【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

直嶋正行さん『次の、日本。』出版 「参院予算委員会廃止」を提言、参院会長選出馬か?

2012年08月04日 15時14分03秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 さて、水曜日(8月1日)の友愛会創立100周年ということで、今週は「民社協会ウィーク」ということで、これを含めて6本の民社協会に関するエントリーをお届けしましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。最後に、直嶋正行さん、政権交代前のマニフェスト策定責任者(民主党政調会長)、政権交代後の経済産業大臣、現在は、民主党両院議員総会長と民主党綱領検討委員長を務める、直さんこと直嶋正行さんの初の著書の書評で、しめくくりたいと思います。直嶋さんは、全トヨタ労連の出身で、民社協会の国会議員団長をつとめています。

 著書のタイトルは『次の、日本。ーー次代の成長戦略へ。流れは、変わる』で時事通信社から定価(本体価格1700円+消費税)で今週発売されました。

 帯では「民主党屈指の政策通」が「次代の成長戦略」を語るという風になっていますが、直嶋さん初の著作ということで、生い立ちや労働運動との出会い、初当選時の思い出、マニフェストの取りまとめ、政権交代、大臣としての日々が赤裸々に書いてあります。

 はじめにでは「2012年7月26日、この日は私が初めて参議院議員に当選した日から、ちょうど20年になります」とのこと。そして、8月2日(木)には出版記念会が開かれ、岡田克也副総理ら閣僚10人、他の国会議員100人、合計650人が参加して盛大に開かれました。ちなみに、民社党から初当選した直嶋議員が勤続20年ということは、私の選挙デビューである自民党公認(経世会)で初当選した北澤俊美・参議院議員も同じく勤続20年になるわけですが、ちょっと気付いておりませんでした。「黙っていればいいのに」と思う読者もいるでしょうが、俊美さんや俊美さんの公設秘書3人はこのブログを読んでいないので、引き続き、直嶋さんの著作について書評を続けます。

 まず、直嶋さんは第21回参院選「逆転の夏」の後、小沢一郎代表(ネクスト総理)から政調会長に指名されて、第45回衆院選「政権交代の夏」まで務めています。なので、09マニフェストとりまとめの責任者です。ところが、不思議にマニフェスト批判では直嶋さんが名指しされることがありません。その辺は人徳なんでしょうか。46ページで直嶋さんは「政権を取ったらどのような政策を実行するか、ということであるから、その党から立候補者全員が同じマニフェストを掲げて選挙を闘う」「マニフェストは政策を実現するために政権選択の選挙をするという、民主主義の理想に近づいたものとなった」と自負しています。

 ところで、私の持っている情報では、実は第45回衆院選の公示から投票までの間に、民主党のマニフェスト(鳩山由紀夫代表が表紙)を手にとって読んだ人は、有権者の2%前後の筈です。直嶋さんは、政権交代後に経済産業大臣を務めた経験もふまえて、「マニフェストや政策インデックスを特に熱心に読んでくれたのが、霞が関の官僚諸君だった」「経産省の会議でも、『あ、その点はここに書いてあります』と担当者がマニフェストを開いて示してくれるほど、熟読されていた」ということなので、鳩山政権が政治主導に失敗し、官僚主導になったのも当然と思える経験談が書いてあります。

 またこれはご存じの方も多いでしょうが、官邸にスーツ姿で呼び込まれ、皇居でモーニング姿で陛下から認証式を受けてから、官邸に戻り総理から補職辞令と初閣議の後、記者会見を前に秘書官から、記者会見原稿を示され、それを読んでしまうことで、大臣が官僚に取り込まれてしまう光景も、実名入りで詳しく書いてあります。今後、閣僚を目指している、民主党、自民党、公明党の若手議員は必読でしょう。

