[画像]みんなの党国対委員長で衆院議員の山内康一さん、2012年2月2日、衆院予算委、衆議院インターネット審議中継から。
第45期衆議院第180通常国会第2週は、金曜日(2012年2月3日)の衆本で平成23年度第4次補正予算が可決しました。日本共産党(6)が反対しましたが、民主党(104)、公明党(19)に加えて、自民党(83)、みんなの党(11)、社民党(4)などが賛成しましたので、ねじれ参議院での可決・成立は確実になりました。( )内は各党の参院での議席数。
4次補正に関連して、地方交付税交付金を「平成23年度予算(2次補正後)」から平成24年度に合計4600億円繰り越す「平成23年度の地方交付税の総額の特例に関する法律の改正案」(第180国会閣法1号)も可決しました。今国会での法案可決第1号。この法案はこの日に衆院総務委員会に付託され、提案理由説明、質疑、採決され、本会議に上程されるというスピーディーな対応でした。すでに参院では理事懇談会で審査の日程を協議した、と藤末健三・参院総務委員長(民主党・新緑風会)がツイートしています。
なお最終補正後の平成23年度一般会計総額は107・5兆円になりました。前年度の「3・11」を受けての予算としては何とか踏みとどまった印象です。23年度予算は、すでに提出済み・衆院可決済みの予算案を、震災後に、「成立後に、集中審議5回」の約束で、自民党や公明党など野党の協力で成立。ゴールデンウィーク前半戦の土、日曜、祝日にぶっ通しで審議して、「1次復旧補正」。菅直人首相の辞任3条件として「2次復旧テコ入れ補正」が通常国会末に成立。そして、公明党が法案骨子を提案した3点セット「復興債・復興庁・復興特区」を丸飲みした「3次復興補正」を野田新政権で11兆円の復興債を発行してつくりました。復興債の償還期限を「25年間」と引き締めたことに高い国際的評価があります。そして、これは日本国民の誇りと言ってもいいですが、震災後も日本国債の健全性は高く、欧州国債危機から逃げたマネーも受け入れたようで、年1%前後の低金利に落ち着きました。このため国債整理基金特別会計の想定利回り2%との間で、国債(日本銀行の特別会計総則第5条にともなう乗り換え分も含む)の利息の償還に余裕ができ、その財源で4次補正を組みました。ただ、日本国内でも、日経平均株価はかなり低い水準ですので、株式市場からはマネーが逃げたことは忘れてはなりません。
4次補正の本会議討論には、民主党から若泉征三さん(予算委理事、2期生、比例北陸信越)、自民党からは1期生の橘慶一郎さん。これに先立つ委員会での討論には、民主党から室井秀子さん。自民党は1期生の伊東祐孝さんが立ちました。このほかTV入り基本的質疑に1期生の齋藤健さんが立っており、第45期初当選で、自民党国対委員、衆院議院運営委員を一緒に務め、最前列の4人席(議席番号47番~50番)に仲良く並ぶ1期生は党役員(青年局長)の小泉進次郎さんを除く3人が予算審議で活躍の場を得たことになります。自民党はこうやっていて、中堅・ベテランに不満が出ないのか、他人事ながら心配してしまいます。
第44期自民党小泉チルドレン85人(補選当選の2人含む)のうち、生き残ったのは10人(途中入党の徳田毅さん含む)と言われます。実際には11人です。みんなの党国対委員長の山内康一さんも生き残り組。解散直前に、選挙区(神奈川9区・南関東ブロック)も党(自民党)も捨て、「説得できなかったの悔しい」と自民党有数の神奈川県連の河野太郎さんらに言われました。が、新天地のみんなの党・比例北関東単独1位では、渡辺喜美後援会の票もあり当選し2期生となっています。山内さんのトリッキーな再選戦略を可能にしたのは、山内さんは出身地の福岡県にかなり広大な山林を保有していますから、おじいさんらが心とアタマの余裕を山内さんに与えたのでしょう。
今次補正の審議では、山内さんがMVPとしか言いようがありません。なぜなら、予算書の中味を質問したのが山内さんだけだったからです。その他、「なぜ平成24年度予算ではなく4次補正なのか」という質問はありました。しかし、4次補正予算書を質問したのが2日(木)の夕方、締めくくり質疑のラスト手前2人目のバッターとは何とも貧困な質疑です。与野党とも猛省すべきです。「前々からそうだ」などという言い訳はもはや通用しません。「人の振り見て我が振り直せ」で、沖縄防衛局の選挙干渉疑惑を質問するなら、必ず4次補正の事業について1つは聞くように、参院予算委員は心がけて欲しいです。
「山内指摘」が入ったのは、一般会計補正予算書の次のページの、外務省の歳出の増額補正部分です。
ケータイの機種の関係で、見づらい方は、こちらをクリックしてください。
[画像]平成23年度一般会計補正予算書(第4号)から。
上のページの一番下の事業。外務省(組織09)所管の「国際分担金その他諸費」(項010)です。一番左に「11,604,905」と書いてある事業のことです。
「116億円490万5千円」を、「2億3613万7000円」追加して、「118億4102万2000円」に補正する予算書です。この増額補正の説明は「日本ベトナムEPAにともなう(ベトナム人)看護師・介護福祉士候補者への日本語研修を実施する国際機関への拠出」となっています。
これについて、山内さんは「1人当たり300万円になる」と指摘し、額が大きすぎると指摘しました。そのうえで、山内さんは「(日本での現場でのコミュニケーションや教育、試験には)英語(という手段)もあるし、日本語教育に(1人あたり)300万円かけるよりは、(試験などの)日本語のハードルを下げる方が良いのでは」と提案して、同党の短いしめくくり質疑を終えました。山内さんも与党・自民党経験者だし、元々JICA職員でしたから、「次からは改善して」というところでとどまってしまいました。できれば、議員提案で減額修正議決・成立させてほしいです。その場合は歳入をその分減額だけで済むのが、この補正の特徴でしたから、残念です。
日本の地方議会にできて、他国の国会にできる議員提案による予算修正。これがなぜできないのか。衆議院は解体的に出直せ。
tags 野田首相 = 野田佳彦、安住財務相 = 安住淳
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