【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

少年法改正案で被害者家族「ずっと少年事件の実態を見据えて」 階猛さん、民主党単独修正案を提出 

2014年03月25日 18時53分29秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

[画像]答弁する階猛さん。

【2014年3月25日(火)衆議院法務委員会】

 引き続き「少年法改正案」(186閣法14号)について議論。まず、冒頭から、民主党の階猛筆頭理事が、「少年法から不定期刑を廃止する」などとした単独での修正案を提出しました。

 この後、質疑を経て、午後、4人の参考人による質疑がありました。

 少年事件の被害者の親族である団体代表の女性は次のように語りました。

 「私たち大人は、少年法によって、少年に更生できる機会を十分に与えていないと考えている。不十分な事実認定によって矯正されている加害者もいる。例えば、殺人事件で、たまたま現場にあった布を使って殺害したとされていた加害者が、その後の民事訴訟で、あらかじめ布を用意して犯行現場に行っていたことが後から分かったという事例もある。私は息子を失ってから、自分が悪いんだと思い、毎日死のうと思ってきたが、夫に止められ、このような会の活動をすることによって、こうして生きてこられました。どうか、ここにいる委員のみなさまには、この法案審議を終えても、ずっと少年事件の実態を見据えてほしい」

 こういう趣旨の発言をしました。

 一方、加害側の「国選付添人」をしている弁護士は、「実際に子供に付き添っていると、なんで、ここまで家庭内で虐待を受けて、犯行に及ぶまで、周りの大人たちは止めなかったのだろうと感じることがある」として「刑を引き上げると、少年法全体の長期化により、矯正(対象者が増えることにより、)が遅れるのではないかと思い、この改正案には反対する」との意見もありました。

 また、少年事件では加害者に弁護士がつきやすいが、被害者に弁護士がつきにくい現状があるそうです。被害者の親が「子どもが殺されたのは親が悪い」と批判されることもあるそうです。


[画像]少年法について、参考人に質問する横路孝弘さん。

 参考人質疑を終えて、江崎鉄磨委員長は「きょうは貴重なご意見をありがとうございました。当委員会もみなさんの意見を踏まえて、少年法に意見を版えさせていきたい」とあいさつしました。

 この後、谷垣法相が再び委員室に戻り、与党議員から、政府案・修正案の質疑があり、採決は金曜日以降に持ち越したようです。与党議員からも参考人の意見には、思うところが多かったとの感想がありました。

 この法務委員会というのは、とても魔性の委員会だと思います。

 春、旅立ちの季節ですが、5年前に民主党衆議院議員を辞職して、名古屋市長に転出した河村たかしさんは「卒業質問」を法務委員会でしました。これは、名古屋刑務所の看守が受刑者を「虐待」したのではないか、との疑惑を民主党が追及し、再現実験をしたところ、放水量が1ケタ違い、10倍だったということがありました。この実験は河村さんではない議員が主導したものです。ただ、河村さんは、名古屋刑務所の刑務官を支援する側に回り、名古屋市長転出後も裁判傍聴をしています。河村さんは「これで(国会を)ご無礼することになりますが、法務委員のみなさんにはあとをついでほしい。というか、真相を解明してほしい。地獄の苦しみを刑務官に味あわせないでほしい」と語り、当時の森英介法相が「河村委員が、自分のある時期の言動に対する贖罪意識を持って、何とかして、自分なりの意思表示をして目的を貫徹しようとなさったその情熱と倫理観とそれから心意気にはまことに心から敬意を表します」と答弁しました。

 たまたま偶然ですが、河村さんと同じ高校の同窓にもなりますが、田嶋要さんも下野後に、法務委員会の筆頭理事となり「法学部卒業ということ以外、なんゆかりもないのに」と驚きながら通常国会をこなし、その後も委員として残っています。今国会では「刑事訴訟法で死刑は6か月以内に執行することになっているのに、実際に(行政府である法相が)執行の命令がそれを過ぎていることの法的根拠は何か」と質問しています。さらに横路孝弘・前衆議院議長も、昨年の厚労委員を経て、今国会では法務委員になっています。

 このように法務委員に魔性のように吸い寄せられる力はどこにあるのか。私はこの分野は得意ではないので、上の方の記述にもいつも以上に間違いは多いだろうと思うですが、一つ言えるのは、国権の最高機関である国の唯一の立法機関なのだから、法務委員会とくに、刑事関係法はその体系の頂点にある。その一方、法務省は矯正施設の整備を除けば、裁判官、検察官らの定員・人件費が主なので、予算によるコントロールにはなじまない面があるのでしょう。そこで、予算審査を終えて、解散も参院選もない、2014年、こうやって法務委員会で参考人質疑がされ、自民党議員もその感想を率直に語りながら、法案審査にあたるということになったのだと考えます。

 なんとなくだけど、ずっと引っかかっていたこと。この2014年国会という貴重な機会に、少しだけ分かったような気がしました。

[当ブログ内エントリーから引用はじめ]

【当ブログの予想が的中】河村たかしさんが辞表を提出 当選5回・勤続15年9ヶ月【春・旅立ちのとき】

 河村さんは刑務官は冤罪であるとの考え方をもっているようです。

 河村さんは「これでご無礼する(国会議員を辞する)ことになりますが、法務委員のみなさんにはあとをついでほしい。というか、真相を解明してほしい。地獄の苦しみを刑務官に味あわせないでほしい」と述べ、一瞬感極まりました。

 森法相は「河村委員は(刑務官が受刑者を死に至らしめたとの考えに基づいて国会審議にのぞんでいた)自分のある時期の言動に対して(現在公判中の刑務官=被告人は冤罪だという考えに変わったことへの)“贖罪”の意識を持って情熱を燃やしてこの問題の究明に当たってきた。おそらく民主党員としての行動ではなく、河村たかし一個人としての正義感だと思う。心から敬意を表したい」と個人の立場で答えました。

