(この記事の初投稿日時は、2014-04-12 22:50:34で、そこからバックデートしました)
【2014年3月27日(木)衆議院本会議】
民主党2期生の玉木雄一郎さん(香川2区)が初めてひな壇に上り、野党議員ながら答弁しました。
大串博志さん、鷲尾英一郎さんとともに、民主党提出の「農業者戸別所得補償法案」と「ふるさと支払い3法案」を趣旨説明。政府提出法案について、安倍晋三首相、林芳正農相とともに各党から質問を受けました。
[画像]趣旨説明する玉木雄一郎さん。
結いの党(江田憲司代表)の1期生、林宙紀さんからの質問では、初めて本会議答弁に立ちました。原稿は置きながらも、目は通せないノールックの答弁。
[画像]本会議では初めて答弁する玉木雄一郎さん。
玉木さんは答弁で
「林宙紀議員に質問いただきました。ありがとうございます。せっかくなので、少し丁寧にお答えさせていただきたいと思います」
「太陽政策と北風政策というものに大きく分けるとしたら、例えば、生産調整をやめて米価の下落を容認する、あるいは、前の品目横断のように、一定の面積以上に交付を限定する。これは一つの考え方でしょう」
「我々、農政をやってみて一番考えたのは、例えば米は、一年間に一回しかつくれない、ここに時間の概念が入ってくるので、現場を押さえて丁寧に物事を進めていかなければいけないというのが結論であります」
「その中で、我々の考える構造改革の考え方は、先ほども申し上げましたけれども、全国一律の交付単価を設置することによって、具体的に言うと、二ヘクタール以上の農家では収益が出ますけれども、反当たり一万五千円を交付したのでは、二ヘクタール未満の農家については、この交付金をもらってもなお赤字になります。そうすると、収益の出る領域に移行していくためには、面積を集積するなり、あるいは、さまざまな構造改革を講じることによってしか営農を継続することはできなくなってしまいます。ですから、反当たり一万五千円の全国一律単価を設置することによって、いわば静かな構造改革を促していく」
などと答弁しました。
アナウンサーの経験もある林さんは、玉木答弁についてTwitterで
「野党案提出者は張り切って原稿ノールックで詳しく答弁したのですが… ちょっと長かったのでヤジが飛ぶなか苦笑いしてたら「林さんも長いからもういいって言ってるぞ!」というヤジも。(言ってないし)」
詳しくはブログでまとめることにして。今日野党案にも質問したのは6会派中、結いと民主だけ。野党案提出者は張り切って原稿ノールックで詳しく答弁したのですが… ちょっと長かったのでヤジが飛ぶなか苦笑いしてたら「林さんも長いからもういいって言ってるぞ!」というヤジも。(言ってないし)
— Hiroki Hayashi (@linkspace) March 27, 2014
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と感想をしたためていました。
[国会会議録データベースから抜粋引用はじめ]
第186回国会 本会議 第11号
平成二十六年三月二十七日(木曜日)
(前略)
○議長(伊吹文明君) 次に、提出者玉木雄一郎君。
〔玉木雄一郎君登壇〕
○玉木雄一郎君 民主党の玉木雄一郎です。
農業者戸別所得補償法案及びいわゆるふるさと維持支払い三法案について、その提案理由及び内容を説明いたします。
まず、戸別所得補償法案についてであります。
我が国農業の現状を憂い、民主党政権下で導入をしたのが、戸別所得補償制度であります。その結果、農業所得が回復傾向に転じ、農家の皆さんからも高い評価を得てきました。
自民党に政権交代した後の一年間も含む四年間、何の変更もなく安定的に続けられてきた農政は、ほかになかったと思います。猫の目農政からの脱却を図り、農家の予測可能性を高めてきた制度を、政権がかわったからという政局的な理由で変更することは、生産現場に混乱を与えるものであります。この戸別所得補償制度を安定的な制度とするため、今般の法案を提出した次第であります。
この法律の最大の目的は、恒常的にコスト割れをしている米、麦などの生産を行う農業者に対し、そのコスト割れ部分を補填することで、価格のいかんにかかわらず、再生産可能な農家所得を直接補償し、農業経営の安定を図り、あわせて多面的機能の維持を図ることであります。いわゆる欧米型のダイレクトペイメントの制度を参考にして導入した制度であります。
ただし、政府・与党案との大きな違いは、私たちは、麦、大豆などだけではなく、米の生産についても恒常的なコスト割れが生じていると認識し、必要な支援策を講じることとしていることであります。
米については、国境措置以外の対策は不要だとする政府・与党案とは、根本的に考えが異なります。しかし、その国境措置でさえ守られるのかどうか、農家は不安な気持ちで、今、TPP交渉を見守っています。
もちろん、私たちも、農業の構造改革を否定するものではありません。
そもそも、全国一律の交付単価を導入することで、例えば、二ヘクタール以下の農家については、交付金を受けてもなお、コストのギャップを埋め切れません。そのため、面的集積を通じて生産コストの低減を図るインセンティブが、制度の中にビルトインされています。つまり、戸別所得補償制度は、いわば、静かな構造改革を促す制度となっています。
