区選出の衆院議員、土肥隆一さん。

 土肥隆一さん(当選7回)が早く民主党に復党して、閣僚候補になることを願っています。

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