[当ブログ内エントリーから一部引用おわり] 

[河村たかしさんの卒業質問の全文引用はじめ]

○山本委員長 次に、河村たかし君。

○河村(た)委員 河村たかしでございます。
 私も本当に皆さんにはお世話になりまして、ありがたいことでございます。嫌われた方も多いと思いますけれども。
 中小企業をずっとやってきまして、本当にトラックに乗るのもフォークリフトに乗るのもどえらいうまいんですけれども、名古屋の皆さんのおかげで出させていただいて、いろいろな委員会をやりましたけれども、こういう場でやらせていただくと、つくづく思うのは、本当に税金で食うというのはありがたいことですね。これはぜひ、きょうは何人かおみえになりますので、よくよくそういうことをお忘れにならぬように。
 税金を払う方は、去年の秋口ぐらいからどえらい苦しみですよ、本当に。だけれども、税金で食う方は極楽。こういう八百長の社会を正すのが、本来、議会の役割だということで、私はこれを庶民革命と言っておりますけれども。政治というのは、そもそもこれは国王と庶民の延々たる闘いだったんです。だけれども、議会が国王側についたんではないかと。後でちょっと大臣にも聞きますけれども。
 何でかというと、収入が税金になってしまった、全部、議会とか政党の。税金で食う人というのは役人ですから。今苦しい方は税金を払う方ですからね。本当に税金を払っておる方の、商売をやっている方なんかは本当にこけですよ。銀行のために毎日生きておるようなものだ。これは一体どうなっておるんだと。
 では、そもそも議員は本当にそういう人たちの味方なのか。何のために議員と議会があるんだということをつくづく考えながら、総理をねらう男でございましたけれども、このたび名古屋の総理の方を目指させていただきたい、こういうことになったわけでございまして、皆さんにおかれましては、ぜひ庶民革命、議員はあくまで納税者の方の味方をしてもらわなければいかぬ、国王の味方をしてはいけませんということを要望させていただきたいと思います。
 それで、特に法務の方は何遍もやってきましたけれども、これも予算委員会におりましたときに、民主党の幹部の方から、名古屋の刑務所でとんでもない暴行事件がある、それで、こんなものでは話にならぬので厳しく追及して、森山さん、おみえになるけれども、ちょっと言い方は悪いですけれども、森山法務大臣の首をとってくれと。本当のことを言いますと、そういう話だったんです。
 私も、新聞報道から、ここでやっておる議論、あれは国会から始まったんですから、刑務官が暴行したと。名古屋の刑務官が暴行して、受刑者を二人死に至らしめて、一人はけがをさせたということを言った。真相、わからへんじゃないですか、はっきり言いまして。
 それで、聞くところへ行ったら、みんな法務省の説明ばかり。それからマスコミを見るばかりということで、ほぼ二回、そうだと思って、刑務官が暴行した、とんでもないという質問をしましたところが、これはうそだとわかった。これは後で言いますけれども。
 これで、私はこの委員会で謝罪しまして、彼らに対する罪を償うために、延々と、もう四、五年になりますか、やってきておるけれども、こんな明らかなことでも後戻りできない、この委員会と司法というのは一体どういうものかということで、これは大臣、今回の事件だけにとどまらず、これはまた今から言いますけれども、先ほど言いましたように、被告人の権利を守りながら真相を追及するといって、こんなに国会でやって、僕がこれだけ提示しても、法務省たる者がおっても、こんなばかげた公判が維持されているということは、今後のためにも一遍検証せにゃいかぬ、これは本当に。何でこんなことが起きてしまったのか、後で言いますが。
 ここはまず委員長、ちょっと。
 これは一般的なテーマに置きかえてもいいけれども、こういう法務委員会とか、委員会が間違えたときなんかに、どうやってそれを正していくのかということについて、一遍御協議いただきたいんだけれども、どうですか。
○山本委員長 理事会で協議します。
○河村(た)委員 こうやっていきますと、一応足跡が残りますのでということでございます。
 まずちょっと最高裁、来ていますので。
 そもそも、経験則に反する判決というのは効力があるんですか。
○小川最高裁判所長官代理者 一般的に申し上げますと、第一審で経験則違反の判決が仮になされたといたしますと、それは控訴理由になるということでございます。
 控訴審において、それが経験則違反だという判断がされて、事実誤認があるんだ、そしてその誤認が判決に影響を及ぼすことが明らかだ、こういう判断がされるということになれば、それは原判決が破棄されるということになると思いますし、またそれは、上告審においてもそれは経験則違反だということが認められて、その結果、判決に影響を及ぼすという重大な事実の誤認があるんだ、かつ、原判決を破棄しなければ著しく正義に反する、こういうことが認められるという場合は、その判決は破棄されるということになります。これは一般論でございますけれども。
○河村(た)委員 最高裁で確定してしまった場合、後でちょっと内容を言いますけれども、ちょっと一般論で言っていかぬと、後で逃げられることはわかっていますので。
 最高裁で確定してしまった、明らかに世の中であり得ないことが、その場合はどうなるのですか。
○小川最高裁判所長官代理者 最高裁で仮に確定したというか、どこで確定するかいろいろあると思いますけれども、確定すれば、それは確定した判決の効力ということで、法的に尊重されると思います。ただ、再審とかそういうものもございますので、それはまた手続が始まるということもあるかもしれません。
○河村(た)委員 小川さんにちょっと聞きたいけれども、水道の水を一・五メーターぐらいの距離から人間にかけて、肛門が切れて、直腸が切れて人間が死ぬと思いますか。
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 なかなか、そういう個別の話でございますけれども、一概にどうというふうにお答えするというのはちょっと私、難しいと思いますので、ちょっとお答えは御勘弁いただきたいと思いますが。
