【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎私たち大人は「少年鑑別所法案」を今国会で成立させる「圧力団体」になろう 声なき声を国政に

2014年05月11日 17時21分29秒 | 第186通常国会(2014年1月)好循環実現国会

 終盤国会(6月22日まで)ですが、入口のドア(衆議院での審議入り)がまだ混雑しているのは、内閣・法務・経済産業・厚生労働の4委員会だけかな、という感じになってきました。

 少年法にもとづく矯正施設を定めた「少年院法」(昭和23年法律169号)を廃止し、「少年院法」と「少年鑑別所法」を分割して新法として設ける関連3法案(186閣法38~40号)。

 2014年2月28日(金)に提出されながら、いまだに審議入りどころか、付託すらされていません。 

 少年鑑別所とは、少年事件において、(1)犯罪少年(2)触法少年とは別にして、(3)虞犯少年(ぐはん少年)について、家庭裁判所が審判にかける前に、「観護措置」として、各県に1つ以上ある「少年鑑別所」に「送致」して、8週間以内で「収容」して、運動や学習をしながら「調査」や「診断」をする法務省の「施設」です。

 虞犯少年とは、家庭内暴力、学校内でのいじめ、学校外での交友関係に関して将来を懸念される少年少女。世間の言葉で言うと、非行少年少女、不良少年少女のことです。

 少年鑑別所は、虞犯少年を「収容」して、心理学、教育学の専門家である職員らが、どうすれば人の道に戻れるかについて、「鑑別結果通知書」にまとめ、家庭裁判所に送ります。

 家庭裁判所は、それを見て、「少年院送致」にしたり、「保護観察」にしたり、「審判不開始」にしたり、「不処分」にしたり決定します。

 すなわち、「不処分」になる場合があるのです。

 少年鑑別所の「収容」による「鑑別結果通知書」にもとづき、家裁の裁判官が「不処分」とした少年少女。これは世間の言葉で言う、「前科無し」でしょう

 ところが、法律上は「少年院法」という矯正施設を定めた法律に根拠を置いています。ちなみに大人の矯正施設については7年前まで「監獄法」と呼ばれていました。

 この法案は、民主党政権の2012年の第180通常国会に参議院先議で提出されました。しかし、趣旨説明すらなく廃案になりました。

(関連エントリー

少年院・少年鑑別所法案が参院でまったく審議されず廃案 審査順のプロセス透明化が必要だ



 2年ぶりに今国会に提出されました。

 付け加えると、少年鑑別所は専門家が「一般相談」をやっています。親・教師・少年少女らが無料で、家庭内不和、いじめ、ひきこもり、交友関係に関して心理学の専門家の職員からカウンセリングを受けられます。別の名前の看板を掲げて、別の出入り口を設けていますが、なかなか利用者は少ないようです。これも「少年院法にもとづく施設」であることが敷居を高くしているのでしょう。

 「少年鑑別所」の「卒業生」やその親が、団体をつくって、国会議員に働きかけるようなことがあるとはとうてい思えません。そのような「声なき声」をすくいあげるのが、野党であり、国会の仕事です。

 やんちゃだけど将来大物になれるかもしれない少年少女が一時的とはいえ、「少年院法」にもとづく立場に追い込まれている現状を、私の正義は許さない。

 私はインターネット上の仮想政治団体「少年鑑別所友の会」を立ち上げたいという思いもあります。ただ、インターネット空間というのは冗談が通じない空間なので、やめておきましょう。リアル空間で「宮崎さん、あれ本当に作ったんですか?」と真顔で聞いてくる人も出てきます。しょせん、インターネットなのに。現実がそうですから、止めておきましょう。そういう冗談が通じない人も含めて、私たちのリアル社会はできています。それは、少年鑑別所「卒業生」とその親も含めて、リアル社会ができていることと同じことです。

 なので、あくまでも個人として。

 今と未来を誠実に生きたい大人として、少年鑑別所法の今国会絶対成立を強く要望します。

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