なお、米の固定支払いについては生産調整を前提としておりますが、逆に言えば、交付金を放棄すれば、生産調整にかかわらず、今でも、幾らでも生産することができますし、安くつくった米を幾らでも輸出することができます。
つまり、民主党政権下で戸別所得補償制度が導入されたことを機に、自民党が進めてきたいわゆるペナルティー型の減反制度については既に廃止されており、いわば、事実上の選択的な減反制度に既に移行しております。
よって、安倍政権で四十年ぶりに減反制度を廃止したとの発言は、全く事実に反します。
次に、農地・水等共同活動の促進に関する法律案について説明します。
農村集落における共同活動は、農業生産活動を維持し、あわせて多面的機能を維持する上で不可欠であり、共同で行う水路や農道の保持に必要な費用について支援することとしております。
ただし、本法案が政府・与党の日本型直接支払いと大きく異なるのは、私たちの案は、あくまで非農家も含めた共同活動を支援対象とし、農村コミュニティーの維持、ふるさとの維持を明確な法目的としていることであります。
これに対し、政府・与党案は、従来の農地・水の制度の中から、農家のみの団体でも交付が受けられる新しいカテゴリーを切り出し、日本型直接支払いを創設したとしておりますけれども、私たちの案では、個々の農家の活動によって発揮される多面的機能の支援については、あくまで戸別所得補償制度によって行うものと明確な整理をしております。
必ずしも個々の農家への直接支払い、つまりダイレクトペイメントにはなっていない制度を無理に日本型直接支払いと呼ぶことで、政府・与党案は、生産現場に混乱を与えるとともに、制度や事務を複雑にする可能性が高く、問題があると考えています。
次に、中山間地域その他の条件不利地域における農業生産活動の継続の促進に関する法律案について説明します。
中山間地域その他の条件不利地域における農業生産活動は、国土の保全といった、金銭的には評価しにくい恩恵を国民にもたらしています。しかし、こうした地域での営農継続は他の地域より困難であるため、その生産条件の不利性に着目し、それを補正しようとするのが、本法律案の目的であります。
なお、私たちの案では、政府・与党案とは異なり、支援の要件となる条件不利性について、単に傾斜の度合いだけではなく、分散錯圃の状況など連担化の困難性などにも着目し、平地における条件不利地についても交付可能な仕組みとしております。
最後に、環境保全型農業の促進を図るための交付金の交付について。
これについては、有機農業など自然環境の保全に資する農業を推進するため、こうした農法の費用を補填することとしております。
以上が、これら法律案の提案理由及びその内容であります。
私たちは、私たちの理念に基づき、また、三年三カ月の実績も踏まえ、農家にとって、そして日本の農業にとってベストだと思える案を取りまとめました。農家所得の向上や農村集落の維持の観点からは、政府・与党案よりもすぐれているとの自負があります。正々堂々議論を行ってまいりますので、何とぞ、十分な審議時間を確保していただき、徹底した審議の上、可決していただきますようお願い申し上げ、私からの提案理由説明といたします。(拍手)
――――◇―――――
農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)、農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案(内閣提出)、農業者戸別所得補償法案(第百八十三回国会、大串博志君外六名提出)、農地・水等共同活動の促進に関する法律案(大串博志君外六名提出)、中山間地域その他の条件不利地域における農業生産活動の継続の促進に関する法律案(大串博志君外六名提出)及び環境保全型農業の促進を図るための交付金の交付に関する法律案(大串博志君外六名提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(伊吹文明君) ただいまの農林水産大臣及び玉木雄一郎君の趣旨の説明に対して質疑の通告がありますので、順次これを許します。まず、齋藤健君。
〔齋藤健君登壇〕
○齋藤健君 自由民主党の齋藤健です。
(中略)
○議長(伊吹文明君) それでは、次の質疑者、寺島義幸君。
〔寺島義幸君登壇〕
○寺島義幸君 ただいま議題となりました、政府提出、農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案、農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案、民主党・無所属クラブ、生活の党、社会民主党提出、農業者戸別所得補償法案、農地・水等共同活動の促進に関する法律案、中山間地域その他の条件不利地域における農業生産活動の継続の促進に関する法律案、環境保全型農業の促進を図るための交付金の交付に関する法律案について、民主党・無所属クラブを代表して質問をいたします。(拍手)
まず、減反の廃止について伺います。
昨年十月、産業競争力会議農業分科会で方向性が示された生産調整制度、いわゆる減反制度の見直しは、年末に向け、戦後農政の大改革かのように報じられました。先週三月二十日、平成二十六年度予算成立後の記者会見においても、総理は、減反の見直しに触れ、強い農業をつくっていくための一方策のように語られました。