○河村(た)委員 いやいや、お考え自体。
 あなた、人間として生きておるわけでしょう、人間として御立派に、最高裁の、あの裏口からしか傍聴に入れぬところで。あそこで生きておられて、人間の、自分の、自然界の……。朝、顔を洗われるわけでしょう。水道の水で洗っているでしょう。その同じ水道で、一・五メーターぐらいの距離から水をかけられた人が死ぬと。
 これって何とも思わぬのですか。あり得ないんじゃないんですか、素朴に言って。
○小川最高裁判所長官代理者 繰り返しになって申しわけないんですが、なかなか、どう思うかとおっしゃられましても、それは一概に言えないと思いますので、ちょっとお答えは差し控えたいと思います。
○河村(た)委員 だから、こういうことから冤罪というのは起こるんですよ。
 こんなの、はっきりしゃべればいいですよ。水道の水であったら、それが本当の水道の水であって、通常の使用によって、それを一・五メーターから水をかけたところで、死ぬわけないじゃないですか、そんなもの。それなら、手を当てたら、何でこれがずたずたに切れぬのですか。そのぐらい言ったらどうですか。ごく常識人の感覚としてですよ。
○小川最高裁判所長官代理者 再度の御質問で、また私、繰り返しでお答えして申しわけないんですけれども、ちょっとお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○河村(た)委員 こんなばかな話はない。もっと直截に話をすればいいんですよ、一般論としてだけどと言って。
 この間、お見せしたでしょう。あのときおみえにならぬかったかな。厚生労働省の水道課ですか、通常の水道水で事故をした例は一件も聞いておりませんと。それから名古屋市の水道局、一件もありません。それから、ここは個別になりますけれども、当時、刑務所で使われていた荏原のポンプ、実物、製造メーカー、今まで、過去、同型種を入れて、何千万台ですか、使用によって一度も事故はありません、こういうふうに言っておるんですよ。
 そういうところでも、一般的にですよ、答えられないとしか言えないんですか。それが常識なんですか。裁判官には常識は語れぬのですか。何なんですか、もう一回、ちょっとしゃべってください。
○小川最高裁判所長官代理者 何度も繰り返しになって申しわけないんですけれども、ちょっとお答えは控えたいと思います。
○河村(た)委員 何遍も言うから言いますと、本当に大臣、私、これは引き継いでいかないといかぬもので、後で聞きますけれども、あなたの部下ですけれども、刑務官が今の嫌疑で、みんな今有罪判決を受けて、民事は確定してしまっておるんです、最高裁で、国家賠償請求が。みんな地獄の苦しみを味わっておる。その端緒は、何と国会だったということです。
 つい五、六年前は、この国会の法務委員会、今と全然様相が違います。とんでもない刑務官だと。そのときの刑事局長が今の検事総長をやっておられる樋渡さんですよ。それから当時の官房長が今東京高検の検事長の大林さんですよ。五年前は全く違っておったんですよ。
 そういう人たちはみんな偉い様になっておるじゃないですか。そのときに猛烈にバッシングして、その刑務官たちが地獄の苦しみを味わう。それで国会は後は知らぬ顔。最高裁に言ったって、ろくに、当たり前の答弁もようせえへん。
 なぜこんな過ちを生じたのか。それでなぜ国会と法務省は後ろ戻りできないのか。これは本当に、よほど考えないといかぬですよ。
 ということで、もう何遍も言っておりますけれども、革手錠もありますけれども、革手錠をやって、ベルトを引っ張って、それで中の血管が切れることはあると思いますか。中のですよ、表面じゃないですよ。そんなのあるわけないですよ、こんな話は、ちょっと考えれば。実験をやればすぐわかるけれども、法務省は絶対実験をやらぬのよ。こんな残酷な話がどこにあるかということです。
 ちょっと事実を確認しておきますけれども、委員長、この間、資料を出しましたけれども、あの五年前に国じゅう大騒ぎした事件の放水というのは、実は消火栓というのは屋外消火栓とあって、僕も間違えたんだけれども、ここに消火栓と書いてあるんですよ、刑務所の中にある消火栓です。そこから消防用ホースを三本とって、ホースは消防用ホースだ、それから筒先も、ダブルアクションノズルといいまして、消防に使うものだ。だから、消火栓というところから水をとったら、それはいわゆる消防の水だと思ったわけ。私も思いました。いわゆる出初め式に使う高圧ホースだと。
 だけれども、何と屋外の消火栓というのは、あれは実は、そこまでは普通の水道なんですよ。そこからつないで、普通の場合は、消防車に一たんつなぐんです。消防車に消防用ホースをつないで、消防車でポンプで加圧して、それを消火に使う、こういう順序なんです。
 だけれども、これはちょっと矯正局長に確認しておきますけれども、何遍も答弁いただいておりますけれども、あの十二月の名古屋刑務所の当該事案のとき、あのときは、屋外消火栓からホースをつないで、ホースは消防用ホースだった、筒先も消防用のノズルだったけれども、その間には加圧はなかったですね。
○尾崎政府参考人 委員御指摘の消火栓と申しますのは、所内の各所に給水される給水配管、いわゆる水道に接続されていたものと承知しております。
 水道に送水する際は一定の加圧が加えられておりましたけれども、その後、そこから取り出して、委員御指摘のように、何か消防自動車のような加圧ポンプで加圧したということはございません。そのように承知しております。
○河村(た)委員 大臣、今よく聞いておいてもらったですね。
 いいですか、水道の前にポンプがあるのは当たり前ですよ。水道用の送水ポンプ、四キロぐらいに加圧しておるらしいんですけれども、そこからとって、消防用器具は使った、使い古しのものだったんだけれども、穴もあいておったんだけれども、そこからは加圧していない水だったんです。