 そして、直さんは自らを「おにぎり大臣」と任命。「大臣になってからの日々は、想像以上に忙しかった。かねてより忙しいと聞いていたが、まさしく多忙を極めた。早朝から夜遅くまで、息つく間もないくらいだった」「昼食をとる時間がなく、在任中の大半が大臣室でのおにぎりランチとなった。永田町界隈のコンビニのおにぎりは、すべて食べた。秘書に頼んで、役所の売店、国会内のコンビニなどに買いに行ってもらった。イチバンおいしい店も発見した」と振り返っています。初入閣の時点で、直さんは勤続17年で、与党経験(細川内閣、羽田内閣)もありました。それでも、実際に与党はやってみて驚くことの連続だった。このような日常なのですから、政権交代してもすぐにうまく行かないのは、私はひとえに、自民党に54年間政権を与え続けた有権者の責任だと改めて感じました。「主権者は国民」と日本国憲法前文にあるのですから、現在の政治のすべての責任は有権者に帰するし、沖縄問題で最初につまずいたのはそのためでしょう。なぜなら、野党議員は、国費などで沖縄視察をする機会がほとんどないからです。与党の自民党清和会の政府外議員は沖縄は利権の巣窟ですから、自分で集めた政治資金で視察に行くこともあります。

 それを裏付けるように、口絵の4ページのうち、政権交代前の17年間は1ページで、政権交代後の3年間は3ページになっています。

 
[画像]直嶋正行著「次の、日本。」の口絵とはしがきから。

 ご覧のように、有名な「ハードロック工業」で、制服姿でSLに乗る直嶋経産相の姿も乗っています。ぜひ、これを機会に自動車・道路ばかりでなく、鉄道にも関心を持っていただきたいところです。

 このほか、中学卒業後に入った会社で労働組合に入り、その2年後に大阪府立北野高校の定時制に入学するまでの間、労働運動の経験があること。神戸大学では公認会計士をめざしていたけれども、トヨタ自動車販売(工販統合による現在のトヨタ自動車)に入った経緯。「公認会計士だと資格をとってもすぐに飯は食えん」と言われてそれでは困るという赤裸々な事情。神戸大学というと、岡田副総理のお父さんである岡田卓也イオン創業者が希望しながら事情があって早大商学部に進学し、その後地元商工会議所で講師に呼んだところ、「戦災後だから土地を買い占めろ」と言われて反発し、現在のイオンを創業したというエピソードがあるので、岡田さんと直嶋さんは縁があるなあと感じます。政権交代直後には、官邸で、旧知の河村建夫・内閣官房長官から岡田幹事長・直嶋政調会長のコンビが「すべての引き継ぎをしっかりやりたい」と言われたという歴史的に極めて重要なことも書いてあります。このニュース映像を見た、小沢一郎代表代行が松木けんこう、鈴木克昌両衆院議員を使って鳩山由紀夫代表を締め上げ、幹事長の座を奪い取ったのはご存じの通り。

 本の帯にあるとおり、東京電力と関西電力、日立、東芝、三菱重工による、「国際原子力開発」をつくり、ベトナムへの原子力発電所受注というプラント輸出を受注したトップセールスの経験談など成長戦略も満載です。政府が閣議決定した日本再生戦略よりも、日本経済の将来像、グランドデザインがよりハッキリ分かります。原発輸出については、「どこかの大国のように、潜水艦を売ってやるから、発電所を受注させろ」というようなことは、日本はしない、という経験に裏打ちされたエピソードも載っています。「自動車産業はまだ伸びる」の項では、「近い将来、シンプルな電気自動車であれば、自動車メーカーでなくても自動車を造れる」として、家電メーカー、電気量販店、携帯電話会社、ファッション・ブランド、グーグルが電気自動車メーカーに参入するという大胆な予想もあります。日本再生戦略より面白いですね。

 上の方で、北澤俊美参院議員と勤続年数が同じだったり、岡田克也衆議院議員と縁がある、ということを書きましたが、新人の民社党・スポーツ・国民連合の直嶋参院議員が大いに名を上げたのは、佐川事件での経世会会長の金丸信先生の追及だったそうです。