しかし、昨年十二月に農林水産業・地域の活力創造本部で決定された農林水産業・地域の活力創造プランにおける中身を見れば、果たして減反については、五年後という時期は書き込まれているものの、一体となって取り組むとしか記載されておらず、廃止なのか、見直しなのか、五年後にそもそも何がなされるのか、極めて不明瞭であります。
このような不安定な状況に置かれている農業者の皆様方からは、大変多くの不安の声が寄せられております。ぜひ、この場で、減反は、廃止なのか、継続なのか、明確に総理から御答弁をいただきたいと存じます。
次に、新たに示された経営所得安定対策の将来的な廃止とその影響について伺います。
民主党政権において導入した、日本初の直接支払い制度である戸別所得補償制度は、一昨年十二月の安倍政権発足以降も、経営所得安定対策として実施されてきましたが、今般、定額支払い部分の減額や将来の廃止など、大きな制度変更がなされることとなりました。私たちは、このような制度変更が拙速に行われることに、大変大きな危惧を感じています。
戸別所得補償制度と、新たな農政の展開となった選択的減反制度の導入により、過剰作付面積は、二〇〇七年の七万一千ヘクタールから二〇一二年には二万四千ヘクタールに減少するなど、着実にその成果はあらわれておりました。
しかし、今般の制度変更がなされることで、過剰作付が増加するのではないか、その結果、米価の低下が引き起こされてしまうのではないかと危惧をいたしております。米価の低下は、つまり、農業者個々の所得の低下であります。
今般の政策変更を通じ、米価はどのように作用するのか、下がるのか、下がらないのか、農林水産大臣の明確な見解を求めます。
次に、過剰作付米対策としての、飼料用米への誘導強化について伺います。
今回の制度改正に伴って、飼料用米、米粉用米について数量払いが導入され、主食用米からの転作が誘導強化されることになっております。
農林水産省資料では、潜在需要を四百五十万トンとしていますが、現在の生産量は十八万トンにすぎず、転作を誘導したとしても、国内での消化がそもそも可能であるのか、疑問であります。
また、そもそもの種子の確保、主食用米への混入防止、飼料用米を原料として使用する工場が北・東日本地域に集中していることから生じる流通コストの問題など、急激に伸ばそうとしている飼料用米を取り巻く課題は、山積しているという言葉だけでは足りないほどあります。今回の対策が絵に描いた餅に終わらないのか、強い危機感を感じております。
このようなさまざまな課題の解決に向け、どのような具体的な方策をお持ちなのか、農林水産大臣の明確な答弁を求めます。
関連して、政府提出の、いわゆる日本版直接支払い制度について伺います。
政府による、経営所得安定対策、すなわち戸別所得補償制度としての米の定額支払いの将来的な廃止により、農業所得の減少が大変危惧されます。
政府は、この課題については、日本版直接支払いで担保されるかのような説明をされてきました。しかし、今般政府から提出された農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案を見る限り、交付金の交付は農業者団体に対して行われるものであって、何ら直接支払いではありません。なぜ、このような制度設計であるにもかかわらず、直接支払いなどと呼ばれるのか、農林水産大臣から説明をお願いいたします。
あわせて、法律により恒久化されることで、各農業者の皆様の事務負担が過重になるのではないか、心配される声が多数寄せられております。今後の事務負担軽減に向けてどのような取り組みがされるのか、農林水産大臣の答弁を求めます。
次に、日豪EPA交渉について伺います。
報道によれば、日豪EPA交渉について、昨日、閣僚会談が行われ、四月上旬にも予定される首脳会談で合意に至るのではないかと報じられております。
日豪EPAについては、二〇〇六年十二月、衆議院農林水産委員会において、米、麦や牛肉、乳製品、砂糖などの重要品目を除外か再協議の対象とする、交渉期限を定めない等を決議しております。今後、しっかりこの決議を遵守していかれるか、総理の明快な答弁をお願いいたします。
次に、民主党・無所属クラブ、生活の党、社民党提出の農業者戸別所得補償法案について伺います。
民主党政権で始まった農業者戸別所得補償制度について、今回、その恒久化に向けた法案を提出されましたが、政府において決定された改革案の問題点を踏まえ、改めてその制度の必要性を御説明いただくと同時に、旧来実施してきた戸別所得補償制度との違いについて、提案者の答弁を求めます。
あわせて、民主党・無所属クラブ、生活の党、社民党提出のふるさと維持支払い三法案について伺います。
ふるさと維持支払い三法案は、政府提出法案への対案として提出されたと認識しておりますが、政府案との違い及びその違いを是正することによらなければ解決し得ない課題について、提案者の答弁を求めます。
先ほどから触れております、農林水産業・地域の活力創造プランでは、これが第二次安倍内閣の農林水産行政の方向だとし、産業政策と地域政策を車の両輪として、農業、農村全体の所得を今後十年間で倍増させることを目指すとし、また、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村をつくり上げると高らかに宣言しております。