 これで大臣、今の話を聞いておって、そういう水を、ちょっと言い方は悪いけれども、本当にノズルをしりの穴に突っ込んで、それなら別ですよ。うんちまみれになって、最後はそうなるらしいんですけれども、そういう人を、ふろへどうしても連れて行けぬ人の体を一・五メーターから洗った。刑務官たちは、後でタオルでふいているんですよ。それで本当に肛門が切れて死ぬと思いますか。大臣、どうですか、今のを聞いて。後ろのお偉い様に聞かずに、本当に常識で答えてちょうだい。
○森国務大臣 後ろの偉い様というのは無礼千万だよ。僕の秘書官だよ。(河村(た)委員「ごめんなさい。失礼いたしました」と呼ぶ)言葉に気をつけて。(河村(た)委員「はい、わかりました」と呼ぶ)
 お答えすると、今、公判係属中のケースについて、法務大臣として答弁するのは控えます。ただ、AであればBということであって、それが仮に真実あるいは経験則であっても、私は、委員からの、これはAだということ、それからBだということが確認できませんから、それについては何とも申し上げられません。
○河村(た)委員 しかし、一遍調査してみようということは、何遍も私は言っておりますけれども、これは再発防止義務といって別にあるんです、私は行政には何遍も言っておるけれども。これはもう確認されていますよ、前の矯正局長なり法務省の場合。
 だから、要するに、衛生管理が必要なふん尿がついた受刑者をやはりきれいにせにゃいかぬでしょう、その務めはありますわね。そういうときに、同じ水道の水であるけれども、量が少ないと、時間がかかるなり、こびりついちゃうから非常に落ちにくいわけです。うんちというのはそういうものらしいですよ、私も聞きました、かりかりになっちゃうと。だからデッキブラシなんかで洗わにゃいかぬことになるから、水量だけざあっと出るという処遇はしてはいけないか、いいのかというのはわからぬでしょう。
 だから、少なくとも、法務省の中庭でもどこでもいいですけれども、大臣、裁判とは別に、将来のために一遍実験してみようじゃないかというお気持ちにはなられぬですか。
○森国務大臣 先ほど申し上げましたように、まさに公判係属中のケースでありますから、私から答弁するのは差し控えます。
 また、今は委員がそういうふうにおっしゃいますけれども、その状況と全く同じことをそんな簡単に再現できるとは私は思いません。
○河村(た)委員 いや、これは実は簡単にできるんですわ。当該名古屋刑務所へ行けばいいわけですよ。これは実はよくわかっておる。わしらも失敗したんだ。消火栓からとっているから、直感的にいわゆる消防用の放水だと思っちゃったんですね。
 私も京都で実験をやりに行きました。これは消防用設備でやっちゃったんです、圧力だけ〇・六キロに合わせて。消防用設備の人からすると、〇・六キロなんて物すごく低い水圧で、そんな水圧じゃおかしいじゃないですかと言っておったんだけれども、それから厚生労働省にかけたら、厚労省の人が、いや河村さん、これは実は普通の水道なんだから、水道でやらなきゃだめですよということになって、わかったんです。
 だから、今、名古屋刑務所に行きますと、当時のポンプと同じものがあるかどうか知りませんけれども、要するに、井戸水を揚げるポンプが要りますわね。それでタンクに入れて、そこから、ここでもそうですよ、こういうところでも、一般的な水道水、一たんやはりポンプで加圧するわけです。これはそれでやっています。
 だから、どこでもいいんですよ、どこも同じですから、パスカルの原理で。大臣、昔習ったと思いますけれども。とめておるときですけれども、水圧をかけるとみんな同じところから出るので、どこからでもそこに通っているんですね。もし同じだったら、そこに消防用ホースを三本なら三本つないで、当該ダブルアクションノズルもありますから、それをそのままかければ同じ実験ができます。
 ですから、本当にこれはやられたらどうですか。刑務官というのは大臣のかけがえのない部下ですよ。よく話として、刑務官は通い修行で、物すごい苦労があるなんて格好いい話ばかり幾らでも出てきますけれども、実際に困っておる人を救わぬというのはおかしいと思いますよ。どうですか、大臣。
○森国務大臣 ですから、公判係属中のケースですので、私から答弁申し上げません。
○河村(た)委員 こういうことなんですけれども。これはいいんですかね、本当にこういうことは。
 裁判所なんて全然だめじゃないですか。一たんされた誤解、消火栓からとった水はいわゆる高圧放水であると、国会と法務省、それからマスコミが断定してしまったら、もう戻れない。この日本の司法、これは本当に大丈夫ですか。裁判員制度をやっておるから特に言うんですよ。日本というのは、原点のところで間違えたときに戻れない国になっておるんじゃないの。
 ということで、それでは、これは刑事局長かな、こういう公判というのは漫然と維持していいんですか。
○大野政府参考人 個別事件については、もちろんお答えできないわけですけれども、公判中の事件につきましては、当然検察官は、弁護側の主張も踏まえて、必要な主張、立証を行うわけでございます。法と証拠に基づいて適切に公判活動を遂行しているというように理解しております。
○河村(た)委員 しかし、今、尾崎さんが、実は普通の水道の水と同じ配管につながれていて、そこから一切加圧がなかったと言われたんでしょう。そうすると、大野さんも、そういうものでも、弁護側が立証するとか、そういう条件にあくまでかからしめて、そんなことでは肛門括約筋が切れるわけないではないかと、これは筋肉が切れているんですから、そのぐらいのことを思わぬのですか。これはどうなんですか。
○大野政府参考人 名古屋刑務所事件に関連するお尋ねということになりますと、お答えを差し控えさせていただきたいというように思います。
○河村(た)委員 大野さん、何遍も言って悪いけれども、個人的には余り恨まぬようにしてちょうだいよ。いつお互いに年を食って老人会の旅行で会わなならぬかわからぬでね。それはしようがないんですよ、人を救わないかぬから。
 高圧の放水をかけたというのは告発状に書いてあります。違っていたわけだよ。告発だったら、これは明らかに法務省の仕事ですよ。それは自分で訂正しなくてもいいの、大野さん。