 
[画像]金丸信先生。

 結果として、経世会会長だった金丸先生が逮捕されたことで、政治改革の歯車は大きく前に進み、新生党主導の細川内閣への歴史的な政権交代を果たすことができました。こうやって直嶋さんが金丸先生を追及する先鋒だったということを初めて知って、今の民主党が幅広い国民政党への道を歩んでいることを実感しました。寄り合い所帯ですが、もうちょっと包容力が生まれてくれば、国民政党として、政権担当能力を強化していくことが可能でしょう。

 さて、参議院です。

 「二院制をどうするか、という議論はなかなか難しい」とした上で、「現行の二院制を残しながら、予算は衆議院で決める、という明らかな権能の分担も必要ではないか。参議院の予算委員会を廃止して、参議院では予算は本会議で3日間ほど審議して採決する」との提案をしています。

 直嶋さんの参議院議員としての任期は2016年7月10日まで。任期満了時点で70歳ということになります、けっこう若いですね。民主党・新緑風会は9月上旬に会長選挙をします。2006年から会長を続ける、輿石東会長の5選(任期は2014年の通常国会末まで)が焦点になります。前回、2010年の第174通常国会会期末の会長選では、前田武志参議院議員を会長にかつぐ動きがありましたが、推薦人10人に足りず、輿石会長の無投票4選となりました。このとき、直嶋さんは経産相、俊美さんは防衛相なので、立候補する状況ではありませんでした。輿石会長はその後の参院選惨敗、党本部幹事長就任の際にも、自発的な辞任論が出ましたが、なおも会長にとどまっています。自民党の統一会派と1議席差にまで追い込まれた民主党・新緑風会会長の次の2年、日本の歴史にとってものすごく重要な2年間の参院の扇の要は、だれが良いかなあと思うところがある著作です。みなさんはだれが良いと思いますか?

 直嶋さんは、あとがきを次のように締めくくっています。「そして、私をここまで支えていただいた自動車総連はじめ、自動車産業に関わる多くの関係の皆様、ならびに身近に活動を支えてくれた友人、知人、歴代の秘書、我が家族にも改めて感謝申し上げたい。 2012年6月 直嶋正行(自署)」

 すべての国民に感謝・・・などとは書かない。自動車総連をはじめ自動車産業に関わる多くの関係の皆様の代表としての直嶋参議院議員。それは貴族院が参議院に移行したときの、「衆議院は地域代表、参議院は職能代表」というフィクションを現実にしている。だから直嶋さんは勇気があるんですね。

 衆議院落選組の再就職先としての、国会議事堂周りで働く者のための参議院から、額に汗して働くすべての働く者のための参議院へ。

 直嶋さんと民社協会の仲間がいれば、今国会が直面する最大の問題も必ず解決することができます。任せて安心、民社協会。地味だけど、目立たないけど、かっこいいとはこういうことです。

2012年7月29日(月)~8月4日(土)までの「民社協会ウィーク」のエントリーは次の通りです。 

2012年8月1日、友愛会創設100周年 今週の当ブログは「民社協会ウィーク」に
川端達夫総務相、地方消費税一般財源化、特例市廃止に含み 国の未来、分権の未来に道を拓く
つかさつかさに民社協会 幹事長「素晴らしいリーダーたち」副総理「非常に立派な人材がそろっている」
友愛会創立100周年記念式典・記念祝賀会 厚労相「理念引き継がれている」連合会長「労働運動の原点」
パート待遇改善へ道 改正労働契約法成立 小林正夫・参院厚生労働委員長
直嶋正行さん『次の、日本』出版 「参院予算委廃止」の大胆提言、参院会長選出馬か?
   

