【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

天皇陛下、消費税増税など社会保障と税の一体改革法を公布

2012年08月22日 23時59分59秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

(このエントリーの初投稿日時は2012年8月24日午前1時)

[写真]インターネット官報平成24年8月22日付(号外第181号)第148ページの一部、茶色の枠付けは筆者から。

 天皇陛下は2012年(平成24年)8月22日付官報で、消費税増税法を公布されました。パチパチ。


[写真]御名をしたためられる陛下、宮内庁ホームページから。 

 
[写真]御璽を押される陛下、宮内庁ホームページから。 

 上の写真は、一般的な陛下のご執務を紹介した写真で、この法律の公布の場面ではありません。

 陛下が公布された社会保障と税の一体改革関連8法の正式な法律名と法律番号は以下の通り。()内には、当ブログでの呼称と衆議院が付けた議案番号です。

公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律 平成24年法律62号
 (公的年金の最低保障機能強化法案、第180国会閣法74号衆議院修正)

被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律 平成24年法律63号
 (共済年金を厚生年金に合併する被用者年金一元化法案、第180閣法78号衆議院修正)

社会保障制度改革推進法 平成24年法律64号
 (社会保障制度改革を推進する国民会議設置法案、第180国会衆法24号)

子ども・子育て支援法 平成24年法律65号
 (子ども・子育て新システム法案、第180国会閣法75号衆議院修正)

就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律 平成24年法律66号
 (認定子ども園法改正案、第180国会衆法25号)

子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 平成24年法律67号
 (子ども・子育て新システムのための周辺法律56本を整備する法案、第180国会閣法76号衆議院修正)

社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律 平成24年法律68号
 (社会保障の安定財源を確保するための消費税法改正法案、第180回閣法72号衆議院修正)

社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律 平成24年法律69号
 (社会保障の安定財源を確保するための地方税法・地方交付税法改正法案、第180国会閣法73号衆議院修正)

 以上の8本です。

 ありがとうございました。

 8月10日に成立したものの、22日付公布ということで、すこし間が空きました。おそらくお盆期間中は、皇居外でのご執務が多かったことと、皇居の宮殿に勤務する職員を休ませてあげるというご配慮のために、お盆明けのご執務で公布されたのでしょう。これに先立ち、21日(火)の閣議後会見で、小宮山洋子厚労相が22日付の公布を発表していたようです。皇居と内閣をつなぐ内閣総務官は現在厚労省から出向の官僚ですし、もともと宮内庁には同省からの出向者が多いので、事前に情報が入っていたのだと思います。

 毎年GDPの3%にあたる10兆円以上のお金を動かし続ける恒久法としての巨大歳入法の成立に、私自身も多少なりともお役に立てて、大きな自信になりました。

 3月30日(金)の閣議決定、国会提出以降、多くの仲間を失いながらも、ようやくここまで来ました。私も多くの知遇のある国会議員およびその秘書を含めて、多くの私から見ての裏切りや、党から離れるという犠牲を負いました。しかし、そのことにはまったく憂いを持たず、この公布の日を迎えて万感の思いです。

 もちろん、消費税増税は2014年4月1日ですから、その前に国民の選択により凍結法が成立したり、閣議決定で凍結される可能性もあるわけですが、形になりました。

 もちろん、これで終わりではありません。6月15日の衆議院特別委員会での修正合意、3党合意を踏まえて、低年金者対策として、「年金生活者支援給付金の支給に関する法律案」(第180国会閣法83号)がすでに追加で提出されています。国民会議の設置や、消費税法附則第18条にもとづく、軽減税率や簡素な給付措置の設計。転嫁対策のための独占禁止法改正案の起草はまだこれからです。給付つき税額控除をするための「マイナンバー法案」(180閣法32・33号)は審議入りすらしていません。ダルマの目を入れる作業はまだこれからです。参議院は8月10日、社会保障制度推進法、子ども・子育て新システム3法、消費税増税法に附帯決議をつけており、尊重しなければいけません。むしろ、3党合意以上に、参議院での3つの附帯決議を尊重すべきでしょう。

 当ブログも2007年8月から2009年8月まで、自民党に対して、2009年9月から2010年6月までは小沢一郎幹事長グループに対して、「王様は裸だ」「それにもかかわらず!」と言い続けていたら、知らぬ間に与党主流派にイチバン近いブログになってはや2年2ヶ月。

 国家の未来に大きな責任を果たすことができました。

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