何度読み返しても、違和感が払拭されません。確かに、成長戦略としての農産物輸出など、産業政策の側面はあるでしょう。コミュニティーの支え手としての地域政策の側面はあるでしょう。しかし、その土台は、営農の安定継続をゆるがせにしないようにする農業政策そのものであり、その上にこそ、産業政策があり、地域政策があるはずであります。
農政を語るとき、農政に与野党なしという言葉がよく使われます。農業者のことを思う気持ちは、農政に携わる者は誰も同じであるという意味づけも大事ですが、それ以上に、日々、作物と向かい合い、天候に左右されながらも、私たちの食卓に農産物を安定的に送り届けてくれる農業者が安心して営農を継続するためには、強いとか美しいなどと浮ついた言葉に流されることなく、大地に根差した政策の土台にこそ目を向け、時の政権与党の判断一つで左右されてはならない強固な思想、制度を、立法府の責任においてしっかり築かなければなりません。
そのためにも、安倍政権が進めようとしている、将来を見通せない農業がいいのか、私たちが今回対案としてお示ししている、安定的に農業者を支える、将来を見通せる農政がいいのか、ぜひ徹底的な議論をすることをお約束申し上げ、私の質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 寺島義幸議員にお答えをいたします。
米の生産調整の見直しについてお尋ねがありました。
政府としては、農地のフル活用を図り、食料自給率、食料自給力の維持向上を図っていく観点から、これまで、行政が配分する米の生産数量目標に従って農業者が作物をつくっていたものを、五年後を目途に、農業者がマーケットを見ながらみずからの経営判断で作物をつくれるようにするとともに、需要のある麦、大豆、飼料用米等の生産振興を図ることを内容とする、米の生産調整の見直しを行うこととしております。
今後、こうした方向に沿って、農家の方々に丁寧に御説明しながら改革を進めてまいります。
なお、施政方針演説などにおいては、こうした政策の内容を一般の方々が理解しやすいよう、いわゆる減反の廃止と述べてきたものであります。
日豪EPAについてのお尋ねがありました。
日豪EPAについては、御指摘の衆議院農林水産委員会の決議をしっかり受けとめ、国益にかなう最善の道を追求するよう、引き続き、妥結を目指して交渉に取り組んでまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣林芳正君登壇〕
○国務大臣(林芳正君) 寺島議員の御質問にお答えいたします。
米政策の見直しが米価に与える影響についてのお尋ねがありました。
今回の米政策の見直しでは、水田活用の直接支払い交付金を充実し、数量払いの導入など、飼料用米等のインセンティブを高めるとともに、産地交付金も充実し、地域の創意工夫を生かした産地づくりを進めるほか、国による、きめ細かい需給・価格情報、販売進捗・在庫情報等の提供等を行うことによって、行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、農業者みずからの経営判断によって需要に応じた生産を行える環境をさらに整えていくこととしております。
米の価格は、基本的には民間取引の中で決定されますが、こうした取り組みを通じて、引き続き、米の需給と価格の安定を図ってまいります。
飼料用米についてのお尋ねがありました。
飼料用米については、輸入トウモロコシと遜色ない価格で供給できれば、四百五十万トン程度の潜在的な需要が見込めるものと考えております。
今後、飼料用米の一層の生産、利用拡大を進めるためには、低コストで省力的な栽培技術や多収性品種の導入、需要先の確保や飼料用米の円滑な流通体制の整備等を進めることが重要です。
このため、多収性専用品種や直播栽培の導入、多収性専用品種の種子の確保に向けた種子転用の環境整備、主食用米への混入防止対策を記載したマニュアル作成と現場への指導の徹底、耕種側の乾燥調製貯蔵施設や畜産側の加工・保管施設の整備等への支援、耕種農家と畜産農家のマッチング活動、配合飼料工場での長期的、計画的な供給、活用のための情報提供等を一体的に推進しております。
最後に、日本型直接支払い制度を直接支払いと呼称すること及び法制化による農業者の皆様の事務負担についてのお尋ねがありました。
一般的に、農業者に対する支援策として、関税の設定などで農業者を間接的に支援する価格支持に対しまして、補助金を支払って農業者を直接的に支援するものを直接支払いと呼んでおります。
我が国においても、中山間地域等直接支払いや農地・水保全管理支払いなどのように、共同活動を行う地域の組織に補助金を支払うことにより、最終的に農業者を直接的に支援する手法を導入しております。これらの施策においては、我が国では、欧米とは異なり、水田を中心に農業が地域ぐるみで営まれていること等から、地域のまとまりを単位として、活動組織や集落という地域の組織を対象とした支払いを行っているところであります。
今般本格的に導入することとしている新たな制度も、このような枠組みの制度とすることとしており、こうした特徴を踏まえて、日本型直接支払いと称しております。
また、法律に基づく制度とすることに伴い、農業者等の事務負担が過重とならないよう、現場の意見や現行制度における事務の内容も踏まえ、事務の簡素化を図っていきたいと考えております。(拍手)