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パート待遇改善へ道 改正労働契約法成立 小林正夫・参院厚生労働委員長

2012年08月04日 11時16分15秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

【2012年(平成24年)8月3日(金) 参院本会議】

 改正労働契約法が成立しました。

 参議院は本会議で、小林正夫・厚生労働委員長の報告を求め、議案番号第180国会閣法71号として法案審査してきた「労働契約法の一部を改正する法律案」について、「可決」とする委員長報告を聴取。押しボタン式で採決した結果、投票総数234、賛成222、反対12の賛成多数で、政府提出原案通り可決しました。平成24年法律○○号として近く天皇陛下が公布します。

 

  これを受けて、4日付日経新聞は「パート待遇改善へ道」との横見出しで大きく報じました。

 法律は有期雇用が5年続いた人が、本人が希望した場合は、企業が無期雇用に切り替えることを義務づける内容。逆に言うと、有期雇用が5年近くなった人が雇い止めにあう可能性もあるので、この法律への理解をしっかりと持ち、もしもの場合は、連合、厚生労働省、弁護士に相談する必要があるでしょう。

 日経新聞によると、2010年の雇用者5111万人のうち、有期雇用である契約社員、パートは1200万人。そのうち、勤続年数が5年以上の人は360万人だそうですから、かなりの数になります。

 日経新聞だけに、基本的には使用者側の声が載っており、「ある大手ハンバーガーチェーン店」の場合は、5年以上働く契約社員・パートが多いので、「店舗売上高が減ったとしても、その店の従業員数を減らしにくくなる」と人員配置の硬直化を懸念しているとのこと。ちなみに、おそらくこのハンバーガーチェーン店は契約社員・パートの使い方がうまく、ボーリング大会を開いたりしている。高校時代にアルバイトをしていた人はそこで恋人を見つけたけれども、お店のなかでみんな付き合っていて、男性1人、女性1人だけ残っていたので、「付き合わざるを得なくなった」とのこと。しかし、昔のように「正社員のはない自由がほしくてパートをやっている」という話は聞かない雇用不安の時代になりました。ご存じのように、連合は3年前から非正規雇用の問題に取り組んでいます。1日の「友愛会創立100周年記念祝賀会」で小宮山洋子・厚労相が「ディーセント・ワーク」という言葉を使っていたのだけど、知らない言葉なので調べてみました。そうすると、友愛会創立者である鈴木文治(すずき・ぶんじ、後に衆院議員3期)が政府代表として設立総会に出席した国際労働機関(ILO)の、21世紀における目標として提案された物。 ディーセント・ワークは、Decent Workで、「働きがいのある人間らしい仕事」ということだけれども、最近のはやりで行けば「まともな仕事」という言い方もできるでしょう。

 さて、民社協会ウィークということで、小林正夫・参議院議員について、触れたいと思います。あまり馴染みはないでしょうが、電力総連・東京電力労組の働く仲間の推薦で、2010年の第22回参院選で参戦した当選2回生勤続8年ということになります。政権交代により、厚生労働大臣政務官を務めました。現在はハウスにおいて、参議院厚生労働委員長、党においては企業・団体委員長を務めています。ちなみに、選対委員長が高木義明さん(基幹労連)、党内の地方組織を担当する組織委員長が古本伸一郎さん(全トヨタ労連)、党外の支援組織を回るのが企業・団体委員長ということで絶妙な配置になっています。

 東電労組の働く仲間がこの1年余り、大きく傷つき、自信を失っているようです。東京地検特捜部は東京電力福島第一原子力発電所事故の捜査を開始しました。私は、勝俣会長、清水社長、武藤副社長(すべて事故当時)を逮捕して、徹底的に調べるべきだと考えます。そのうえで、立件が難しくても、自民党政治家と東京電力企画部の関係について、よく調べるべきでしょう。世論は支持するでしょうから、特捜部の信頼回復にはもってこいの事案だと考えます。

 電力総連や東電労組も反省が必要です。「当選後に原子力発電に否定的な発言をしてはいけない」との政策協定を結んでいた民主党議員は多くいます。しかし、本当に追及されるべきは、東電企画部と自民党エネルギー族議員の関係です。会社四季報、あえて「3・11」前に発行された2011年春号の会社四季報によると、東京電力の社員数は連結で5万3241人、単体で3万6825人。平均年齢は40・6歳で、平均年収は757万円。平均年収がずいぶん高い気もしますが、これは、旧同盟系で自動車総連と双璧の集票力を持つ電力総連で、関西電力労組とともに政治的影響力をもつ東電労組の力があったからでしょう。

