[画像]参議院厚生労働委員会で謝罪する、厚生労働省の赤石政務官、佐藤副大臣、田村憲久大臣、高鳥政務官、土屋副大臣。2列目は厚労省局長ら。3列目は傍聴者=参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
【参議院厚生労働委員会 2014年5月29日(木)】
国民年金法改正案(186閣法33号)が審議入りしました。先に参議院に送付された「地域包括ケアシステムのための地域における医療・介護総合法案」(186閣法23号)を追い越した格好です。
石井みどり委員長(自民党)が冒頭に異例の発言。
「議事に先立ち委員長から一言(いちごん)申し上げます。さる21日の本会議におきまして地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案の趣旨説明聴取および質疑が行われる予定でしたが、その際の厚生労働省の配布資料に誤りがあったため、当日予定していた議事を行うことができないまま、散会となりました。そのため、医療介護法は、(議長から)本委員会に付託されず、与野党で合意していた本委員会の日程も白紙となってしまいました。 さらに他の委員会の審査日程にも多大な影響を与えてしまっただけでなく、本会議を傍聴するためにお越しになっていた、多くの国民のみなさまにもご迷惑をおかけしてしまいました。今回の事態にとどまらず、今国会厚生労働省においては、労働者派遣法改正案の条文の誤り、独立行政法人の入札問題などさまざまな問題が起きており、業務に対する意識、緊張感が欠如していると言わざるを得ません。委員長として遺憾の意を表明いたします。厚生労働省に対しては、今回の事態について猛省を促すとともに、再発防止のため、職員の意識改革をはじめとするリスクマネジメント体制を強く要望します」
この後、委員長が議事をすすめ、国民年金法改正案について、田村憲久厚生労働大臣に趣旨説明を求めますが、これに先立ち、大臣が謝罪しました。
「趣旨説明に先立ちまして一言(いちごん)申し上げます。5月21日の参議院本会議において、地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律案の趣旨説明を行うに際して、事前の配布資料に誤りがございました。法案審議をお願いする立場でありながら、このような誤りを起こし、参議院の議事運営に重大な混乱を生じさせ、本委員会のみなさまにも多大なるご迷惑をおかけしたことを、深くおわびを申し上げます」。
ここで、冒頭の画像のように、厚生労働省政務三役、政府参考人の厚労省局長らが謝罪しました。
さらに大臣は、全省に訓示し、佐藤茂樹副大臣(公明党、衆大阪3区)をリーダーにする再発防止チームをつくったとしてから、法案を説明しました。
質疑では、津田弥太郎筆頭理事(元野田内閣・厚労政務官、全国比例=ものづくり労組のJAM)が登場。
民主党一のカミナリオヤジとして知られる津田さんですが、意外にも、「労働者派遣法改正案の条文ミス、私はあのくらいはいいと思うんですよ」とやさしい言葉。
そのうえで、「担当の医政局の職員が酔っぱらって駅員を殴って逮捕された」とし、「不祥事連発だ」とカミナリ。「事務方に決定的に緊張感が欠けている」と語り、効率良い仕事ぶり(ディーセントワーク)を求めました。
平謝りの医政局長の説明では、配布資料は、医政局4名、老健局5名の9名が作成。この中の係長級職員が、本来は一括して貼り付ける(コピペ)ものを、段落ごとに貼り付けたことで起きたミスだとしました。そして、課長補佐らにメールを送ったが、局長らには送っておらず、「読み合わせを含めて、全文に目を通した職員は一人もいない」と答弁。
この本会議では、くしくもこの委員会が審査を終了した「難病医療法」「小児特定疾患改正児童福祉法」が成立する運びだったのですが、傍聴者が多かったこともあります。そういった背景があるとはいえ、委員長が「本会議を傍聴するためにお越しになっていた、多くの国民のみなさまにもご迷惑をおかけしてしまいました」と言及したのは良かった、自民党さんもこういうことを言うようになってくれたか、とうれしい思いです。外交防衛委員会の末松信介委員長(自民党)も、2013年12月3日、「本日は、多数の傍聴者の皆様には終始熱心に御清聴いただきまして、本当にありがとうございました。心から感謝を申し上げます」と語りました。おそらく自民党支持者ではない傍聴者が多かったのではないかと推測しますが、それを分かったうえで、このように発言したと思われます。
ところで、きょうの厚生労働委員会では、あろうことか、自民党側の古川俊治・参議院厚生労働委員会筆頭理事が、同じ時間帯の参議院内閣委員会で質問する事態がありました。高階恵美子、三原じゅんこ両理事に任せて持ち場を外れたようです。古川さんはプロフィールによると、法律事務所代表や、医療ベンチャー社長、慶大教授などをしていますので、おそらくどこかの厚生年金に入っているのでしょう。本人が国民年金加入者ということはまずないと思います。遺憾の意を表明した石井委員長も、謝罪した田村大臣も平成研究会(経世会)。その一方、総理派閥の清和会の古川筆頭理事が委員会をすっぽかして、独立行政法人通則法改正案の質問に立つということは、「独法改革になんか関係あるの?」とたずねたくなります。
地域包括ケアシステムは、公明党が、公明新聞、研修会などですでに地方議員に先取りした対応を強調しており、成立するかどうか微妙となってきました。
【参議院法務委員会 同日】
少年院法・少年鑑別所法案(186閣法39号)が審議入りし、会社法改正案(185閣法22・23号=衆議院修正)の審査を追い抜きました。
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