〔大串博志君登壇〕
○大串博志君 寺島議員に御答弁申し上げます。
戸別所得補償に対する御質問をいただきました。
御質問のように、私どもが提案をいたしております農業者戸別所得補償法案は、民主党政権時に実施しておりました戸別所得補償制度を恒久化するため、提案をさせていただいているものでございます。
日本の農業を取り巻く環境は、農業所得の減少、担い手の減少、高齢化、そして耕作放棄地の拡大による農村の疲弊などから、食料自給率の低下につながっております。
このような中で、食料安全保障の観点からも、農地を維持していくことが農政における喫緊の課題であり、そのため、欧米では一般的な、規模や形態で差別せずに、コスト割れ部分を国が責任を持って補填する直接支払い制度が、農業者戸別所得補償制度であります。
民主党政権で初めて導入以降、結果として、農業所得は着実に回復し、全国一律の単価を用いたがゆえに、全体の一割である五ヘクタール以上の農家に予算の六割が集中投下されるという結果をもたらし、その結果として、担い手の育成を後押しし、集落営農数が増加するなど、着実な構造改革が進んでおりました。これがファクトでございますので、念を押して申し上げさせていただきたいというふうに思います。
安倍政権におきましては、経営所得安定対策として名称を変え継続されましたが、今般の改革において、何ら根拠を見出せない中で、突然、米の交付金が半額にカットされ、そして五年後には廃止、そして、具体的な需要の全く見通すことのできない飼料用米への転作誘導強化などが決定されました。
このような拙速な制度変更がなされることともなれば、着実に減少傾向にあった過剰作付が再び増加し、米価が、不測の中で、低下するのではないかという大変な危惧がございます。私たちが育んできた農業、農村は壊滅的な打撃を受けるのではないか、大変強い危機感を抱いてやみません。
そのような危機感から、改めて、農業者の皆様に大変好意的に受けとめていただいていた戸別所得補償制度を恒久化すべく、法案を提出させていただいた次第です。
制度の概要ですが、基本的には、従来実施しておりました戸別所得補償制度と違いはございません。ただし、従来の米価変動補填交付金と収入減少影響緩和対策、いわゆるナラシ対策を整理統合し、国と農業者の拠出で実施される収入減少影響緩和交付金を新たに導入するとともに、三年以内に野菜や果樹を含む総合的な所得保険制度の創設、これを盛り込んでおるところでございます。
今回の農政改革は、今後の農政に極めて重要な岐路となります。政府案と私どもの案のいずれが、真に農業者の立場に立ち、先の見通せる農政となっているのか、ぜひ委員会においてしっかりとした議論を尽くさせていただきたい旨申し上げさせていただき、答弁にかえさせていただきます。(拍手)
〔鷲尾英一郎君登壇〕
○鷲尾英一郎君 寺島議員にお答えいたします。
御質問のように、私どもが提案をいたしておりますいわゆるふるさと維持支払い三法案は、政府提案の農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律案への対案として提案をしているものであります。その違いについて、理念と施策双方から御説明をいたします。
まず、理念について御説明いたします。
私どもは、農業、農村が発揮すべき多面的機能は、あくまで、農業生産活動の安定した継続を目指した施策の先にこそあるものと考えております。農業生産活動が持続的、安定的に継続される中で初めて、各地域に根差した農業生産活動に即して、地域の特色たる景観の保全や、農業生産活動をより効果的に行うための環境保全、生産方式に沿った地域コミュニティーの再形成などがなされ、よって多面的機能の発揮がなされるとの理解でございます。
そのため、いずれの法案におきましても、その目的規定におきましては、農業生産活動の継続や農業生産方式の普及を第一義に置き、多面的機能の発揮は副次的に資するものと定めており、多面的機能の発揮促進を前面に出す政府案とは、その理念において、大きな違いがございます。
次に、各施策の違いについて御説明いたします。
私どもの三法案の大前提は、現在予算措置で実施されている事業といかに連担性を持たせ、現場で施策を利用している農業者に混乱が生じないかという点に留意しつつ、制度設計をしております。
その上で、より農業者の皆様にとって活用しやすいよう、農地・水保全管理支払いにおきましては、交付単価の一律的取り扱いを改め、地域の積極性に合わせて柔軟に取り扱うこととし、中山間地域等直接支払いにつきましては、勾配の斜度のみならず、平地における条件不利性も認めるなど、より実質的な取り扱いをしております。
また、数年分の交付金の継続活用や事務手続の一層の簡素化等、実務上の負担をできるだけ軽減することとしております。
さらに、昨今の農地の現況を踏まえまして、農振農用地以外の農用地への交付等、柔軟な交付が可能となるよう設計をいたしております。
環境保全型農業直接支援につきましては、政府案のように都道府県、市町村を通じて交付されることによって生じる現場の混乱を回避するべく、工夫をしております。
政府案に比べまして、現場の声、これまでの予算措置に基づく交付金の実務実態に即して、より活用しやすい交付金制度となるよう設計しており、ぜひ委員会において議論を尽くしていただきたいと考えております。
以上です。(拍手)
