渡辺恒雄あとつぎ宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

第180通常国会延長へ

2012年06月18日 12時38分46秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 報道によると、民主党の城島光力・国会対策委員長は2012年6月18日(月)午前、国会内で自民党の岸田文雄・国会対策委員長に会い、第180回常会の会期を延長する方針を伝えました。

 国会法第13条で会期の延長議決では衆議院の優越が認められているため、衆議院民主党の独断で延長を決めることが可能です。国会法第12条により、常会の延長は1回のみ。このため、6月21日の会期末には、延長国会の会期末スケジュールが確定します。国会法第12条ただし書きにより、衆議院解散の場合のみ、会期が早く終了します。

 通常国会の延長は昨年の第177通常国会(震災国会)に続き、2年連続。

 延長は会期末当日の前日に議決することが多いのですが、民主党政権になってから、会期末当日に議決する落ち着かない国会運営が続いています。

 今後は延長幅の調整に移ります。

 6月15日の3党合意で、年金交付国債の取り下げが決まりました。平成24年度特例公債法案(180閣法2号)の修正や年金交付国債発行法案(180閣法26号)の撤回などで3党協議が必要になります。年金交付国債については、平成24年度一般会計予算(4月5日成立)の総則に定めがあることから、第1次補正予算案編成の可能性もあります。その場合は、歳出の減額修正と増額修正のメリハリを付けて、民自公の3党の細かい要望をあわせて社会保障改革の一部前倒しや円高対策などを盛り込んだものになるかもしれません。いずれにしろ、もう一度3党協議が必要ということになることは間違いなさそうです。
民主、自民に会期延長方針伝える 延長幅は改めて協議(朝日新聞) - goo ニュース

 

 民主党の城島光力国会対策委員長は18日午前、国会内で自民党の岸田文雄国対委員長と会談し、21日までの国会会期について「21日で会期を閉じるわけにはいかない」と述べ、会期延長の方針を正式に伝えた。延長幅については「20日をめどに整理して決めたい」として明言しなかった。

 岸田氏は「20日には(延長幅を)示してほしい」と応じたという。野田佳彦首相は消費増税関連法案を21日までに衆院で採決したい考えで、会期延長は参院での法案の審議時間を確保するのが狙い。延長幅について民主党執行部は、野田首相がメキシコで開かれている主要20カ国・地域(G20)首脳会議から20日に帰国するのを待ち、改めて協議する方針。

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会期末 燻り出せ!

2012年06月18日 11時17分54秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革


 2012年1月24日(火)に召集された第180常会も、会期末を木曜日に控えて、最終盤国会を迎えました。

 ちなみに小選挙区導入後、
 第41期衆議院では、4度目の通常国会135日目の6月2日に森首相が解散(神の国解散)。
 第42期衆議院では、3度目の通常国会(190日間)を終えて、秋の臨時国会(15日目)の10月10日に小泉首相が解散(マニフェスト解散)。
 第43期衆議院では、2度目の通常国会200日目の8月8日に小泉首相が解散(郵政解散)。
 第44期衆議院では、4度目の通常国会198日目の7月21日に任期4人目の麻生首相が解散(政権選択解散)。

 第45期衆議院は、3度目の通常国会の延長含みの会期末になっています。

 民主党・新緑風会は参議院で第1会派で、自民党・公明党・たちあがれ日本の3党が束になっても、民主党が2議席上回っています。この構成は2013年7月まで続きます。平成になってからの参院選は野党第1党は6勝、与党第1党はわずか2勝です。野党第1党では、土井社会党、小沢新進党、結党3ヶ月の菅民主党、岡田民主党、小沢民主党、谷垣自民党が勝っています。与党第1党が勝ったのは、宮澤自民党(東京サミット開催中の参院選)と小泉首相就任3ヶ月目の自民党の2回だけです。この国会で解散し、野党として第23回参院選に臨むという選択肢があります。あるいは、第46期衆議院が宙ぶらりん議会(衆院で単独過半数を持つ政党がない議会構成)になったら、衆参含めて政権構想を提示した上で第23回参院選にのぞむという手もあります。

 ですから、民主党は今年中に解散すれば、「2段構え」で闘えることになります。

 さて、衆議院議員で、任期4年満了前に解散して欲しい人など実は一人もいません。例えば、前回比例復活だった自民党議員が「早く解散して与党に戻りたい」「次は小選挙区で通りたい」と言っていても、来年の7月にやればいいわけで、1年前倒しすれば歳費は2000万円減るし、政治資金管理団体に繰り越してきた政治資金も1年前倒して使わなければなりません。例えば、9月に総裁改選を迎える自民党の谷垣禎一・衆議院議員は極めて稀に早く解散してほしいかもしれません。でも地元福知山の谷垣事務所の中心スタッフのなかにも、例えば、来年4月に子ども2人が進学するので入学金がいるという人は口には出さなくても、任期満了をのぞんでいるでしょう。

 そのようななか、会期末というのは人間が見られます。人間の本性がでます。

 私たちは第46回衆院選で、人を選ばなければなりません。マニフェストも大事です。が、参院の構成を横目に見ながら、安定した政権をつくらなければなりません。世界的な通貨・国債危機は10年から15年続きます。

 仕分けが必要です。その前に会期末、燻り出すことが必要です。

 「燻り出す」ーー「いぶして中にいる虫・獣などを外に追い出す」という意味です(大辞林)。

 金曜日(6月15日)の参議院本会議は、連休前の4月27日以来の法案採決のための委員長報告がありました。日程第一です。ここで参議院議員立法の「劇場、音楽堂等の活性化に関する法律案」(第180国会参法21号)の委員長報告がありました。このとき、前の国会から参議院議長になっている平田健二さんが「文部科学委員長、野上浩太郎君」と発言する場面がありました。参議院事務局職員トップの橋本雅史事務総長が平田さんに訂正を求めますが、平田さんは何を間違えたか気付かなかったようで、時間がかかりました。「参議院文部科学委員長」というのはいません。「参議院文教科学委員長」です。事務総長は将来的にも、「元参議院事務総長」の肩書きが最重要ですから、「参議院」の看板にこだわります。それは当然です。

 しかし、平田さんは、「参議院文教科学委員長」を「参議院文部科学委員長」と言い間違えて、それを事務総長に指摘されて、しばらく気付きませんでした。いったい、参議院とは何なのか。4月27日以来1ヶ月半ぶりに法案を採決する「日程第一」でなぜ、議長が委員長の名前すら言えないのか。休みがたっぷりあったのに。このようなことなら、「参議院文教科学委員長」ではなく「第二衆議院文部科学委員長」に改めるべし。こんな話を242人の参議院議員に話したって、9割以上は他人事。当事者意識がないんですよ。つまり、国を背負い込んで政治家になっていない。ところが、やはり国を背負い込んでいないと、会期末のような正念場(性根場)で、どう行動すればいいか悩んでしまうことになります。国を背負い込んだ志がある人は強いです。

 翻って、野党15年、1000兆円の政府債務のうち、一分以下の責任しかないと思われるのに、弱音を吐かずに責任を背負い込んでいる野田佳彦という男は大したものだと思います。一ミリもぶれずに信念を貫き通すべきです。偽者を燻り出せ、突き飛ばせ、息の根を止めろ。ポスターの笑顔にだまされないストイックな厳しさで、次の政権作りの材料を集める1週間です。


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