○大野政府参考人 先ほども申し上げましたように、現在、この事件は高裁の有罪判決を受けて最高裁に上告中であるというように理解しております。そうした現在進行中の事件につきまして、法務当局から意見を申し上げるのは適当でないというように考えております。
○河村(た)委員 いや、それは間違っておりますね、明らかに。それは、法務省は国会に明らかに中間報告として報告しまして、ここにですよ、委員会に。五年前、その議論ばかりやっておったんですから、ここで。消防用ホースで高圧の水をかけたという前提で。
 何ですか、何か火事をやった場合、山火事になった場合は、放火した人は責任ないんですか。後は消防署の責任になるんですか、これは。どうですか、局長。
○尾崎政府参考人 委員御指摘の告発につきましては、その当時の調査結果からそのような告発に至ったものというふうに承知しております。
 そのほか、名古屋刑務所事案にかかわる個別の事案につきまして評価をお尋ねでございますけれども、現在公判係属中の事件にかかわる事柄でございますので、答弁を差し控えたいと思います。
○河村(た)委員 まあ正義がないですわ、これは。組織を守るためには全部覆い隠す、こういうことですよ、これは。裁判じゃないですよ。自分たちが国会で……。
 では、告発状にある高圧と書いてあるやつを訂正してくださいよ。
○尾崎政府参考人 いずれにいたしましても、その告発関係は、現在公判係属中の事件にかかわっております。その告発について訂正等をすることは適当ではないというふうに考えております。
○河村(た)委員 何がないんですか、一体。自分の責任で書いた文書ですよ、これは。裁判に行ったら、後は全部そっちのせいになるわけですか。告発した人は、告発した人の責任がありますよ、当然別個に。そうじゃないですか、これは。
 では、水は高圧でなかったのか、あったのか。どっちなんですか、これは。
○尾崎政府参考人 まさに委員御指摘のように、その水圧がどうであったのか、それから、それによってそういう傷害が生じて死亡に至ったのかどうか、この点は現在係属中の刑事事件のまさに争点となっているところでございます。したがいまして、そういう点に関する評価に関しましてお尋ねでございますけれども、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○河村(た)委員 だから、これは本当に委員長、後で、僕がおらぬようになってから考えておいてほしいんだけれども、現代的冤罪というのがあると私は思うんですね。昔の冤罪というのは、やはり犯人が違っていたような場合ですね。今のように、組織を守るために事故や何かを隠すというやつで、真犯人が別にいる場合、特に、組織の上の方の過失だった場合、現場の人間が、故意犯で、地獄の苦しみを味わっていく。残念ながら、最高裁も、これは裁判所がそれに対する最後のとりでだと言うじゃないですか、失敗してしまうということで。
 ちょうど森山さんがおみえになるんですけれども、これが実はあのときの話です。僕らも追及してきた方です。あれは五年前でしたか、六年前ですかね。これはとんでもないというのが、実はあれは消防用の加圧された水ではなくて通常の水道水だったという、とんでもない失敗ということですね。
 ということでございますので、何遍も言っておりますけれども、尾崎さん、これは調査せぬと。検事の偉い様に言うのは本当に心もとないんだけれども、これは犯罪を構成するんじゃないですか。調査をすれば容易にわかると。もうわかってきましたよ、自分でしゃべっているんだから、普通の、通常の水だったと。それで、厚生省も名古屋市も、ポンプをつくった荏原も、とにかく一切けがはなかったとはっきり書いているんです。当たり前じゃないですか、そんなこと。ここで水道から水をとって、一・五メーター先からしりにかけたときに、何がそんなことで死ぬんですか。
 そんな公判を漫然と維持して、自分の部下である刑務官に地獄の苦しみを味わわせている、そういうことを放置している。その一番最初の端緒も、尾崎さんじゃないけれども、皆さんの部下である刑務官が告発している。これだけそろっておって、放置して、刑務官に不利益を与えるのは、公務員職権濫用罪かね。これは何か犯罪にならないんですか、本当に。どうですか。
○尾崎政府参考人 行政調査をすべきではないかというお尋ねだと思いますけれども、いずれにいたしましても、繰り返しになりますけれども、この事案につきましては、いずれも現在刑事裁判として係属中でありまして、まさに御指摘の点が争点となっておって、攻防の対象となっております。
 そういう点を考えますと、その推移を見守りながら、適切に対処するというふうに考えていきたいと思っております。
○河村(た)委員 そんなことは攻防の対象になっとらんですわ、そんなもの。単なる誤解があっただけのことで、皆さんがそういうことを言ったものだから、裁判所だって、検察官と、それから国会とマスコミがこれだけ有罪であると断定したものをようひっくり返さぬだけですよ、はっきり言いまして。
 委員長、こういうのをどうしたらいいんですか。国会が間違えたのをどうしたらいいんですか。私は、五年前の、ちょっと森山さんに答えてほしいぐらいですわ、本当に、あのときのことを。みんな、私に何を言ったのという話ですよ、そのときのことを思えば。私も誤解させられていたということでしょう、はっきり言えば。だと思いますよ。
 これは委員長、どうしたらいいですか、こういう場合。
○山本委員長 私に聞かれても、お答え申し上げかねます。
○河村(た)委員 国会は最高機関だということになっておりますし、国民の皆様に向かって正しいことをやらないかぬ。少なくとも、冤罪の引き金をつくる機関であってはいけないでしょう。
 僕は、ここまで委員として五年間やらせていただいて、しかし、真相解明に向けて何の力もないということになったら、余り人を非難することはできないんじゃないですか、こうなってきたら。
 もう一回聞きますけれども、大臣は法務省のお立場で言われるのでいかぬと思いますけれども、これはやはり委員長ですね。委員長の意見でいいじゃないですか、国会の委員長として。こういう、国会が間違えるというときはないんでしょうか。