〔議長退席、副議長着席〕
―――――――――――――
○副議長(赤松広隆君) 次に、村岡敏英君。
〔村岡敏英君登壇〕
○村岡敏英君 日本維新の会、村岡敏英でございます。
(中略)
○副議長(赤松広隆君) 次に、樋口尚也君。
〔樋口尚也君登壇〕
○樋口尚也君 公明党の樋口尚也でございます。
(中略)
○副議長(赤松広隆君) 次に、林宙紀君。
〔林宙紀君登壇〕
○林宙紀君 結いの党の林宙紀です。
ただいま議題となりました各法律案につきまして、結いの党を代表して質問いたします。(拍手)
初めに、政府提出の法案について伺います。
昨年の秋、報道において、農政の大改革という文字が躍りました。その中心たる内容は、本法案にも強く関連する、生産調整、いわゆる減反の廃止です。四十年も続いてきた農政の基本方針を一気に転換し、いよいよ本気で改革を進めるのかと、非常に期待しました。
しかしながら、政府から示されたプランには、減反あるいは生産調整の廃止という言葉は見当たらないどころか、転作のための補助金を残し、主食用の米の生産を実質的に調整する内容で、いわば、形を変えた減反政策と言えるものになっています。
総理が頻繁におっしゃっていた減反廃止という言葉から国民がイメージしたものとは随分と異なる姿になっていると思いますが、総理は、これをどのようにお考えでしょうか。
減反あるいは生産調整の目的について、農林水産省は、米の需給を調整するのが目的で、米価はその結果であると、常に説明をします。しかし、農林水産省が農家向けに作成しているパンフレットにおいては、「米価安定・経営安定のためには生産調整の確実な実行が不可欠です」と書いてあります。米価を高く支えるために生産調整を行ってきたということは明らかです。これについて、農林水産大臣の見解を伺います。
結いの党は、減反あるいは生産調整の廃止、これは、行政が介入せず、市場原理に基づいて米価が形成されることを意味すると考えますが、その結果として、米価の下落は十分に想定されます。
これまで米価が高く維持されたことは、消費者の負担によってそれを支えていたことにほかなりません。また、税金による転作補助金を、生産調整を達成する手段としていることは、消費者の負担に納税者負担も加えた、二重の負担を国民に課していることになります。
消費者負担を減らし、また、国際競争力の強化につながる意味でも、米価の低下は消費者にとってはむしろ歓迎されるべきもののはずですが、これについて総理の見解を伺います。
ところで、今回の法案にある、生産条件不利補正交付金、いわゆるゲタ対策は、生産に要したコストと販売額との差に相当する額を交付するものですが、その金額の算定に際し、生産に要したコストとして使う全額算入生産費には、実際に経費としての支払いは一円も発生していないもの、例えば、自作地地代といって、もし自分の土地を他人に貸したら入ってくるはずのお金という、架空の金額も含まれています。これは経済学で言う機会費用に相当するものですが、実際には支払っていないものを費用として考えるのは、交付金の額を不当に高く見積もっていることになるととられかねません。
透明性の高い交付金にするためにも、算定に使用する生産費の考え方を見直す必要があると思いますが、農林水産大臣の見解を伺います。
さて、今回の法案は、日本型直接支払いも大きな要素の一つです。
農業、農村の有する多面的機能の維持発揮に国が支援をする意義は十分にあります。しかし、政策的に高く維持されてきた国内農産物の価格は、まさにこの多面的機能の維持が目的であるという理由で、これまでも正当化されてきました。つまり、既に多面的機能の維持には支援がなされてきたということになります。
日本型直接支払いは、同じ目的に対して二重に支援をすることになり、この重複を解消するには、農産物の価格を下げるか、この支払い自体をやめることが必要だと考えますが、農林水産大臣に見解を伺います。
結いの党は、市場原理に基づく米の価格下落は容認し、その下落分に対して一定の補償をするEU型の直接支払いを参考に、農業の構造改革を進める考えです。これまで農産物を買うときに消費者が負担していた分を、税金による負担に置きかえるということになるため、そのことは、十分に国民の皆さんに説明をする必要があります。
一方で、これまで、高い消費者負担と納税者負担を強いて農業を保護してきた理由を、歴代の政府は、十分に国民に説明をしてきたでしょうか。
スイスでは、農業直接支払い政策を導入するに当たり、憲法を改正して対応し、その際、国民投票を行いました。結果として、およそ八割の国民が賛成をしたそうです。
我が国において憲法改正まで行う必要があるかどうかは別として、決して少なくない予算を充てて支援をする以上、国民に対し十分に説明するということは不可欠です。
総理、今後の農政について、国民にどのように理解を求めていくお考えか、御答弁をお願いします。
続いて、民主党、生活の党、社民党提出の法案について伺います。
戸別所得補償制度は、EU型直接支払いの思想を一定程度取り入れたものであり、究極的に目指す方向性は同じとも思える一方で、本法案については、幾つかの疑問点がございます。
第一に、生産調整は撤廃すべきという我が党の考え方からすると、主食米所得補償交付金における、生産調整に従うことという交付条件は削除した上で、交付の対象を、耕作の規模など一定の要件で限定すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
