【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎岡田克也さん、民主党総支部の資金量が個人後援会を初めて上回る「人から党へ」二大政党制の完成へ

2014年05月02日 22時16分02秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]岡田克也・民主党三重県第3区総支部長、小沢切り解散を決めた直後の2012年11月、東京・早稲田大学商学部内で、筆者(宮崎信行)撮影。

 下野後1年目となったきょねん2013年(平成25年)、「民主党三重県第3区総支部」(岡田克也総支部長)の政治資金量が初めて、「岡田かつや後援会」(代表者・岡田克也さん)を上回り逆転したことが分かりました。

 「人から党へ」の流れをすすめ、政権交代ある二大政党政治の完成を目指していることが浮き彫りになりました。

 岡田克也さんはきょう2014年5月2日(金)、自身の公式ウェブサイトで、平成25年2013年(1月~12月)の政治資金収支報告書の概要を発表しました。

 なお、政治資金規正法にもとづく、国民への公開は11月29日(金)ごろになる見通しで、7か月先取りして国民に発表しました。「とことんオープンでクリーンな民主党」、「オープン・ガバメント」を率先垂範するのが狙い。岡田さん関係の政治団体は、「後援会」と「総支部」の2つだけ。現在政治家個人の「後援会」(政治団体)は複数持てますが、岡田さんは1つに絞っており、かつ他の国会議員(候補予定者含む)も同様にするよう、政治資金規正法の改正を求めています。

 岡田さんが、岡田かつや後援会から民主党三重県第3区総支部へお金をシフトしているのは確実

 自民党経世会公認候補という竹馬に乗った政界デビューから24年。「岡田かつやから民主党三重県第3区総支部へ」という政権交代ある二大政党政治の完成に向けたファイナンスがみてとれます。

 もちろん、2012年11月の「小沢切り解散」で、小沢一郎氏を民主党から追放したことによる安心感が最大の深層心理と考えられます。

 後援会、総支部あわせた繰越金は0・9億円となり、第47回衆院選での政権交代に向けて、岡田総支部長が一兵卒として、民主党勝利に全身全霊をかけていることが、ハッキリと見て取れます。

【総支部収入では党本部からの交付金が半減。党本部に第47回衆院選の政権再交代に向けた軍資金が積み上がる】

 民主党三重県第3区総支部の収入は1億1586万円となり、前年初めて1億円を突破して以来2年連続の1億円超えとなりました。ただし、これは単式簿記で、25年の収入、つまり、売上高は、4212万円にとどまります。

 総支部では、総選挙イヤーだった前年に、政党交付金2976万円(党本部から2600万円、党三重県連経由が376万円)を受けていましたが、1163万円に半減しました。

 これは、海江田万里代表・小川敏夫財務委員長率いる党本部が政党交付金を節約しているからで、党大会報告では、当初予算の2倍の「174億円」がことしに繰り越されています。そのうえで、これから2016年夏までに国から総額300億円が振り込まれます。民主党は第47回総選挙で、1小選挙区につき0・5億~1億円に相当の軍資金があり、第3極各党を圧倒することになります。

 総支部財政に戻ります。岡田さんの総支部でも党員・サポーターは、1097人にとどまり、1割減となりました。岡田さんの総支部ですら、わずか党員が129人。私たちが目指す政権交代ある二大政党政治への道のりが遠いと実感し、発奮しました。

 ただ、法人214社から総支部への年平均10万円の寄付は続いています。法人数は与党時とまったく同じ。やはり、損金算入できる法人からの寄付金は安定していると感じさせました。

 法人の寄付金(おそらく定額の引き落とし)は、自動車関連など四日市工業地帯の大企業・中小企業や、商都・四日市の老舗が例年通り多いと考えられます。法人名などは11月末の総務省発表で分かります。イオンからの献金はありません。それは、岡田ファミリー内でお金を回すだけなので、意味はありません。かつて、民主党内で小沢一郎氏、鳩山由紀夫氏に次いで、資金量3位の座を争っていた旧小沢グループのMさんの場合は、父経営の会社から多額の献金を受けていました。それはMさんのファミリー内でお金を回しているだけなので、自分を大きく見せるための虚勢に過ぎません。Mさんは現在落選しています。

【後援会収入では、うれしい個人献金の増加】

 岡田かつや後援会(総務大臣届出資金管理団体)の収入は1億0284万4082円となり、かろうじて1億円台を維持しました。

 岡田かつや後援会では個人献金者が60名。前年の44名から大きく増え、総額も100万円増えました。前年は副総理のほか、規制改革担当の大臣だったので献金をお願いしづらかったのでしょうが、下野後に個人献金が増えたのはうれしいところです。「岡田ガンバレ、二大政党ガンバレ」という声でしょう。とくに後援会の個人寄付金で、確定申告時に寄付金控除を受けた場合(あるいは年5万円以上寄付した場合)は、すべて政治資金収支報告書に献金者の名前や住所が載ります。あえて、載ってでも、岡田さんを応援したいという人が、下野によって増えたのでしょうか。これも11月末になれば分かります。

【総支部支出は人件費が増加】

 総支部からの支出では人件費が増加しています。国費負担の公設秘書(3名)、後援会負担の私設秘書(8名)に加えて、総支部スタッフが1名増え、5名となりました。これは、副総理退任に伴い、大臣秘書官(政務)が、岡田事務所に帰ったことによる調整と考えられます。「地元秘書4名の自家用車の(一部)借り上げ代」も計上。これは過去の一部報道に対して、岡田さんがドヤ顔でその必要性を反論しているところで、相変わらず貫きます。

【後援会支出では交際費半減、行事費、研修費、海外出張費増加で地元と海外で臥薪嘗胆】

 後援会支出では、交際費が半減しました。大臣時代は、代議士としての交際費も、回数も多く、良い場所をとらざるをえなかったのでしょうが、野党になって、回数も、お店のグレードも減ったということになるのでしょうか。

 とはいえ、臥薪嘗胆。行事費が増えました。これは、地元で開催する「座談会」、「オープンセミナー」の開催回数が大きく増えたからでしょう。講師を招いての研修費も増えました。国務大臣でなくなったこともあり、海外出張費(シンガポール、韓国、インド)も65万円へと増えました。


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2014年05月02日 08時59分37秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

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