○山本委員長 何ともお答え申し上げかねますので、質疑を続けてください。
○河村(た)委員 いや、これだと困っちゃうよね。後の質問にも関連しますけれども、そう中立だということはないですよ。やはり委員長というのは立派ですから、本来は、本当に。自分の意見を言ってもらわな困りますよ、これは。
 ということでございまして、委員の皆さんにおかれましては、まあこれで私も御無礼することになると思いますけれども、こういうとんでもない悲劇がここで行われたということだけは、ぜひ記憶にとどめておいていただきたいどころか、ぜひ真相解明のために後を引き継いでいただきたい。地獄の苦しみをしておる刑務官たちを助けてやってほしいと思います。
 それでは、あと、議員というものはどういうものかということについて。
 今回のこういう議論もそうですけれども、何か党に右に倣えになっちゃってね、大臣。一般論ですよ、今やっているのは。議員個人個人の表決というのはできないし、僕は世襲を全部悪いとは言いませんけれども、ブッシュ大統領も世襲でしたけれども。余りにこれはひどいんじゃないかということを考えたときに、大臣の印象として、まず現状としてどうですか。あるべき国会とか議員というものが大臣のイメージとフィットしているのか、それともそうでないのか、どうでしょうか。
○森国務大臣 私は、河村委員のかねてからの御主張であるパブリックサーバントですね、やはり国会議員というのは公に奉仕するものだというふうに思っています。それが、現状がどうかというと、それはやはり隗より始めよで、自分がそういう思いを肝に銘じて国政に邁進することこそが自分の存在証明になると思っていますから、そういう思いで臨んでおります。
 また、あと、党に右へ倣えということですけれども、確かにそれは、党議拘束ですとかそういうことは、各政党、会派の方針に一にかかっておるところだと思いますけれども、ただやはり、生命倫理にかかわることだとかそういったことについては、場合によっては党議拘束をなくして、議員が一人の人間存在として自分の意思表示をするという場面があってもいいんじゃないかということは思います。
○河村(た)委員 今回の刑務所の話で、なぜこんなことが起きたかというと、一つは、やはり民主党は追及する側、自民党は守る側ということで、いわば一種の団体戦みたいになっちゃっているんですね。だから、攻撃する方は攻撃することばかりでだあっといきますので、それで、何人かが、いや、それはちょっとおかしいじゃないかとなっても、まあ結局理事会でもそうですけれども、なかなか少数で物事を、例えば法案を出していけるふうにはなっておらぬでしょう。
 だから、今の党議拘束の話がありましたけれども、それは大まかなのはいいですけれども、議員がもし党議拘束に全部従うのなら、議員の数というのは党の数だけあればいいんじゃないですか。そう思わないですか、大臣。
 もし、党議拘束に全部拘束されるなら、今生命倫理と言われたことはあれとしても、そうなれば、要するに議員の数というのは党の数だけあればいいんですか。そう思わないですか。あとは党の職員にしたらどうですか、全部。
○森国務大臣 ちょっと先ほど来の議論を聞いて、自分の所感も含めて申し上げると、河村委員が、自分のある時期の言動に対する贖罪意識を持って、何とかして、自分なりの意思表示をして目的を貫徹しようとなさったその情熱と倫理観とそれから心意気にはまことに心から敬意を表します。
 ただ、私の立場で申し上げると、やはり例えば三権分立を尊重しなきゃいけないとか、そういった法務省の立場もありますし、こういう答弁になりますけれども、委員のこれまでの行動に対しては私は心から敬意を表します。
 それは恐らく、別に民主党員としての行動じゃなくて、河村たかし個人としての行動で今日までやってこられたと思いますけれども、私はそのことについては敬意を表しますけれども、やはり政党政治ですから、それは多くの場合は、政党の目的でもってその所属議員がそれなりの方向性を持って行動するというのも、これまたけだし当然だろうというふうに思っております。
○河村(た)委員 政党政治といいますけれども、大臣、ここからはちょっと普通の議員の話でいいんですけれどもね。
 政党に全部となると、いろいろな公約をしますね、議員というのは選挙のときに。有権者というのはやはり公約に従って入れるというのが本当の姿ですね。だけれども、党議拘束というのは選挙が終わってからされますね、その当選したメンバーで。となると、有権者からすれば、約束したことよりも、その後、党によってその議員は行動することになりますので、そうなるとすると、有権者というのはいわゆる投票の基準をなくすんじゃないですか。どうですかね。
○森国務大臣 いよいよ法務大臣としての立場を離れますけれども、これは最後の機会でしょうから、私も率直に意見を申し上げたいと思います。
 やはりそもそも、小選挙区制というのが導入された時点に、やはり二大政党を志向した制度だと思うんですね。これはそういうことでもって、おのずからこれは二大政党に収れんしていくのだろうというふうに私は思いますけれども、ただ、例えばアメリカの場合のように、二大政党とはいっても、いろいろな法案ですとかテーマによっては議員が個々で投票行動をするというようなこともあるわけですので、やはりこういう時代になって、議員が、基本的には私は、その政党の一つの目標に向かって同じ方向で行動するということは妥当であると思いますけれども、事によっては、やはり個人個人の意思が尊重されてしかるべき場合もあるということは当然あるというふうに思っております。
○河村(た)委員 私は議員というのはもっと立派なものだと思うんですけれどもね、それこそ一人一人が。立派というのは、威張っておるとか金があるという意味じゃないですよ。全国民の代表と書いてありますしね。特に信託関係で選ばれたんだから、自分に投票した人に対して忠実であるべきだ、そもそも。党は党で、一つのアバウトな感覚はあっていいと思いますけれども、だから、何かあったときに、やはり議員の理念、自分に投票した人との約束、これが議員にとって一番重いんじゃないでしょうか、党で決めたことより。これはどうですかね。