第二に、戸別所得補償制度により集落営農化が進んだとの御説明がありましたが、昨年の集落営農数は、前年に比べて、およそ百減少しています。この点について御説明をお願いします。
第三に、全体として、目指す大きな方向性が私たちと同じであるならば、御提案の仕組みは、私たちが主張する形の直接支払い制度に移行する前段階と理解してよろしいのでしょうか。お考えをお聞かせください。
結いの党は、食料生産の場としての農地、そして多面的機能を発揮する場としての農地を維持発展させることは、食料安保や国土保全の観点から国益に大きく資するという意味で大変重要であり、その意味においての支援こそ、農政が担うべき役割であると考えています。
農業が持つ本来の力を十分に引き出し、国益に資する真の攻めの農業の実現に向け、既得権益とは真っ向から闘うことを改めてお誓い申し上げ、私の質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 林宙紀議員にお答えいたします。
米の生産調整の見直しについてお尋ねがありました。
政府としては、農地のフル活用を図り、食料自給率、食料自給力の維持向上を図っていく観点から、これまで、行政が配分する米の生産数量目標に従って農業者が作物をつくっていたものを、五年後を目途に、農業者がマーケットを見ながらみずからの経営判断で作物をつくれるようにするとともに、需要のある麦、大豆、飼料用米等の生産に助成し、その振興を図ることとしております。
これは、四十年以上続いてきた米の生産調整を見直すものであり、御指摘のような、形を変えた減反政策といったものではありません。
また、こうした政策の内容を一般の人にお話しする際には、理解しやすいよう、いわゆる減反の廃止と述べてきたものであります。
米価についてお尋ねがありました。
主食用米の価格については、需要動向等に応じて民間取引の中で決定されており、生産コストの低減も反映され、長期的に低下してきております。
政府としては、今回の農政改革において、農地集積による生産性の向上などを通じ、生産コストの低減にしっかりと取り組み、先ほど申し上げたように、米の生産調整の見直しを進めていくこととしており、今後の米の価格についても、こうした中で、民間取引により決定されていくものと考えております。
いずれにせよ、こうした取り組みを通じて、農業を活力ある成長産業としていくとともに、多くを輸入に依存している麦、大豆や、需要の見込まれる飼料用米などの生産振興により、食料自給率、食料自給力の維持向上を図り、消費者への食料の安定供給を確保していくことが重要であると考えております。
農業支援の意義の説明についてお尋ねがありました。
これまで、歴代の内閣においては、その時々の農政の課題に対応するため、法律や予算を通じてその意義を明らかにし、国民の皆様の理解を得ながら、必要な施策を講じてきたものと考えております。
しかしながら、我が国農業は、食生活の大きな変化や農産物価格の低迷等への対応が十分に進まず、農産物価格の低下等による農業所得の減少、担い手の減少と高齢化の進展、耕作放棄地の増大など、現在の状況は厳しいものとなっております。
今回の改革は、こうした状況を一つ一つ克服し、我が国の農業について活性化を図っていくことで、将来にわたって食料を安定的に供給するとともに、美しいふるさとを守る機能を果たしていけるようにするものであり、そうした意義について、国民の皆様への丁寧な説明に努めてまいります。
残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
〔国務大臣林芳正君登壇〕
○国務大臣(林芳正君) 林議員の御質問にお答えいたします。
米の生産調整に関するパンフレットについてのお尋ねがありました。
かつて、平成十九年産米は、需給の緩和等により価格が下落し、担い手を含む稲作農家の経営に支障が生じかねない状況になったことに対応するため、平成十九年末に、生産調整の着実な実施に向けた緊急対策や、市場からの政府買い入れを行いました。
このような中で、平成二十年産米の需要に応じた生産を呼びかけるため、平成二十年に当該パンフレットを作成したものであります。
米の生産調整については、従来から、消費が減少傾向にある主食用米の需要に応じた生産を図ることを目的として実施しておりまして、あわせて、大半を輸入に頼っている麦、大豆や、需要の見込まれる飼料用米の生産を拡大し、食料自給率、自給力の向上を図るものであります。
生産条件不利補正交付金の単価の算定に用いる生産費についてのお尋ねがありました。
生産費については、これまでの価格政策、所得政策の経緯もあって、再生産を確保するのに必要な補填単価を算定する観点から、自作地地代なども含めた全算入生産費を用いてきたところであります。
単価の算定方法については幾つかの考え方があると思いますが、自作地地代は、自分の土地を他の用途に使った場合の機会費用でありまして、これらを考慮することも合理的な方法の一つであると考えております。
次に、日本型直接支払いによる支援が、二重の支援に当たるのではないかとのお尋ねがありました。
