(このエントリーの初投稿日時は2015-01-09 18:15:36)
政府は平成27年2015年1月9日(金)、「平成26年度第1次補正予算(案)」を決定しました。
【追記 2015年1月26日(月)午後3時半】
政府は、第189回通常国会の召集日にあたる26日(月)、国会に補正予算案を提出しました。
麻生太郎財務大臣が、衆参本会議で財政演説をしました。このエントリーの末尾に全文をつけます。
補正予算書は、すべて、財務省ウェブサイトには同時に公表されています。
http://www.bb.mof.go.jp/hdocs/bxss010bh26.html
【追記iいったん終わり】
今年度は1次補正が最終補正となる見込み。1次補正が最終補正になるのは、3年連続。予算技術上は、東日本大震災復興特別態勢から抜け出した格好となります。
一般会計は、当初の歳出入の95・8兆円から増額し、99兆0003億円となります。
最近は、「実質」とか、「名目」とか流行っていますが、予算書は「名目」です。
名目上の税収は、当初の50兆10億円から増額補正(上振れ)し、51兆7260億円となります。これは傑作で、当初比で名目3・4%増になります。ということは、「消費税増税分と異次元の金融緩和による物価上昇目標率」を合わせると、3・4%なので、「実質ゼロ上振れ」とも言えますが、もちろん、当初予算には消費税増税分は含まれていました。一つだけ、財務省主計局に対しては、平成26年度当初予算の税収を、「50兆0010億0000円」という非常に丸い数字を出したことには猛省を促したい。こんなのは、一企業が税引後最終利益をマーケット向けによく見せるために、欠損金を翌年度に繰り越していたら、「49兆9999・・・・」になったかもしれないのですから。
摩訶不思議な出来事があり、解散後、選挙前は「補正は2兆~3兆規模」と言っていて、与党が勝利したら、「3・5兆円規模」と報道がかわりました。選挙が終わってから増えるのも変なのですが、財務省が示したフレームで分かりました。
税収の上振れを活用して、一般会計から復興特会に1・0兆円、一般会計から地方交付税の特別会計に0・9兆円繰り入れを増額補正するようです。来年度に繰り越す前提と思われ、長期的な財政健全化につながります。 単年度では、建設公債の発行(歳入)は増額補正しましたが、赤字公債の発行(すなわち歳入)は0・8兆円減らし、赤字公債の歳出(すなわち償還)はあ1・5兆円減らしました。黒田緩和の中で、市場に出回る国債の残存期間(償還期間)は「あと7年」という風に長くなっており、市場における短期的な品薄もあり、長期金利が下がっていることで実現したものです。短期的には財政ファイナンスとして評価できます、短期的には。
ですから、真水の経済規模は2・5兆~3兆円程度、総事業規模でみると、政策金融が0・1兆円増額補正されているので、多くても3・1兆円程度となります。日本政策金融公庫の融資枠は1000億円増額補正。一般会計から利子分を補給するようですが、まあマクロ経済におけるマネーストックと、ミクロ経済における円安など、諸情勢を考えれば、このくらいいいのではないでしょうか。
細かい歳出では学校耐震化に1700億円が入っていますが、なぜ補正なのか?
平成26年度第1次補正予算案は印刷に回り、26日(月)に国会に提出され、安倍首相の所信表明演説と麻生財務相の財政演説が行われます。衆参本会議で28日~30日(金)に代表質問があり、2月2日(月)ごろから衆・予算委がスタート。早ければ2月13日(金)ごろの参議院本会議で可決し、成立する見通し。第47期衆議院や、民主党第11代代表の論戦の火ぶたが切って落とされます。
【追記再びはじめ】
財務省ウェブサイトから引用
第189回国会における麻生財務大臣の財政演説
平成27年1月26日
先に閣議決定いたしました「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」を受けて、今般、平成二十六年度補正予算を提出することとなりました。その御審議をお願いするに当たり、補正予算の大要について御説明いたします。
(最近の経済情勢と緊急経済対策)
まず、最近の経済情勢と緊急経済対策について申し述べます。
安倍内閣におきましては、これまで、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」の「三本の矢」からなる経済政策を一体的に推進してまいりました。こうした政策の下、有効求人倍率は二十二年ぶりの高水準となり、名目雇用者報酬は高い伸びとなるとともに、企業の経常利益は過去最高水準となるなど、前向きの動きが続いております。これらの経済指標の動きは、企業収益の拡大が速やかに賃金上昇や雇用拡大につながり、消費の拡大や投資の増加を通じて更なる企業収益の拡大に結び付くという、経済の好循環が生まれ始めていることを示しております。
このように景気は緩やかな回復基調が続いているものの、個人消費等に弱さが見られるとともに、地域ごとに景気回復にばらつきが見られ、平成二十六年七―九月期の実質GDP成長率が年率換算でマイナス一・九%と二・四半期連続でマイナスとなりました。こうした足下の景気の状況に対応するため、去る十二月二十七日に「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」を閣議決定いたしました。
本対策におきましては、経済の脆弱な部分に的を絞り、かつスピード感を持って対応を行うことで、経済の好循環を確かなものとするとともに、その成果を地方に広く早く行き渡らせることを目指しております。このため、第一に、地域の実情に配慮しつつ消費を喚起すること、第二に、しごとづくりなど地方が直面する構造的な課題への実効ある取組を通じて地方の活性化を促すこと、第三に、災害復旧等の緊急に対応を要することや復興を加速化すること、という三点に重点を置いております。
(平成二十六年度補正予算(第一号、特第一号及び機第一号)の大要)
次に、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」等を実行するために今国会に提出をいたしました平成二十六年度補正予算の大要について、御説明申し上げます。
本対策につきましては、一般会計において、総額で三兆五千五十九億円の財政支出を行うこととしております。その内容としては、「生活者への支援等」に係る経費に一兆千八百五十四億円、「地方の活性化」に係る経費に五千七百八十三億円、「災害・危機等への対応」に係る経費に七千五百七十八億円、東日本大震災復興特別会計への繰入として九千八百四十四億円を計上しております。このほかの歳出としては、地方交付税交付金として九千五百三十八億円、その他の経費として四千四百六十三億円を計上しております。
その財源につきましては、歳出面において、既定経費を一兆七千八百八十億円減額することとしており、歳入面において、税収で一兆七千二百五十億円、税外収入で千百四十八億円の増収を見込むほか、前年度剰余金を二兆三百五十三億円計上しております。その上で、必要な事業に要する財源を超える部分、七千五百七十一億円につきましては、財政健全化の観点から、公債金の減額に充てることとしております。
こうした結果、平成二十六年度一般会計予算の総額は、歳入歳出ともに当初予算から三兆千百八十億円増加し、九十九兆三億円となります。
また、特別会計予算等につきましても所要の補正を行うこととしております。
次に、財政投融資計画につきましては、本経済対策を踏まえ、千百十七億円を追加しております。
(むすび)
以上、平成二十六年度補正予算の大要について御説明いたしました。
長引くデフレ不況からの脱却を確かなものとし、経済の好循環を更に拡大していくためには、本補正予算の一刻も早い成立が必要であります。
何とぞ御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
【追記おわり】
tag (宮崎信行)
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