○森国務大臣 基本的には私もそう思います。ただ、やはり同じ志を持って一つの方向に向かって進む者が集まってできたのが党だというふうに考えると、必ずしも党の利害と個人の有権者との約束とが相反するものになるとばかりも限らないと思います。
○河村(た)委員 そういうことですけれどもね。それは、党は党で一つのくくりだと思いますけれども。
 では、党で決めたことと自分の理念と異なった場合ですね。イギリスでもあったんですけれども、イラクへブッシュさんが軍隊を送ったときに、イギリスのブレアさんですかが送りまして、賛成してくれといって国会で決議を出しておるんですけれども、このときに、労働党の大臣は、三人ですけれども、上院が一人か、下院が二人だったですかね、これはわしらは反対だと言って、大臣をやめて反対票を投じておるんですね、議院内閣制の国でも。
 こういう姿がやはり、政党はあっても、もっと議員が個人でそれぞれ投票するようになると、政党は、例えば歴史的に言えば、アメリカでいえば、金持ちの共和党とか庶民の民主党とか、多分そういうふうに分かれていきますね、理念。こういうふうに機械的に分けるんじゃないかな。
 だから、そういうような、どちらか対立したときには、個人の有権者との約束を重要視する。森大臣の場合は、キャビネットにおる場合は総理に従わなきゃいかぬです。なぜかといったら、党議拘束じゃなくて行政権は一体だからです。
 森さんが、いや、これは総理はそう言っているけれども、私はこういう理念でやってきて、有権者にも約束している場合は、そちらに従って、大臣をやめてでも従う、こういう姿の方が本来の議員だとは思われぬでしょうか。どうでしょうか。
○森国務大臣 私は国会議員になって、もちろん、当初から自民党に所属して足かけ二十年になりますけれども、これまで党議に反した行為をしたことは一度もありません。強いて言うならば、党議に反するほど党と私の理念とが反したことは、これまでなかったということです。
○河村(た)委員 そう言われると何とも言えぬのですけれども、そう個人の考えておることと党が全部合いますと、反対に、大臣、これは党の職員みたいになっちゃいますからね。(森国務大臣「そんなことはないよ」と呼ぶ)そんなことはないと思いますか。議員ってもっと、自分自身の信念とか理念とかいうのがやはり強くあらわれる、特に国が間違った方向へ行こうとするときにちょっと待ったと言うのは、これは一番大事な仕事でしょう。
 そういう中で、ちょっともう一つの話なんだけれども、今、十五年ぐらい前に、二大政党制とかいうことで、政党交付金も導入されて、自民党の方はまだ寄附が結構残っておると思いますけれども、民主党なんかの場合は寄附は余りありませんので、議員がほとんど税金による収入になってしまった。
 だから、本来は寄附金による議員活動を目指すべきだ、そうは思われぬでしょうか。
○森国務大臣 そういうことになってしまいましたから従っておりますけれども、認識は河村委員と私は一緒です。
○河村(た)委員 そう言ってもらうとありがたいんですけれども。
 これは、僕は、十五年前の政治改革は間違えたんじゃないかと思いますね。まあ、リクルート事件なんかがありまして、何か寄附をもらうと悪いことが起こるということで、税金の方に走ってしまった。税金の方に走りますと、税金を出す人の味方になりますから、議員と役人の連合軍になっちゃうんですね。
 だから、本来はやはり寄附でやっていくというんだけれども、ここで重要なのは、私は実は、五年前に企業献金をみずからやめまして、それで、やはり年間、四、五百万減りました。うちのかみさんと秘書から、暴挙であるということで、私もとんでもないことをやったもんだと思っておりますけれども。
 よく日本人は寄附しないと言われるんだけれども、よく考えてみると、日本の皆さんというのは税金でもう払っちゃっていますから。政党交付金を払っている、一人三百円ずつでしたか、それから議員に対するお金でも、税金で払っちゃっていますので、やはり寄附をするということになると、これは二重払いになるんですね、よく考えてみると。
 だから、私は、将来は、議員とか政党というものが、やはり一たん本当の実費ぐらいにして、国民の皆さんから浄財をもらえないことには、そのかわりオープンにせないかぬですよ、もらえないことには政治活動ができないというふうに戻して、やはり政治を寄附金化すべきではないかと思うんですけれども、どうでしょうか。
○森国務大臣 私も基本的にはその方が望ましいと思っています。
○河村(た)委員 そう言っていただくと、どなたかが……(森国務大臣「法務大臣としてではなく」と呼ぶ)結構でございます、個人の議員としてでございますけれども。
 こうなるとどうなるかというと、多分、自分はやはり寄附者に忠実になるんですね。寄附者を裏切りますと、そこで、結局お金が入りませんから、議員がそのものを続けられなくなるというふうになると思うんですよ。
 そんなことでございまして、それからもう一つよくあるのは、そういうことにすると金持ちしかならぬというふうにすぐ言いますけれども、これは明らかにうそだ。今こそ金持ちばかりです、悪いけれども。普通の人はなれません。なぜかというと、税金で議員をやったらやめないからです。寄附で議員をやるということは大変つらいことですから、間違ったらお金が途絶えてしまうということでございますので。
 時間が来ましたからやめますけれども、ぜひ、大臣初め皆さんにおかれては、もっと議員が自立して、個人森議員というか、河村議員はもうすぐ終わりますけれども、山本議員とかいうことで、本当に国民から一人の自立した人間として尊敬されるような、そういうような国会になっていってもらうように、また、国会が庶民革命の、税金で食っておる人の、国王の代弁者じゃなくて、税金を払っている、本当の苦しみを毎日毎日味わっている人たちの代弁者になる、そういうふうに、お祈りじゃないけれども、していってもらいますようにお願いしたいと思います。
 以上で終わります。