今般の農政改革においては、産業政策と地域政策を車の両輪として推進することとしており、地域政策としては、農業の有する多面的機能の重要性等に鑑み、その発揮の促進に必要な地域の共同活動等を支援する日本型直接支払いを政策の柱に据えることとしております。
この日本型直接支払いは、産業政策として実施する施策では支援の対象としていない、地域の共同活動に要する費用、中山間地域等の条件不利地域と平地とのコスト差、環境保全効果の高い営農活動を行うことに伴う追加的コストに着目して支援を行うこととしております。
したがって、二重の支援には該当しないものと考えております。
以上でございます。(拍手)
〔玉木雄一郎君登壇〕
○玉木雄一郎君 林宙紀議員に質問いただきました。ありがとうございます。
せっかくなので、少し丁寧にお答えさせていただきたいと思います。
戸別所得補償制度の交付要件に関して、生産調整に従うことという要件を外した方がいいのではないのか、あるいは一定の規模以上に限定して交付を行った方がいいのではないか。よく聞かれる質問であります。
私は、構造改革を進めていくことについては、林議員と同じ気持ちであります。
太陽政策と北風政策というものに大きく分けるとしたら、例えば、生産調整をやめて米価の下落を容認する、あるいは、前の品目横断のように、一定の面積以上に交付を限定する。これは一つの考え方でしょう。
我々、農政をやってみて一番考えたのは、例えば米は、一年間に一回しかつくれない、ここに時間の概念が入ってくるので、現場を押さえて丁寧に物事を進めていかなければいけないというのが結論であります。
その中で、我々の考える構造改革の考え方は、先ほども申し上げましたけれども、全国一律の交付単価を設置することによって、具体的に言うと、二ヘクタール以上の農家では収益が出ますけれども、反当たり一万五千円を交付したのでは、二ヘクタール未満の農家については、この交付金をもらってもなお赤字になります。そうすると、収益の出る領域に移行していくためには、面積を集積するなり、あるいは、さまざまな構造改革を講じることによってしか営農を継続することはできなくなってしまいます。ですから、反当たり一万五千円の全国一律単価を設置することによって、いわば静かな構造改革を促していく。
もちろん、所得補償だけではありません。農地の集積協力金を出したり、あるいは規模加算を用意したりすることにあわせ持って、農地の集積を促したり、構造改革を進めていくことを我々は目指しているわけであります。
その意味で、規模の話に戻しますけれども、こういった政策をすることによって、実際に、五ヘクタール以上の農家では九八%あるいは九九%の加入率があるのに対して、五反未満の農家に関しては五〇%台の低い加入率にとどまっています。それは、強制的な規模要件を課さなくても、制度の設計によって、事実上、規模の大きな効率的な農家に交付を集中的に促していくことの仕組みを制度そのものにビルトインしているわけであります。ですから、我々としては、規模要件は課していません。
また、交付を、生産調整に加入することを要件に求めておりますけれども、こういったことを制度として行うことによって次第に生産コストが下がっていきます。下がっていくことによって、販売価格と生産コストの埋めるべきギャップを少なくし、財政的な支援の負担もだんだん減らすことによって、生産調整に参加するメリットを減らしていき、究極的には、生産調整に参加しなくても生産が行える農家を大宗にしていこうということを考えているわけであります。
ですから、究極的には、林議員の考えているような方向と同じになるものだというふうに考えております。
もちろん、今後とも、さまざまな制度改善については行っていきたいと考えております。
二つ目の質問でありましたけれども、集落営農数が百ほど減少しているということでありました。
二十二年産米から戸別所得補償制度を導入しましたけれども、二十二年産米に導入した次の年の二十三年度は、その間ずっとなかなかふえなかった集落営農組織の数は、全国で千以上ふえまして、率にして何と八%もふえています。
そして、所得補償を導入してから、この増加傾向については、ある程度ふえてきたんですが、直近の平成二十五年、つまり、平成二十四年の末に政権交代が起こって、平成二十五年には、おっしゃるとおり、百減少しているわけであります。これは、つまり、政権がかわり、政策が変わることに対して農家が不安を感じて、そういったことも一因となって、集落営農組織の数は減ったものだと考えております。(拍手)
○副議長(赤松広隆君) 次に、畑浩治君。
〔畑浩治君登壇〕
○畑浩治君 生活の党の畑浩治でございます。
(中略)
○副議長(赤松広隆君) これにて質疑は終了いたしました。
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○副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。
午後三時五十分散会
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出席国務大臣
内閣総理大臣 安倍 晋三君
総務大臣 新藤 義孝君
文部科学大臣 下村 博文君
厚生労働大臣 田村 憲久君
農林水産大臣 林 芳正君
経済産業大臣 茂木 敏充君
国土交通大臣 太田 昭宏君
国務大臣 山本 一太君
出席内閣官房副長官及び副大臣
内閣官房副長官 加藤 勝信君
農林水産副大臣 江藤 拓君