 小林正夫さんは、物静かな方で、正直、私も詳しくは存じません。先代の長谷川清さんも物静かで、キッチリと七三分けをした紳士でした。うるさ型でやり手の、関西電力出身参院議員とは、動と静ということで、ハッキリ分かれています。

 東電労組の中で、「動」といえば、亡くなった笹森清さんでしょう。電力総連会長、連合事務局長を経て、電力総連初の連合会長を務めました。

 そして、小林参院議員、長谷川元参院議員、笹森元会長には共通点があります。高卒だということです。

 友愛会創立者の鈴木文治さんは、東大法学部卒のクリスチャンという経歴で社会的信頼を得て、労組非合法の時代に、友愛組合から労働運動を始め、政府からILO設立総会に派遣されました。連合の歴史においても、政治好きだった山岸章初代会長(全電通、現在の情報労連)は、電電公社(日本電信電話公社)内の教習所の出身。そして、2代目会長で旧同盟系初の連合会長、UIゼンセン同盟の芦田甚之助さんが早大卒。自民党橋本内閣の行革会議の委員となりましたが、実は橋本首相は初当選前はUIゼンセン同盟の組合員だったんですね。その後3代目の会長として東大卒の鷲尾悦也さん(基幹労連)がコワモテの武闘派、高卒の笹森清事務局長とコンビを組みました。私はこのコンビは最強だと考えています。そして、産別ごとに新進党と社民党の股割きに悩んでいた連合は再び政治に近づき、民主党結党、直後の1998参院選大勝へと導きました。

 
[写真]笹森清・第4代連合会長(電力総連会長、東電労組委員長)、友愛労働歴史館、筆者撮影。

 友愛労働歴史館に掲げられた、在りし日の笹森さんの写真、私の知っている限り、イチバン柔和な表情かなあという感じがします。

 学生時代に選挙の事前運動のバイトで、日常活動用のポスターをはらせてくださいと、自転車や徒歩で街を歩いたことは何十回もあります。そのとき、新進党を支持しているけれども自宅にポスターを貼らせたくない人が、とっさに「そこの電信柱に貼っちゃえば」ということがありました。ただし、少なくとも東電管内では電信柱に政治活動用のポスターは貼れません。電信柱は東電の財産だからです。そして、そうやって街を歩いている中で、東電の社員が、車をハザードランプにしながら、電信柱の求人、金融、風俗などのポスターをヘラのような物ではがしていく姿を何度も見ました。そういう人も含めて、電力の安定供給を実現しているんだなあと実感しました。ですから、原発事故の責任を問うため、勝俣前会長や武藤前副社長を逮捕すべきですが、給料が良いということは労組が頑張っていたからであって、以前のことを攻めるべきではありません。

 弱い立場で働く人に言いたいことは、やはり安くて簡単な本が出ているので、ある程度体系的に労働法制を理解するということです。ただし、労働基準監督署はあまり頼りになりません。私は労働監督行政は強制捜査や逮捕ができる警察に移管すべきだと考えています。川人先生のような弁護士との関係をつくるのもいいでしょう。そして、何よりも団結することです。今はインターネットもあります。団結することによって、初めて労働者は奴隷から解放されます。必死に経営者との関係をつくっている民主党議員など相手にしないで、労働者団結と労働協約締結権で労使交渉にのぞむべきです。くどいですが、労働基準監督署には経営者を逮捕する権限がありませんから、頼りになりません。働くことはすなわち人生です。泣き寝入りは自殺と同じことです。

 笹森さんのような卓越したリーダーの下、高卒の働く仲間が1人ずつ参議院議員(旧貴族院議員)になっている、東京電力労働組合のみなさん。元気出してください。私はあなたたちを偏見で見ることは絶対にありません。

 ガンバロー!

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