[全文引用おわり]


津村啓介・民主党青年委員長「科学技術の司令塔を内閣府8号館に」「橋本行革間違ってない」NIH法案

2014年03月25日 16時07分36秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

[画像]日本版NIH法案について質問する民主党の津村啓介さん=衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【2014年3月25日(火)衆議院本会議】

 関税定率法改正案(186閣法15号)とIDA国際開発協会への出資枠を30億ドル追加する法案(186閣法16号)が参院に送られました。ただし、両法案とも附帯決議がつきました。衆通過後、すぐに参・財金委で審議入りしました。衆・総務委ではNHK予算(186承認1号)が審議入りしました。

 ◇

 本会議では、アメリカ国立衛生研究所(NIH)に範を取った、日本版NIH法案が審議入りしました。

 法案は、健康・医療戦略推進法案(186閣法21号)と独立行政法人日本医療研究開発機構法案(186閣法22号)の2本セット。これは誰が趣旨説明をするのかと思いきや、無難なところで、菅義偉・内閣官房長官。「内閣に本部を置く」「理事長、理事、監事を置き、理事長と監事は(内閣の)健康戦略推進本部の意見を聴いた上で指名し、長期計画をつくる」などと説明しました。

 これに対して、民主党の津村啓介さんが質疑に登壇。

 津村さんは具体的に「8号館」の活用を提案。合同庁舎8号館のことで、現在「本府ビル(ほんぷびる)」などと呼ばれる内閣府本府の隣に建設中の高層ビル。津村さんは、「(橋本行革前に総理府に置かれていた)旧科学技術庁の司令塔機能は評価されるべきだ」との認識を示し、「8号館に科学技術関連の部局を集めるべきだ」として、科学技術立国ニッポンの将来像を具体的に明示しました。

 津村さんにとっては、「橋本行革の理念は間違っていない」として、内閣官房・内閣府の機能強化の理念は引き継ぐべきだとの考えを示しました。

 この法案とは別に、衆・内閣委員会では「内閣府設置法を改正し、今の総合科学技術会議を総合科技・イノベーション会議に衣替えする法案」(186閣法9号9)を審査中です。

 津村さんは「(内閣府の)山本一太大臣と西村康稔副大臣のリーダーシップで法案が出ている。今回の法案は、屋上屋を重ねるようなものではないか」として、総合調整機関の新設を批判しました。さらに「なぜ、山本大臣を法案の担当にしないのか」と菅官房長官をただしました。


[画像]日本版NIH法案で、民主党の津村啓介さんに答弁する、山本一太科技相、2014年3月25日(火)の衆議院本会議。

 答弁に立った、山本科技相は「私の所管のもとで、昨年、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)をつくった。内閣官房のなかで、私の所管の医療・健康戦略室もかかわっていきたい」と答弁しました。事実上、内閣官房内での主導権争いに苦労していることをうかがわせました。山本大臣は「津村議員のご激励もいただいたいので、連携強化に取り組んでいきたい」と声を張り上げました。

 「鉄腕アトム」は科学技術庁長官の天満博士が誕生させたという設定になっています。しかし、アトムが人間ではない、という当たり前の現実に失望した天満博士がアトムを見捨ててしまい、お茶の水博士が引き取ったというストーリです。

 津村さんは、岡山県選出としても、麻布学園出身者としても、橋本さんの後輩にあたります。津村さんは4期ながら民主党青年委員長をつとめています。

 現実に失望して見捨てられた民主党の理念も、ひきとってその志を継いでくれるお茶の水博士のような人物がいてほしいものです。


3月24日(月)のつぶやき

2014年03月25日 00時59分14秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

きょうから「後半国会」のスタート。6月22日の会期末までの3か月間「法案作り」になります。当然、衆議院と参議院両方で審議時間が足りるかどうかは常に考えることが大事です。#kokkai

5 件 リツイートされました

昨年、次に向けた「大震災復興法」ができて、震災対応はヒトヤマ越えた感じがします。地味だけど、今後5年~10年~50年の日本を形作る法案が審査されます。スキャンダル暴きはなくても熟議の国会が期待されます。#kokkai


#kokkai きょうは午後1時から参議院沖縄・北方特別委員会が開かれます。沖縄振興特別措置法の改正案が審査される見通し。

1 件 リツイートされました

沖縄・北方特別委員会は、現在唯一、衆議院と参議院とも民主党員が委員長をつとめる委員会です。その委員会が後半国会初日に開かれるのは、責任政党と言っていいでしょう。#kokkai


昨年の国会は、条約の承認案件をスピーディーに審査しました。それでも、今国会は20本以上の、条約の承認案件が積み上がっています。とくに原子力協定は「党内外に異論」という状況。衆外務委、参外防委の理事会の攻防が繰り広げられています。#kokkai

1 件 リツイートされました

#kokkai
法案を読むには、参議院のウェブサイトが便利です。
sangiin.go.jp/japanese/joho1…
そのうえで、各省庁が書いた解説を参考にしてください。
e-gov.go.jp/link/bill.html

2 件 リツイートされました

第186回国会は現在、法案およそ100本、条約およそ20本、承認案件およそ20本が議題になっています。まずは、関心のある分野をチェックしてみてください。#kokkai

1 件 リツイートされました

後半国会がスタート。参議院沖縄および北方特別委員会(林久美子委員長)が開議。「沖縄振興特別措置法の改正案」(186閣法5号)を山本一太沖縄担当相が趣旨説明。#kokkai

2 件 リツイートされました

参議院沖縄および北方対策特別委員会は法案の趣旨説明だけでおわり、散会しました。#kokkai

3 件 リツイートされました

「後半国会スタート、沖縄振興特別措置法改正案が民主党衆参委員長の沖縄北方特別委で審議入り」#kokkai goo.gl/TzucS8

1 件 リツイートされました